表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みちのくダンジョン・ハイスクール・ボーイ~ランキングより好きに生きていいですか?何か問題でも~  作者: 白神ブナ
第3章 レベル999(スリーナイン)、知らんけど

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/122

第68話  ハヤブサパーティ全員集合

「そろそろ、ジュリアの配信場所に移動しないと・・・」


 俺はハヤブサに言われた通りに任務を遂行しなければならない。

それは、それぞれの配信チャンネルに顔を出すという計画だ。


「あら、こんなにいい話をここで聞けたのに、もう移動するの?

わたしのリスナーさんたちだって、納得しないわよ。

ねえ、みんな。もっとハチ王子にいて欲しいわよね」


ユズリハ・チャンネルのコメント欄が物凄い速さで流れて行く。

目で追って読むことができないくらいだ。


「ね? 移動することないわよ」


「だって・・・・」


「だって、何よ」


「配信チャンネルをいろいろと回れと・・・」


「いいことを教えてあげるわ。

あそこでパンケーキを焼いているおばさん見えるかしら。

その横に立っているのって、ジュリアじゃない?」


 ユズリハが指さしたほうに視線を向けると、彼女の言った通りだった。

ジュリアがノマド・キャンパーからパンケーキの焼き方を教わっている所だった。

俺はジュリアのところまで歩いて声をかけた。


「何やってるんですか。こんなところで」


「ハーイ、少年。それはわたしのセリフよ。

待てど暮らせど、工事現場事務所に来ないもんだから、

わたしの方から来ちゃった。

どうせ、ユズリハに行かないでとか言われてたんじゃないの?」


「失礼ね、ジュリア。

ここではとても貴重なインタビューができたのよ。

だから、ハチ王子は移動できなかったんだから」


「ユズリハが彼らにインタビューですって?」


ジュリアはロサンゼルスから来ているから、ノマド・キャンパーたちが地上でどんな生活をしているかよく知っているのだろう。

一瞬だけ眉をよせた。


そこに、ノマド・キャンパーのおばさんがジュリアに言った。


「ほらほら、パンケーキの表面がプツプツしてきたら

ひっくり返すのよ。

無駄話してたらパンケーキが焦げちゃうでしょ」


ジュリアは言われるままにパンケーキをひっくり返した。

ちょっと歪だが、きれいな焼き色がついている。


「わぁ、出来た、出来たわ。面白ーい」


「あなた筋がいいわね。上手よ」


「おばさん、今度は粉の配合のしかたも教えてよ」


「アニーよ。アニーと呼んで」


「アニー、レシピ教えてね。メモに残しておきたいの」


「ええ、いいわよ。もう片方側もきれいに焼けたらね」


なんだ、俺のことなんかもうどうでもよくなっているじゃないか。


「アニー、わたしのリスナーさんに向かって手を振って。

こっちのカメラよ。


リスナーの皆さん、

ここでは、料理が得意な人から料理を教えてもらうことができます。

OK、みんながリクエストが多ければ、

わたしのチャンネルから

アニーのクッキング番組を配信しようかしら。

どう? ノマド・キャンパーたちって、

本当に優しい人たちだわ。

皆さんも経験と知識が豊富な彼らから

いろいろ学んだ方がいいわ」


ジュリアは俺がいなくても、リスナーにここの素晴らしさを伝えるのが上手だ。

何も心配いらないな。


「ハチ王子、またあなたを探しに来た人がいるわ」


 ユズリハが教えてくれた先には、桜庭兄妹がいた。

フリーマーケットを開いている場所に立って、周りを見回している。

やばい、俺を探しているんだ。

俺はこの兄妹が喧嘩している間にそっと抜けてここに移動してきたからな。

みつかったら、さぞ怒られるだろう。


「見つけた! ハチ王子、

勝手にいるなんてひどいじゃないの!」


来た! 桜庭の咆哮が響き渡る。


「ええっと、リスナーの皆さん、見えますか? 

ハチ王子はここにいました。

すみませんでした。

着替えに行ったっきり、姿が見えなくなってしまって、

今インタビューしますね」


焦って俺を追ってきたのだろう。

ハヤブサがしきりにカメラに向かって謝っている。


「ハチ王子、海での活動お疲れさまでした。

ハヤブサ・チャンネルをご覧の皆さんに一言お願いします」


「ハヤブサ・チャンネルを見てくれている皆さん、

こんにちは。

これが俺です。アバターなしです。


えっと、ダンジョン第5層界の様子は、

ハヤブサ・チャンネルをずっと見てくれている方は、

空からの映像も見てくれているし、

ここの大自然の素晴らしさは俺が今さら説明するまでもないです。


それに、俺がここで百の言葉を語るよりも、

実際ここに住んでいるノマド・キャンパーたちの話を

聞いた方がここの良さが伝わります。

しばらく、ここの様子をご覧になって、

それぞれのリスナーさんに感じ取って欲しいです」


ハヤブサはドローンを操作して、ノマド・コロニーの全景を撮影し一周した。

太陽は傾きはじめて、空はオレンジ色に染まりつつあった。


「おーい、最上ぃ! いるかぁー? 僕だ、狩野だ。

ちょっと、重い物を運んで来たんで手伝ってくれー」


 狩野が向こうの丘から手を振っている。

あいつ、どこに行ってたんだ。

狩野に呼ばれて俺は、丘まで走った。

なにやら、思い器材を抱えて来ている。


「どこへ行ってたんだよ、狩野。

自衛隊と一緒に地上へ帰ってしまったのかと思っていたよ」


「いやいやいやいや、そんなわけないじゃん。

これから暗くなるからさ、配信するには照明機材が要るだろ。

これを調達してきたんだよ」


「お前、これは・・・」


「工事現場で夜間に使う照明だよ。

工事現場のことなら狩野建設の息子に任せろっての」


「え、これをわざわざ仙台から持ってきたの?」


「んなわけないじゃん」


「じゃ、工事現場と言ったら・・・」


「工事現場といったら?」


二人で同時に言う。


「エバンスの北部開発工事現場!!」


「やばくないか? 盗んできたのか」


「違うよ。僕はお前とは違う。

ちゃんとお借りしますって言ったよ」


「なんだよ、違うって。こころよく貸してくれたのか?」


「なんか、エバンスが逮捕されちゃって現場は混乱してた。

僕はお借りしますって言ったけど、

聞こえていたかは知らない」


「それ、借りたって言えるのか? 

それじゃ俺と同じじゃないか」


「大丈夫、ちゃんと明日には返しに行くから。

さ、設置だ。設置。手伝えよ」


狩野、お前ってやつは・・・・ある意味、最強だ。


照明を狩野と設置しようとしたら、ノマド・キャンパーのおじさんたちが手伝ってくれた。


「電源はどうする」


「そうかと思って、これも借りてきたよ」


狩野はアイテムボックスから、ポータブル発電機を取り出した。


「なんだ、じゃあ、この照明機材も、

最初からアイテムボックスに入れて運べばよかったんじゃね?」


「あ、そうか。それは考えなかった」


やっぱり訂正。

狩野、お前ってやつは・・・・ある意味、最強だが、一本抜けている。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ってくださったら


下にある☆☆☆☆☆から、

ぜひ、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、

つまらなかったら星1つ、

正直に感じた気持ちでちろん結構です!


ブックマークもいただけるとさらに泣いて喜びます。


何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