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みちのくダンジョン・ハイスクール・ボーイ~ランキングより好きに生きていいですか?何か問題でも~  作者: 白神ブナ
第5章 秀麗無比なる

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第113話 階段を突破

 俺は階段に向かって石を投げた。

階段の動きに注視して、ドンパンが指示を出す。


「右からだ!」


「よっしゃ!右へジャンプだ!」


俺とドンパンは一斉に右の階段を駆け登った。

登りながら階段の途中でマグマの流れが変わった瞬間を、ドンパンは見落とさなかった。


「左へ飛べ!」


ドンパンの読み通り、登っていた階段は途中で崩れはじめ、左側に別の階段が出現した。


「よっしゃ! 怪盗ドンパン様が全部お見通しだぜ」


「次、斜め前!」


「え? もう? 変わるの早っ」


斜め前という指示は、右斜めなのか左斜めなのか。

俺は一瞬迷った。

瞬時の判断で正解を選んだのはドンパンだけ。

俺が飛び移った方向には、階段がない。


「しまった!」


いくら環境応答でも、マグマの中に落ちれば溶けて消えてしまうかも。



ドンパンはひらりと空中を舞い階段を引き返し、

落ちていく俺の方へ腕を伸ばして叫ぶ。



「ハチ王子、つかまれ!」


俺も必死で腕を伸ばす。

奇跡的に手がつながった。

しかし、喜ぶ暇もなくドンパンは叫んだ。


「次、真ん中!」


「う? もう? マジか」


「マジだ! わたしを信じろ! 

最悪そのまま落ちても大丈夫。

落ちた所がちょうど真ん中になるはずから」


俺に自分を信じろと叫ぶドンパン。

俺は目を瞑って、ドンパンの手を強く握り返した。

何故なら、手を繋いだせいでドンパンも大きくバランスを崩していたからだ。

落下しても大丈夫だと言うドンパンの言葉を信じるしかない。


ええい!

二人ともバランスを崩したまま落下していった。


落下地点は、ドンパンの言った通り、真ん中に出現した階段の上だった。


「助かった」


あとちょっとズレたら、マグマの川に溶けてしまうところだった。

だが、ホッとする間もなくドンパンからの指示が飛ぶ。


「次! このまま上まで一気に駆け上がるぞ。

ハチ王子、覚悟はいいか?」


「お茶の子さいさいだぜ」



俺たちは、果てしないと思えるほど長い階段を一気に駆け登った。

まるで心臓破りの長い階段を、死に物狂いで駆けて行く。

ここさえ登り切れば、瞑層界への手がかりがあるはずだと信じ、最後の力を振り絞って足を動かした。


やっとの思いで、ついに階段を登り切った。

俺たちはそこで力尽き、がっくりと膝を落とした。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、……見ろよ、ドンパン。

ここにも君の得意そうなものが待ってたよ」


「はぁ、はぁ、……はぁぁ? 何だよ。わたしの得意な物って」


「宝箱だよ」


「なんだって?」


そこには、黄金のテーブルに置かれた煌びやかな宝箱が鎮座していた。


「開けるのは得意だが、一体何が入っているんだ?」


「宝箱だもん、宝じゃね?」


「煙が出て来て、お爺さんになりましたってオチじゃないだろな」


「浦島海苔かよ」


「浦島太郎だよ」


「とにかく、これは開けてくださいって言っているようなものだろ。

ドンパンが怖くて開けられないのなら、俺が開ける」


「あ、止せ! もう少し、観察してからだな……」


「開いた」


「早っ!」


宝箱には鍵も暗号もなく、簡単に手で開けられた。


「なんで、わたしより先に開けちゃうんだよぅ。

ここはわたしの見せ場なのに」


「ごめん、ごめん。開くと思わなくってさ」


「ここまで、一生懸命頑張ってきたのに、

美味しいところだけハチ王子が持っていくのな。

あぁあ、脱力だよ」


ドンパンは激しく悔しがった。

そして、宝箱の中を見た俺まで悔しくなってきた。


「宝箱の中、気になるか? ドンパン」


「そりゃ、もちろん気になるさ」


「中身を聞いても発狂しない?」


「金銀財宝が、ざっくざくか?」


「全然」


「ざっくざくじゃなくて、高価な一点物が入っているのか」


「全く」


「何だよ、早く教えろよ」


入っていたのは、小さな手帳が一冊。


「手帳なんだけど。

よくサラリーマンのおじさんが持っているような黒くて小さな手帳」


「手帳? ……なんだ、そうか、よかった。わたしが開けなくて」


「だよね。それにしても、なんだろうねこの手帳。

秋田県民歌なんて載ってたらバカウケなんだけど」


「何だい、それ」


「秋田の本屋さんで売っている手帳って、

なぜか秋田県民歌が載ってるんだよな」


「そんなことは、どうでもいい。

何が書いてあるのか早く確認しろ」


俺がその手帳を宝箱から取り出した瞬間、


目の前が真っ暗闇に変わった。




「え、普通、ここで光に包まれて、うわ、眩しっ!て言う場面じゃね?」


「節電対策かなぁ」


「ちがうよ、ドンパン。停電だよ」


「あ、そっかぁ! 停電かぁ。

って、わたしにどんどん、君のバカが移ってないか?」


「環境応答スキルに触れますと、

今ならもれなくバカが付いて来るんです」


「うわぁ、それはお得だわ。

でも、もうちょっとお安くなりません? 社長」


「ううーーん、ではバカを2倍で、お値段半額にしましょう」


「嬉しい!」


俺とドンパンは暗闇の中で通販ごっこに興じていた。


「虚しい……」


ドンパンがつぶやいた言葉に、俺はめちゃくちゃ共感した。

暗闇の中でコントをしていたら、急に狩野を思い出し恋しくなった。




「うううう」


闇の中から声がした。


「おい」


地の底から響いてくるような声が、呼びかけてきた。


「おい、コントはもう終わったか」


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


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