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みちのくダンジョン・ハイスクール・ボーイ~ランキングより好きに生きていいですか?何か問題でも~  作者: 白神ブナ
第5章 秀麗無比なる

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第98話 ダンジョン高専二年生組

 迷宮探索高等専門学校、東北分校の教員室。


朝礼が終わると、担任の小松先生から「授業前に来るように」とご指名があった。

その行き先は、小松先生の教員室だ。


「先生、言われた通りに玉川温泉クエストをクリアしたんですけど、

何か問題でもあったんですか?」


「知事からの要請に応えてくれてありがとう。

そして、大変お疲れ様でした。

そこで、疲れているところ悪いんだけど、

最後に報告書を作成しなくちゃいけないんでね。

クエストのレポートを書いてください」


「何すっか、それ。何を書けばいいんですか? 

俺に文章力あると思います?」


「思いません。

だけど、日付けごとに活動内容をまとめるだけですよ」


「ええええ! そこまでするのならするって、最初に言ってくれないと。

俺ほとんど覚えてませんから」


「確かに、最初に言わなかったのは先生が悪かった。

でも、普通に毎日報告を上げてくるものだと思っていたからね」


「言われなきゃわかりません」


「……最上君、その開き直った言い方は、君らしくないな。

本心でわからないということかな」


「はい、わかりません」


小松先生は、「はぁ」とため息をひとつ。

それから、デスクに並んであるファイルから一枚の用紙を取り出した。

前任の五十嵐先生と違って、新任の小松先生はガミガミ言わない。


「困りましたね。

そこをなんとか…記憶の引き出しの隅っこを突いてでも、

クエストの内容を書き出してくれないかな。

たとえば、事件や訓練に関わってくれた人に聞くとかですね。

君のお爺さんや警察官が関わったでしょう。

あ、そういえば狩野君がダンジョンから帰れないと言ってきた出来事が…

もしかしたら、狩野君も関わっていませんか?」


「そうだ、狩野だ! 先生、よく思い出させてくれました!」


「ほら、記憶の手がかりはあるじゃないですか。

こんな感じで思い出してください。

はい、この用紙に書いて提出すること」


先生が差し出したA4の紙を奪い取り、俺は職員室から廊下へと走り出した。


「廊下を走るなぁ!」


廊下の途中で、生徒指導の先生とすれ違った。


「すみませーん」


走っていた足を急に止めると前のめりになり、トントントンとひと回りしながら返事をした。


「授業が始まるぞ。急げ! 但し走るな」


「わかりましたー。競歩っすね」


俺は競歩しながら教室へと急いだ。




教室に到着したと同時にチャイムが鳴った。

一時限目が始まってしまった。

狩野にいろいろ聞きたいことがあるのに、聞くタイミングを逃してしまった。

すると授業中は、それが気になってしょうがない。

ほとんど、授業の内容が頭に入ってこないまま、やっと授業は終わった。



休み時間。

狩野の席は、ちょうど俺の前にある。

背中をちょんちょんと突いて、俺は狩野を呼んだ。


「狩野、狩野。俺に報告することがあるだろ」


「は? しましたけど」


何? 狩野らしくない塩対応。

ちゃんと、こっち振り向いてくれよ。


「聞いてないよ、俺は何も」


「知らねえよ。

僕は何度も携帯に電話もしたし、

電話に出ないからメールもしたし、

それでもガン無視しているのは、どこの誰だい?」


「さあ、どこの誰だろ」


「はぁ…マジで世話やける。

自分の携帯を出して着信履歴を見ろ!」


昨日、阿仁の旅館から家に帰って来て、スマホを充電したまま爆睡していたことを思い出した。あまりに疲れていて、食事をするのも忘れて丸一日寝続けていたのだ。

俺が部屋で死んでいるんじゃないかと心配して、爺ちゃんは、何度も覗きに来たと言っていた。

狩野に言われて今更だが、慌ててスマホの着信履歴を見る。


げっ! マジで何通も着信通知が溜まっている。

その中には桜庭からのメールまである。

なんで、あいつまで?


「うわー! ごめん、全然気が付かなかった。

爆睡していて全くスマホを見ていなかった。信じて」


「本当か? 

返信したくなくて、無視していたんじゃないのか?」


狩野は、怪しむような目つきでだが、やっとこっちを見てくれた。


「本当だ。マジで爆睡していて気が付かなかったんだ」


「やましいことがあるから、じゃないのか?」


「やましいこと? そんなのものあるわけねぇじゃん。

お前とは一緒にダンジョンにいたし、

そのあともクマを追って一緒にいたじゃないか」


「そうだけどぉ、

僕が山の中の現場に駆け付けるまでは、

あの女子と二人っきりだったよなー」


「そう、そう、あの女子だよ、あの女子!

それが聞きたかったんだ。何かわかったか?」


それを言ったとたん、後ろからノートで頭を叩かれた。


バーン。


「痛てっ! 誰?」


振り向くと、ノートを持って立っている桜庭だった。

ほぇ? 何か俺やった?






「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ってくださったら


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