第118話 閃光―2
俺の反撃を受けるたびに、魔王の声はいっそう大きくなった。
「あ、それ! あ、それ! どっこいしょー、どっこいしょ。
うおおおおおおおおおおおおお!!!」
魔王は咆哮しながら、どんどん巨大化していった。
元の姿の三十倍くらいの大きさになり、大きく笑った口からマグマの炎を噴き出した。
「で、でかい……」
俺は、マグマの攻撃を避けて飛びまわった。
「おっとっと、燃えちゃうじゃん。
しかも、口から吐き出しているから、なんか臭いし」
「なんだと? お前、わしが臭いと言ったか?」
「うん、たぶんこれ加齢臭じゃね?」
「加齢臭……、ぐぬぬ」
巨大化した魔王は怒り狂った。
あちらこちらにマグマ砲を吐き散らし、拳で俺とドンパンを狙い撃ちにしてくる。
「うわぁ!」
崩れかかった宮殿の奥から、ドンパンの悲鳴が響いた。
「ドンパン!」
「くっ…捕まった…」
魔王の巨大な手はドンパンを握りしめ、そして大きな雄叫びを上げた。
グオォーーーーーー!!!!
「つ、爪が、刺さる…」
「くっそ! 俺のドンパンに手を出されちゃ困るんだが。
バイト代がもらえなくなる」
「おい、ハチ王子、そんな理由かよ」
「俺のドンパンを離せ!」
猛スピードで魔王の膝に飛び掛かり、魔王に噛みつく。
だが、すぐに魔王は俺を払いのけてマグマ砲を飛ばしてくる。
「ドンパンを離せ! ドンパンを離せ!」
魔王の足元で後ろ蹴り、さらに飛び蹴り。
魔王の手が俺の行動を封じようとして、爪をたてて振り下ろされる。
「ドンパンを離せ! ドンパンを離せ!」
「うるさい! 他に勇者らしいセリフはないのか」
「ドンパンを離せ! ドンパンを離せ!」
「壊れたテープレコーダーか」
「魔王、テープレコーダーって何だ?
新しいデバイスか?」
「はぁ? 逆に聞くが、デバイスって何だ」
「こっちこそ、はぁ?だ。ジェネレーション・ギャップだな」
魔王のマグマ砲をかわしながら、拳で魔王の脇腹を殴る。
「ハチ王子、わたしは無事に魔王の手から逃れたからなー」
なんとなく、ドンパンの声がした気がするが、俺の攻撃モードは止まらない。
「もう一度言う。ドンパンを離せ!」
「おーーい! まだ言ってるのか。落ち着け! ハチ王子。
わたしはここにいるってば、」
「へ? ドンパン…無事か」
ホッとした隙を狙うかのように、目の前を炎が。
ゴオォーーーー
「デバイスとか、ジェネレーション・ギャップとか…わからんし。
時代に置いて行かれたとか思いたくないし!
わしの知らないうちに時代はどんどん変わっていくしーーーーーーー!!!」」
魔王は、本当に悔しがっていた。
悔しさがこみ上げてきて止まらないのか。
魔王は足をゆっくりと上げ、ドンパンを踏みつぶそうとした。
「危ない! ドンパン逃げろ」
俺はドンパンを突き飛ばした。
魔王の足は俺の上に降りてくる。
俺は両手で必死に魔王の靴底を支え、踏みつぶされそうになりながらも抵抗を試みた。
「ほうら、どうした。どうした。
お友達を助けて、英雄気取りか?
そんなクソみたいな自己満足では、わしの後継者は務まらんぞ。
もっと悔しがれ。もっとわしを憎め。
その憎悪の力を増幅させて跳ね返して見ろ。
ワッハハハハハ……」
「くっ…い、や、だ。憎むのも、魔王の後継者になるのも」
「世界で一番強い者になりたいとは思わないか」
「なり…たい」
「一番強い者とは何だ」
「……」
「魔王が一番強いとは思わないか」
「思わない。一番強い者……とは、生き残ったやつだ」
「ふっ、何を」
「どんな環境の変化があっても、生き残ったやつが一番強いんだ」
「瞑層界で、何百年でも生き残ればいい」
「瞑層界で何百年、いや千年以上か。
そんなに長い間、魔王として生きてきて、楽しかった? お爺ちゃんは」
「ん?」
お爺ちゃんという言葉に一瞬だけ魔王は、動揺した。
そのわずかな隙を俺は見落とさなかった。
全身全霊で魔王の足を蹴り上げ、魔王の首元まで跳躍。
魔王に飛びついた。
「環境応答。プラズマ状態。できれば爆発」
ブーーーーーーーン
俺の体は再び発光体となっていく。
魔王を倒してやるよ。
俺が魔王を倒せば、永遠の苦しみから解放されるんだろ。
望みどおりにしてやるぜ。
ボルテージを限界値まで上げ、魔王の目の前でスパークさせた。
「ハチ王子!」
「バカな! 捨て身か」
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