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みちのくダンジョン・ハイスクール・ボーイ~ランキングより好きに生きていいですか?何か問題でも~  作者: 白神ブナ
第2章 秘密のダンジョン第5層界快適化計画

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第49話 御積島(おしゃくじま)ダンジョンダイビング

 ハヤブサの命令通りに三日間缶詰め状態になって、なんとか夏休みの課題はやり終えた。

俺だってやれば出来る。

やらないから出来なかっただけ。

と、いう意味不明の自信がついた三日間だった。



 三日後、朝早くハヤブサさんの車がペンションまで俺を迎えにきてくれた。

桜庭も駐車場に出てきて、荷物を運んでくれる。


「お兄ちゃん、安全第一でお願いよ」


「わかっているよ。

あずさのところにちゃんと最上君を無事に返すから、

今日だけは貸しておくれ」


俺は桜庭の所有物ではないんですけど。


「第5層界では、狩野君が待機しているんでしょ。

日本ではわたしが何かあった時の連絡先になるからね。

最上君もお兄ちゃんも、無事に帰って来てね」


「あずさ・・・、なんてけなげな・・・・

かわいいあずさのためにお兄ちゃんは無事に帰ってくるよ」


「最上君はどうなの」


「なんだか特攻に行くみたいだな。

帰ってきたら煮込みハンバーグを食いたい」


最近、母さんから伝授された煮込みハンバーグが桜庭の得意料理になっていた。

俺は桜庭のことを思ってではなく、単純に食い気で言ったつもりだが、

なぜか桜庭は、頬を染めながら静かにお辞儀した。


「ご武運を・・・」


おい、マジで特攻に行くみたいじゃん。



 ハヤブサは車を山形県酒田市にむけて走らせた。

酒田に向かう車の中で、俺はハヤブサに提案した。


「勉強の合間に飛島ダイビングの計画について考えたんですけど・・・」


「そんな余裕あったんだ。

勉強の合間にダイビングのことを考えるなんて」


「だって、命かかってますから」


「それで?」


「日本海と第5層界の海が繋がっていたとして、

そこで救助を待つよりも、

日本海まで戻ってきた方が安全じゃないかと。

ドラゴンに救助されるということは、空を飛びますよね。

潜水後に急に気圧の変化があったら、減圧症になっちまう」


「ふむ、一理あるな」


「ただ、潮流によって戻れるかどうかは、

行って見ないとわかりませんけど」


「そうだな、そこは潮流を見てから判断しよう。

どういう方法でエグジットするか。

第5層界側の北エリアと日本海側と、

両方スタンバイさせておこう」


「何を」


「救助隊だよ。まあ、大丈夫だろう。

ダン技研には申請書も出してあるし」


「そんなことまでしたんですか。

それほど危険なんだ」


「言っておいて何だけど、あまり不安になるな。

不安になると潜れないぞ」


そんなこと言ったって・・・

ダイビングのスキルはハヤブサのほうが上だし、探索者レベルもハヤブサのほうが上。

俺はバディーとして足を引っ張らないように、せいぜい頑張るしかない。


「じゃ、気分を変えて、楽しい話をしようじゃないか。

今まで潜った海で一番よかったのはどこだい?」


「パラオですかね」


「ヒュウ~、海外もダイビングしに行っていたんだ。

最上家はやるなあ。10歳から潜っているんだろ」


「俺の両親、共通の趣味がダイビングなんで」


「いいなあ、両親ともダイバーだなんて。

だから最上君の体はたくましいんだ」


「いえ、そんなことないんで。全然です。

ハヤブサさんは、今まででよかった海はどこですか?」


「モルディブ」


「そっちこそやるじゃないですか! 負けました。

いいなぁ、俺行ったことないですよ。行って見たいなぁ」


「これからは、世界中の海中探索も面白いかもしれないね。

今日のダイビングがうまくいったら考えよう」



 酒田港に着いた。

ここからは飛島までフェリーに乗ると聞いている。

荷物を持ってフェリー乗り場に向かうのかと思いきや、ハヤブサは港の端の方へ歩き出した。


「最上君、こっちだ」


「あの、フェリーは・・・」


「わたしが知り合いのダイビングショップに連絡して、

専用のボートを出してもらってある。

飛島を経由しないで、

ここから直接ダイビングポイントまで行くことにしたんだ」


「さすがハヤブサさん、それなら時間も短縮できますね」


「それに、ボートスタッフもダイバーだから安心だ」


ハヤブサの知り合いのダイビングショップということは、

この辺の海をよく潜っているのだろう。

ハヤブサの行動エリアは広い。


今日は運がいいことに海は凪状態だ。

ボートはそんなに揺れることもなく、よく晴れた空の下、紺碧の海を進んで行く。


やがて飛島が見えてきた。

