第103話 文化祭の準備って
ずっと学校に来ていなかったため、俺の知らないところで文化祭の話は進んでいた。
誰が何を担当するのかは、ほぼ決まっていて、俺だけすることがなくて自分の席で呑気にスマホゲームをしていた。
「最上君、協調性に欠けます。
もっと積極的に文化祭の準備に参加してください」
注意されたので、顔をあげたら桜庭だった。
あれ? 狩野はどうした。
周りをキョロキョロ見回すと、狩野はダンジョン迷路の設計に関わっていた。
ああ、あいつの得意分野だ。
さすが、狩野は世渡りが上手いな。
「何? 狩野君を見てるのよ。助けを求めても無駄よ」
「別に、助けを求めてねえよ」
「最上君には、やってもらいたい仕事があるんだけど」
「俺ができることなんかあるかよ。
言っておくが、接客は無理だからな」
「威張って言うようなこと? でも、なんでわかったの。
ハチ王子が目当てでくるお客さまが来ると思うから、
接客サービスに回ってほしいんだけど」
「ああ? そういうのは苦手なこと、知ってるだろ、桜庭」
「ええ、ペンションでバイトしたとき、よくわかったわ。
でも、最上君は学校にいなかったんだから他に仕事がないのよ。
しょうがないじゃない」
「もっと、俺じゃなくちゃできない事はないの?」
「うーん……ある」
「お、あるのか。なんだ?」
「あるけど、文化祭当日のみの仕事よ。準備に入らない」
「お、いいね。一日で終わるじゃん」
「当日早朝の仕事。最上君でなきゃ頼めない仕事よ」
「勿体つけないで早く教えろよ」
「スライムをダンジョンから獲ってきてちょうだい」
「へ? それさ、俺じゃなくてもよくね?
ダンジョン低層階に入って行けば、
この学校の生徒なら誰でも採れるだろ」
「生ものだからね。
当日早朝、獲ってから学校に持ってくるのよ
寮生ではないから早朝に活動が可能。
しかも、制限時間内にスライムを捕まえて持ってくる」
「出来るだろそれくらい、誰でも」
「量がちがう。たくさん要るのよ。
限られた時間内で、大量のスライムを捕獲可能な人は。
それは、最上君しかいないんだけど」
「…ったく、この企画を立てたやつは誰だよ」
「わたしだけど? 何か。
やってくれないならお兄ちゃんに相談しようかなぁ」
桜庭はスマホでメールを打ち始めた。
「脅迫かよ」
「違うわ。ノートをとってあげたんだから、
当然の報酬を請求しているだけですけど」
ああ、ノートね、ノート。
そういえば、俺が出られなかった授業のノートをとってくれたっけ。
「わたしが書いたノート、一度も開いてないでしょ」
えー、なんでバレるの?
でも、ここでそんなことを正直に言ったら鉄拳が飛んでくるだろう。
ここは、ごまかすしかないな。
「見たよ。見た、見た」
「嘘! 見たのならわたしが書いたメッセージ読んでくれたわよね」
えぇ? メッセージ??? そんなのものがあったのか。
しゃーない、ここは適当に合わせるか。
「ああ、読んだとも」
「何て書いてあった?」
「え? その、あれだ、…最上君早く帰って来て」
桜庭のパーンチ! アッパーカット。
「ひっかったわね。何も書いてませんよーだ」
「だましたな!」
その時、俺のスマホが鳴った。
ブー、ブー、ブー、ブー、
スマホの画面を見ると、ハヤブサからだった。
「ひぇ! 本当にハヤブサさんにメールしやがったな。
どうしよう……」
「早く、電話、出なさいよ」
「わかってるよ。あーもしもし、俺です」
「最上君、元気そうな声だね。久しぶり。
あずさが、君がいなくて毎日とても寂しそうにしていたよ。
もう、学校に出て来たなら、
あずさをいろいろと助けてやってくれ。
まさか、非協力的だなんてことはないよね」
「そんなことありません。
もちろん協力して桜庭を助けます」
「そうか。それを聞いて安心した。
あずさから聞いたんだが、
スライムを獲ってきて欲しいって頼まれていないか?」
「もちろん、行きます、行きます。
早朝だろうと深夜であろうと、
桜庭の頼みならなんでも引き受けます!」
「ならいいんだ。じゃ、よろしく頼むよ。
おっと、ひとつ言い忘れるところだった。
とわちゃんって女生徒のことだが……」
「は? とわちゃん? 誰でしょう。知らないです」
「そうなんだ、知らないんだ。
それなら余計な心配だったな。
東京校の情報を教えようと思ったんだが、
君には必要なかったか」
「あ、知りたいです」
「でも、関係ないんだろう?」
「はい、関係ありません」
「だよなぁ。でも、一応伝えておこうかな。
文化祭には東京校から遊びに来る生徒が多いからな。
東京校って東北分校と違って、部活動が盛んなんだよ。
柔道部、剣道部、弓道部、それからクレー射撃部。
とくに上級生は、武器の所持が認められている生徒が多いからな。
気を付けたほうがいいぞ。
懸賞金狙いでハチ王子を襲いに来るかもしれない。」
「懸賞金! ハヤブサさん、知っているんですか、その話」
「でも、君には関係ないのだろう?
わたしが、そんな冗談みたいな話を信じるとでも?
わたしは助けに行かないから。
何かあったら、得意の素手でなんとか切り抜けてくれ」
「そんなぁ」
「あずさという姫がいるのに、とわちゃんに浮気をした罰だ。
殺されないように、せいぜい逃げ回るんだな」
こわっ!
ハヤブサさん、ヘルプ・ミー!
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