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みちのくダンジョン・ハイスクール・ボーイ~ランキングより好きに生きていいですか?何か問題でも~  作者: 白神ブナ
第1章 迷宮探索高専 東北分校

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第8話 ハヤブサとの戦い

 地面を蹴り上げて駆けだした俺を狙って、ハヤブサの魔法は連続で飛んでくる。

パチッと指を鳴らすたびに飛んでくる何かの魔法。

ハヤブサの指先で何度も魔法の火花が弾けている。

これは、魔法弾だ。


パチッ、パチッ、パチッ・・・・


だが、俺には当たらない。

最速でジグザグに動き回り、魔法弾を避け、逃げ回るように見せかけて次第に距離をつめていった。

ハヤブサの表情に焦りが見え始める。


その時、俺はハヤブサの前に一歩を踏み出した。

ハヤブサはハッとし後ろに引いて俺から距離をとろうとしたが、その時にはすでに遅い。

俺は渾身の手刀を、魔法弾を放つ奴の腕をめがけて振り下ろした。


「ぐっ・・・・」


潰されたカエルのような鳴き声をあげて、ハヤブサは右腕を抑えて膝から崩れた。


「なかなかやるじゃないか」


「魔法弾って、素手でも出せるんですね」


「あらゆる攻撃を想定できないとわたしには勝てないよ。

こんなのは初歩中の初歩だ」


「まいったなぁ」


まだやる気なんだ、このお兄さん。

先生も誰も止めないから、攻撃するしかない。

やってらんねぇな。

俺は愚痴をこぼしつつ拳を握る。

ハヤブサが次の攻撃をいつ仕掛けてきてもいいように、腰を落とし神経を張り詰める。


「お兄さん、ひとつお手柔らかに」


「お前がわたしをお兄さんと呼ぶのはまだ早い!」


勢いよく差し出された手のひらから光線が、俺を狙って放たれた。

俺は一歩横にずれて、難なくそれをかわす。

光線の先端は校庭の土に当たって土埃をあげ、光が拡散した。

濛々と舞い上がる土埃を浴びて、生徒たちは悲鳴をあげながら逃げ回る。

埃に紛れて、今度はハヤブサの背後に回り、俺は奴のお尻を思いっきり蹴り上げた。


「うっ! 目くらましのつもりか」


「そちらが埃をあげたんですよ」


「生意気な」


今度は右手でハヤブサの脇腹を狙う。

だが、右手はハヤブサの左わき腹をかすめただけだった。


「おやおや、どうした」


そう言ったハヤブサの回し蹴りが俺の腹にヒットした。

勢いで飛ばされ、俺は地面にバウンドして落ちた。

なんとか立ち上がろうとして、四つん這いになった口から鉄分の味がするものを吐き出す。


女生徒たちが悲鳴をあげている。

生徒たちからは「これヤバくないか」という声が聞こえ始めた。


「最上、がんばれ! 負けるな! でも、ハヤブサさんも頑張ってください」


狩野、お前の応援の仕方は変だぞ。

両方応援する気持ちはわかるが、あまり嬉しくないな。

それに、ハヤブサは全然「お手柔らかに」してくれない。

素手で魔法を使ってくる。


なんで下校しようとしたところで、こんなとんでもない相手に遭遇してしまうのか。

今日の運の悪さを嘆いた。

たぶん逃げても追いつかれてしまう。


「悪いな。そろそろフィナーレとさせてもらうよ」


ハヤブサは、ゆっくりと右手を差し出して光線を発射する構えを見せた。

一か八かで俺は、地面を思いっきり蹴り上げて高くジャンプする。

だが、光線は虹のように弧を描いて俺を捕えた。

全身がしびれて気を失いそうになる。


このままハヤブサの上に落ちてやろうか。

ぎりぎりの意識の中でハヤブサの頭部を狙って落ちる。

ごめんよ、桜庭・・・


だが、ハヤブサは俺を軽くあしらうように避け、そのまま地面に落ちた俺に魔法弾を連発してきた。


パチッパチッパチッパチッパチッパチッ・・・・


激しい連打を浴びながら必死にこらえる。


野次馬の生徒たちに動揺が走った。


「これ、魔法対生身じゃないか。不公平だ」


「そうだ、そうだ。先生、これおかしくないですか?」


五十嵐先生は生徒たちに責められても動じない。


「いや、公平だ」


「止めてくださいよ、先生。このままじゃう最上が死んでしまいますよ」


「誰か救急車を・・・」


「いや、違う。誰か、桜庭を呼べ。この争いを止められるのは桜庭しかいない」