島全域が国定公園(鳥海国定公園)になっていて、ウォーキングやバードウォッチング、釣りや海水浴を楽しむ人たちに人気の島だ。


その飛島の前を通り過ぎ、ボートは御積(おしゃく)(じま)に到達した。

御積島(おしゃくじま)は小さい無人島で、島全体がウミネコのコロニーになっており、国の天然記念物に指定されている。


ウミネコの声が鳴く中、御積島(おしゃくじま)の南側へ回ってボートを止めた。

酒田港を出発したときは凪だったのに、御積島周辺まで来ると波が高い。


ボートは島の周辺に停泊はしない。

ハヤブサからは前もってドリフトダイビングをすると聞いていた。


ドリフトダイビングではボートをアンカーやブイで係留しない。

海にエントリーしたら、潮流を利用して流れに乗って移動しながらダイビングをし、ボートにピックアップしてもらうのだ。


「最上君、ちゃんと準備は整ったかな。ボートは停泊しないよ」


「了解です。ドリフトですね」


「ハヤブサさん、この子大丈夫ですか? 

あまり激流だったら、戻ってきてくださいよ」


ボートを運転してきてくれたスタッフさんは、不安そうに俺を見つめた。

ハヤブサも念を押してきた。


「万が一はぐれてしまったら、水面で合流しよう。

漂流してしまった場合の準備はしてあるよな」


「漂流した場合にボートに見つけてもらうための

シグナルフロート、ホイッスル、OKです」


「よし、エントリーしよう」


 ハヤブサは、ボートの端から大きく海へと第一歩を踏み出してエントリーした。

それに遅れをとることなく俺もエントリー。

このタイミングがずれただけで潮の流れで二人の位置が離れてしまう場合がある。

同じ潮流に乗るために間を開けずに海に入るのだ。


エントリーしたらすぐ潜降して水底集合した。

マジで激流だった。

ハヤブサの吐く空気の泡が流され斜め横に流れている。

流れがほとんどないところでは、ダイバーの吐く空気の泡はほとんど垂直に上へとのぼっていくのが普通だ。

しかし、この激流では空気の泡は横に流されていく。

思わず、水底の岩に捕まった。

この潮流に流されたらハヤブサとはぐれてしまう。


水底の魚も一生懸命流されないように、頑張って泳いでいるが、ほとんど静止しているように見える。

岩陰に群れで隠れながら、流れをまともに受けないようにしている稚魚たち。


俺だって、魚と同じく頑張って流されないようにしているんだよ。


ハヤブサが俺の方を振り返って、大丈夫かとアイコンタクトしてくる。

俺は片手で岩に捕まり、片手でOKサインを出して大きく頷く。

ハヤブサも大きく頷いて「行くぞ」と合図を送ってきた。

俺も頷き返してそれに応える。


流れの方向を把握して上に浮きすぎず、下に沈み過ぎない浮力を確保して、ハヤブサについていった。

流れに乗っているので、あまり足を動かさなくてもどんどん進んで行く。

しかし、流れに乗りすぎるとハヤブサを追い越してしまうから意識しなくてはいけない。


力を抜いて視野を広く持つ余裕がでてきた。

そこへクロマグロの大群が現れた。

遊びで来ていればここで写真を撮りたいところだ。

しかし、今はダンジョン探索任務遂行のため、我慢、我慢。


流れに乗ってしばらく行くと、海底に太古遺跡のような景観が広がった。

柱状節理が連なっているのだ。

溶岩が冷えて固まる際に生じる規則的な割れ目だが、人工的にさえ見える。

それが柱状節理だ。


その中に、柱状節理の洞窟らしき場所を見つけた。

洞窟を覗くと、中は岩でふさがれている。

以前は巨大な洞窟だったものが、何らかの理由で崩れたのだろう。


ハヤブサは「中には行けないね」という意味で、手をバツにしてサインを送ってくる。

残念だが、諦めるしかないか。


と、思ったその瞬間だった。

俺たちの横を黒い影がスッと横切った。

ふと気が付くと、長いタコの足のような物がするりと俺の体に巻き付いてきている。


なんじゃ、これ!


巨大なタコに捕まった俺は、ハヤブサからどんどん引き離されて行った。


マジでナニコレ!


この巨大なタコは、魔物のクラーケンだった。

絡みついたクラーケンの足から必死に逃れようともがけばもがくほど、エアーの減りが早い。

まずい、このままではエアーがなくなってしまう。

しかも、クラーケンはドロップオフから深海に俺を引きずり込もうとしていた。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ってくださったら


下にある☆☆☆☆☆から、

ぜひ、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、

つまらなかったら星1つ、

正直に感じた気持ちでちろん結構です!


ブックマークもいただけるとさらに泣いて喜びます。


何卒よろしくお願いいたします。


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