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第6話 秘密のダンジョン

「アイテムボックス」


 狩野の言った通りだ。

アイテムボックスと唱えるだけで、右手のステイタス画面にそれが表示された。


「あ、アイテムボックスが現れたよ」


「ほらな、僕が言ったとおりだろう。

最上にはその能力があったんだよ。

どうして今まで気が付かなかったのか、その方が不思議だ」


「お、おう、ありがとな」


今まで気が付かなかったのかと言われても困る。

俺はミッションが来るままに、それをクリアしてポイントを稼いでいただけだ。

学校ではいつも五十嵐先生に叱られているから、俺はレベルが低い劣等生だしね。


狩野に教わった通りに、マジックバッグの中のアイテムをひとつひとつアイテムボックスに移動させる。

ステイタス画面は俺にしか見えないため、狩野にはわからない。

しかし、マジックバッグから取り出した物は狩野にも見えている。


魔石、魔石、魔石、魔石・・・


「意外と魔石を持っているんだ。すげぇ」


無双アイテム、ボム、ボム、ボム・・・


「ふーん、無双アイテムも持ってたんだ」


コイン、コイン、10コイン、50コイン、100コイン・・・・


「さすがポイ活の覇者」


おにぎり、おにぎり、豆、豆、豆、バナナの皮・・・


「バナナの皮? そんなの何に使うんだ」


木槌、釘、釘、釘、のこぎり、竹刀・・・


「お前、大工か?」


軍手、ランタン、飯盒、・・・


「キャンパーかよ」


「あと、今日のポーションだ」


「お前、結構アイテムをたくさん持っていたんだな。どこでこんなに揃えたんだ?」


それは、俺には毎日ミッションが来てそれに従っているだけだ

と説明したところで、誰かが部屋のドアをノックした。


コンコン


婆ちゃんが顔を出して、狩野を見て挨拶をする。


「ようこそ、いらっしゃいました。うちの忍がいつもお世話になっております」


「俺の婆ちゃんだ」


「あ、どうも。狩野です」


「まあ、お口に合うかわかりませんが、バナナのスムージーです。どうぞ召し上がってたんせ」


「あ、どうぞおかまいなく・・・でも、美味しそうだから、いただきます。

・・・・うまい!最上はいつもこんなにおいしいものを飲んでるのか!」


「あんやー、喜んでいただけてよかったです」


「婆ちゃん、もういいよ。あっちに行ってて」


「へば、まんず、ゆっくりしてってたんせ」


婆ちゃんがドアを閉めたのを確認してから、おれは言った。


「はい、これが約束のワンドリンクな」


「最高っす! ところで、話の続きだ。お前に来るミッションって何だ?」


「最初は筋トレメニューが多かったけど、最近はダンジョン探索が多いかな」


「どこのダンジョンへ行ってるんだ?」


「それは・・・・」


誰にも知られていないダンジョンの存在を狩野に教えるのには、ちょっと勇気が要る。

もし、学校の誰かに知られて荒らされたら困るのだ。

でも、アイテムボックスを教えてもらったし、狩野を信用して俺は打ち明けることにした。


「それは・・・・まだ誰にも知られていない無名のダンジョンだよ。

この周辺には未発見のダンジョンがまだたくさんあるんだ」


「マジか」


「行ってみる?」


「うん、行く、行く!」



 ペンションから歩くこと約20分のところに、いつも探索しているダンジョンはある。

ダンジョンの入り口は笹で覆われて、一見、熊の寝床と見間違えそうな穴だ。

狩野のレベルはどれくらいか聞いたことがないから知らないが、多分俺よりは高いと思うから、物足りないと思うかもしれない。


「ここだよ。最初は何もないけど、しばらく行くと球体の石が壁面に埋め込まれているから」


「おい、熊が出てきたりしないだろうな」


「大丈夫、熊は俺が捕獲して猟銃会に引き渡したから」


「熊を捕獲した!? お前まさか銃を使ったのか?」


「そんなわけないじゃん。素手で捕獲したんだよ」


「素手で・・・熊を?」


何故、狩野が驚くのか俺は意味不明だったが、とりあえず前に進んだ。


「ここだよ、この壁面に埋め込まれている球体。これに手をかざすと転移できるんだ」


球体に手をかざして、ダンジョンの第1層界へと移動した。

そこは、天井が高くなり石造りの宮殿のような場所で、俺が転移してくると壁の松明に一斉に灯がともる。

ここは洞窟とは別の世界となる。


「最上、すげぇ所だな。ここはもうクリアしたのか?」


「ああ、この奥に行くとまた転移の球体がある」


