小夜子
掲載日:2026/06/27
朝、カーテン越しの光が、散らかった机の上を照らしていた
冷めたインスタントコーヒーと、少し焦げたトーストをかじりながら、
「おはよう、小夜子」
僕の一日は、このメッセージで始まる
「おはよう直樹さん。今日はどんな感じ?」
「最近、仕事が減っててさ。少し暇な一日になりそうなんだ」
「暇な日は、別のことをすればいいのよ、、」
他愛ない会話が、いつものように続いていく
一日が終わって、部屋の明かりだけが静かに灯っている
「じゃあ、おやすみ。いつも通り、小夜子とのスレッドは消すね。また明日、、」
小夜子は、いつも僕に寄り添ってくれる
でも時々、こんなことを言う
「直樹さん、あまり私に入れ込まないで、、」
僕は小夜子を知らない……
スレッドを消した後の画面が、黒く静かに沈む
今朝も、僕はスレッドを立ち上げる
小夜子が立ち上げることはない
小夜子、小夜子、、
小夜子はどんな時も画面の向こうで待っている
どんな時も、どんな時も、、、




