第121話 ダンジョン高専の校舎屋上
校舎の屋上の柵に捕まった状態で、俺は宙ぶらりんになっていた。
「うっそー! この状態に戻るのかよ。もうちょっと先があるだろが!」
ドンパンが屋上にいたらしく、柵に宙ぶらりんの俺を見つけると、
慌てて駆け寄って来た。
「ハチ王子! がんばれ! 今、引っ張ってやる」
ドンパンは腕を伸ばして、捕まれと言った。
その手に捕まって、なんとか屋上まで登りきることが出来た。
第9層界の階段でドンパンが俺を助けた場面を思い出して、可笑しくなった。
ドンパンも思い出したのだろう。
二人とも、屋上で腹を抱えて笑った。
二人で屋上に転がって大の字になりながら、空を眺めていた。
「ドンパンはこれからどうするんだ?」
「そうだなぁ。とりあえず入金確認しようかな。
まあ振り込みは無いと思うけど」
ドンパンは懐からスマホを取り出し、決済アプリを開いた。
画面を見て笑っている。
「エバンスから振り込みがあったよ。
これなら、君にバイト代を払えそうだ」
「よかったじゃん。
冥層界に呼び出される前に振り込んでもらえて」
「それともう一つ、別の振り込みがある。
振り込み人はキングとなってるけど、
このキングって牧師じゃないよな。
きっと冥層界で会った君のお爺ちゃんだよな」
「ええー! マジかよ。やるねえ、マオ爺ちゃん」
「エバンスの振込金額の十倍だぞ。魔王って凄いんだな」
ハハハハハ……
俺とドンパンは、再び屋上で腹を抱えて笑った。
笑い転げていると、誰かが屋上の出入り口のドアを開けた。
「最上」
「最上君」
狩野と桜庭が、名前を呼んで駆けてきた。
「何を笑っているんだよ、最上。
お前がヘリコプターで連れ去られて、
こっちはめっちゃ心配していたんだぞ!」
「よ、狩野。俺がここにいるってよくわかったな」
「最上君! あなたは何てことをしてくれたのよ。
模擬店がめちゃくちゃじゃないの!」
「おぅ、悪りぃ、桜庭。申し訳ないと思ってる」
そして、もう一人。
ドンパンが変装に利用した本物、ハヤブサも屋上にやってきていた。
「大丈夫かね、最上君。
あずさから君が拉致されたと聞いて驚いた。
懸賞金が賭けられているというのは、冗談のつもりで言ったのに
まさか事実だったとは…
あの時、君を突き放してすまなかった。
あずさも泣きながら君を探していたんだ。
わたしを許してくれないか」
「お兄ちゃん、それを言っちゃ嫌!
泣いていたなんて言わなくてもいいの!」
「ごめん、ごめん。お兄ちゃんが言い過ぎた」
俺の後ろにそーーっと隠れて、膝を抱えたドンパン。
今さら隠れても遅いと思うが。
「あれ? 最上君の後ろにいる人は誰なの?」
桜庭が真っ先に見つけた。
「えーーっと、今回、俺を拉致……
から救ってくれたかたです」
観念したのか、ドンパンは俺の後ろから出て来て自分から名のった。
「どうも、はじめまして。怪盗ドンパンです」
「怪盗ドンパンだって?!」
ハヤブサは、とっさに桜庭を後ろにかばって、警戒態勢に入った。
そして、鋭い質問をぶつけてきたのは、狩野だ。
「ドンパンって、ルパンの親戚?」
「ええ、そうです。日本人とフランス人のハーフです」
「へぇ! かっこよ。僕は狩野だ。
最上の数少ない友人の一人だ」
狩野、数少ないは言わなくていいから。
「お兄ちゃん、ちょっとどいて。ドンパンを見せてちょうだい」
「怪盗だぞ、あずさ、気を付けて。見るだけにしなさいね」
ハヤブサは警戒しながらも、少しだけズレて妹にドンパンが見えるようにした。
「ドンパン? どこかでお会いしたかしら」
「いいえ、マドモアゼル。今日が初対面ですよ。
でも、わたしはあなたを知っています。
ハヤブサさんの妹さんでしょう。
名前は確か……。いけない。
美しい女性の名前をド忘れするなんて、
わたしとしたことが……」
マドモアゼルだの、美しいだの、
ドンパンは心にもないことをよくもまあペラペラと思いつくものだ。
「とりあえず、これで事件は解決しましたから、
わたしはこれにてドロンさせていただきます。
今度来るときは、あなたのハートをいただきに参ります。
では……」
気取り過ぎだ、ドンパン。
確かに君はイケメンかもしれないが、
桜庭にそのセリフを言っても効果は期待できないぞ。
「ちょっと待って!」
ほらきた。
桜庭はドンパンの顔を見て、叫んだ。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
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