「よっしゃ、俺、呼んでくるわ」


このままじゃ終われない。

俺は魔法弾を受けながらも、必死に右の指先をハヤブサに伸ばす。

と、見せかけて実は左手でハヤブサのふくらはぎを勢いよくつかみ、ひょいと持ち上げながら立ち上がった。

左腕一本でハヤブサの体を釣り上げてみせた。


「おい、ちょっ・・・ま・・・」


待ったも何もない。

持ち上げたハヤブサの一本釣りを両手に持ち替え地面に叩きつける。

埃が再び舞い上がる。

濛々とまわりを包み込んだ土埃が、静かに消えると、衝撃で気を失って倒れているハヤブサの姿があらわになった。


「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 学校で何をしてるのよ」


桜庭を呼びに行った狩野と一緒に、桜庭あずさが駆け寄って来た。


「きゃー! 先生、これはどういうことですか。説明してください」


「最上と桜庭の兄が勝手に喧嘩しはじめた」


嘘だ。

五十嵐先生が戦いの許可を下したではないか。

周りの生徒がざわざわし始める。


「お兄ちゃん!」


「ああ、あずさか。大丈夫だ。お兄ちゃんは大丈夫だから・・・」


「こんなところで喧嘩しちゃだめでしょ」


「あ、ごめん、ごめん。もうしないから」


「もう! 最上君は強いってわたしが言ったでしょう。無茶な事しないで」


「うん、その通りだった。あずさの言った通りだね」


なんだ、ハヤブサってシスコン?

俺に対する態度と、桜庭あずさに対する態度がまるで違う。

兄を心配して駆けつけた桜庭あずさが気の毒に思え、俺は謝った。


「桜庭、ごめんよ。俺、君のお兄さんを伸してしまった」


「最上君、こちらこそごめんなさい。

兄が勝手に学校に乗り込んできて、迷惑かけたんでしょ。

最上君は悪くないわ。悪いのは・・・一番悪いのは・・・・」


桜庭あずさはそこまで言いかけて口をつぐんだ。

そのとき、その先を続けてくれたのは、一部始終を見ていた生徒たちだった。


「先生が止めないからだよ。見過ごしたレベルじゃないよこれは」


「そうだ、教師が戦いを勝手に許可するほうがおかしい」


「けが人が出るまで見続けていたのは、五十嵐先生だ」


「本来は止める役目なのに、喧嘩を助長させた」


「一番悪いのは、五十嵐先生だ」


五十嵐先生は非難の嵐を浴びた。


「お前ら、こんなところで居残りしていないで、さっさと帰りなさい!」


生徒たちはムッとしながらも、一応言うことをきいて、帰ろうとした。

だが、きっちり爆弾発言を落とすことは忘れない。


「俺たち、動画をSNSに投稿しましたから。

なんか、いっぱいイイねが付いていますよ。

今、ちょうど拡散してバズってるところでーす」


「な、何ィ?!」


五十嵐先生は真っ赤になって怒りながら生徒たちを追いかけて行った。



とりあえず、ハヤブサとの戦いは終わった。

俺も体が痛いが、倒れているハヤブサを抱き起している桜庭を見ると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「悪かった、桜庭。許してくれ」


俺のかけた言葉に反応したのは桜庭あずさではなく、兄のほうだった。


「・・・・いいんだよ、最上君だっけ? 

なかなかやるねぇ。妹をよろしく頼む。

幸せにしてやってくれ・・・」


そう言って、ハヤブサは目を閉じた。


「お兄ちゃん!お兄ちゃん! 死んだら嫌」


狩野が桜庭の後ろから声をかける。


「いやいやいやいや、気を失っているだけだと思うよ」


それと、狩野、もうひとつ言ってくれ。

「妹を幸せにしてやってくれは違うと思う」と。

俺たち別に付き合っていないし、ただの同級生ってだけだから。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ってくださったら


下にある☆☆☆☆☆から、

ぜひ、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、

つまらなかったら星1つ、

正直に感じた気持ちでちろん結構です!


ブックマークもいただけるとさらに泣いて喜びます。


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