「え? お前はどの階層まで進んでいるんだ?」


「まぁ、第9層界までは行ったかな」


「魔石をたくさん持っていたけど、魔物はお前が倒しているのか」


「もちろん」


「一応聞くけど、武器を使用しているのか」


「学校を通して国に届け出しなきゃいけないだろ、武器使用は。

そんな面倒くさいことしないよ。

素手とか竹刀とか木槌かな。ほとんど素手が多いけど」


「熊と同じかよ」


「だって、武器を使うよりも、体を張って戦うほうが楽しいじゃん」


「生身で戦うのが楽しいって、その方が大変だろ」


「武器を使って勝ったって、そんなの当たり前じゃん。

生身で戦って魔物を倒したときの達成感ったらほかに無いから」


「・・・・・え? そうなの?」


「とりま、第5層界くらいまで行ってみる?」


俺は奥まで進んで、転移の球体に手をかざした。

第5層界は、天井はなく一面青い空が広がっている。

地面は草原と岩場で、開拓時代のアメリカの荒野みたいな世界だ。


「ここは、どこの世界だ。まるで古いアメリカ映画みたいなところだな」


「あのむこうの丘に俺は隠れ家を建てたんだ。あ、マップが欲しい?」


「マップ? どうすればマップが見られるんだ?」


「アイテムボックスから転送しようか」


狩野に教えてもらいたてのアイテムボックスを開いて、狩野にマップを転送してみる。


「おう、届いたよ」


俺が建てた隠れ家に狩野を招待した。


「お前が大工道具を持っていたわけがこれでわかったよ。すげぇな。

これを建てるのに木を伐採しろとかいうミッションでもあったりして」


「そうだね、木を三本伐採というミッションがあった」


「マジかよ。僕にくるミッションはせいぜい丸太三本なのに。

で、木を三本、それを斧かチェーンソーで切ったのか」


「まさか、そんな面倒くさいことしないよ。蹴りで倒した」


「はぁ?」


「ところで、この家の隣に厩を建ててみたんだけど、見る?」


隠れ家には厩が併設してあって、そこには二頭の馬をつないでいる。

一頭はブチで、もう一頭は白馬だ。


「馬まで飼っているのか」


「うん、馬で移動すると楽だよ。これに乗ってちょっと探索してみようよ」


狩野は斑の馬を選び、俺は白馬にまたがった。

二人で馬に乗って荒野を探索するのは、超気持ちがいい。

ダンジョンとは思えないほど、空は高く、風を全身で感じながら馬を走らせることができる。


「いいなぁ。ここ、気に入った。最上は毎日こんなことしているのか」


「まあ、ミッションクリアしてからだな、ゆっくりできるのは」


「ここに魔物は出ないのか?」


「ほとんど討伐したとは思うけど、ドラゴンだけは数が多くてな・・・

でも、ここのドラゴンは人間に危害を加えないようだ」


「え」


狩野が反応したとたん、上空からドラゴンがこっちに向かってきて、狩野の横をかすめた。


「うわぁ!!!!」


俺は、馬から降りて、地面の石ころを拾い、ドラゴンめがけてヒュウっと投げつけた。

石はドラゴンの鼻に命中し、フラフラと向こうの丘まで飛んで行ったかと思うとそこで力尽きて地面に落ちた。


「あ、ドラゴンが下りて行った。あそこにドラゴンの巣があって、帰って行ったんだね」


のんきなことを言う狩野、お前は俺が石を飛ばしたところを見ていなかったのか。

ビビっていたから目を閉じていたんだな。

情けないやつだ。


「じゃ、お約束の温泉に行こうか」


「えー!? もう帰るのか。もうちょっとここに居たいなぁ」


「何言ってるんだよ。ここに俺は温泉を掘ってあるんだ。そこに案内するよ」


「うっそ! 温泉まであるのか!」


温泉までの道のりの途中でトウモロコシ畑の横を通った。


「まさかと思うけど、このトウモロコシ畑もお前が作ったとか言わないよな」


「そのまさかだけど?」


「ハハハハハ、最高過ぎる。最上って本当に最高におもしれぇ」


温泉はもちろん露天風呂で、石を組んで作った堀に川の水を引き込んで、適温になるように調整している。

俺たちは、誰もいない荒野で真っ裸になって、温泉に飛び込んだ。


「ひゃっほー!最高、ああああああーーーっ、気持ちいいなぁ」


よかった、狩野に喜んでもらえて。

ひとりでダンジョンのスローライフを楽しむよりも、二人で楽しんだほうが百倍いいと俺は実感した。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ってくださったら


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