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「夏苅都さんですね? ルウェイン・ジェナと申します。お会いできて嬉しいですわ。」
光の加減で薄紫色にも見える銀髪に、セセンドール人共通の明るい褐色の肌の若い女性は、優美な笑顔でそう述べた。
「あ、ええっと……。」
礼儀正しく挨拶をされた以上、こちらも礼儀にのっとって返事をすべきだと都の中の良識がせっついてくるが、なにぶん王女様に対する正しい挨拶の返し方というのが全くもって分からない。
都がうろたえているのを見た王女は、ひときわ優しい笑顔で言葉を続けた。
「急にごめんなさい。わたくし達、本当はあなたを我が国にスカウトしたかったのだけど、魔導機構の方に止められてしまいましたの。まだ未成年だから、と。
それで、まずはご挨拶だけさせていただこうと考えましたのよ? あなたがいずれ将来のことを考えるときに、わたくし達のことを思い出していただけるように。」
「スカウトって、つまり、セセンドールの国の魔導士になれってことですか?」
「それはあなたの希望次第ですのよ?
わたくし達の王国は……、門の出現によって国土の多くが破壊されて、魔導士を含めた多数の国民を失ってしまいましたの。これから一から国を再建しなくなてはなりません。だから優秀な方は大歓迎ですの。
フリーの魔導士でももちろん構わないし、わたくし達の騎士団もあなたを歓迎するわ。あなたの能力ならすぐにでも正式に騎士に叙されるでしょう。活躍次第では爵位だって望めますわ。」
「……でも、騎士ってことは戦うんですよね?
あの……。誘ってもらえて嬉しいんですけど、たぶんダメです。私、才能ないんです……。」
実習でのことを思い出してしまい、都の心はまたズーンと沈み込んだ。
「才能?
都さん、もしかして何かありましたか?」
「……実は……。」
急にしょんぼりしてしまった都をじっと見ていた王女は、後ろに控えていた男性、デイン・トルオに視線を向ける。
「……移動しましょう。カフェテリアはどうです?」
都のほうをじっと見ながらデインが口を開いた。
「そうね、そうしましょう。
都さん、大学のカフェテリアに、わたくし達が使っている個室があるので、そちらに移動しましょう。わたくし達でよろしければご相談に乗りますわ。魔法に関することでしたら、地球上にわたくし達以上に知識のある者はおりませんもの。
もちろん、帰りは寮まできちんとお送りしますわ。」
「……はい……。」
知らない場所に行くのははばかるところだが、大学なら近いし何度か行ったこともある。
道端で華麗なローブ姿の大人に囲まれて立ち話をするのは少々落ち着かなかったので、都はすぐに了承した。
何より、都は親から何かと「お姉ちゃんなんだから」と言われて育ってきたため、「ステキなお姉さん」は憧れの存在だったのだ。
凛々しい女騎士と、ただの中学生である自分に優しく丁重に接してくれて、テキパキと話を進めていく王女様は、都の中であっという間に高い好感度と信用を獲得していた。
「では、お手をどうぞ。」
差し出された手の意味は良く分からなかったが、都は言われるままに王女の白い手袋におおわれた手に、自分の手を重ねる。
チューラが小声で何ごとかつぶやいた瞬間、都の視界は光の奔流で埋め尽くされた。
「わあっ!」
換装したときのようなガクンという感覚がして目の前が晴れると、そこは見知らぬ小部屋だった。窓の外の景色から察するに二階のようだ。
すぐ横の壁に魔法円が描かれたプレートがとりつけてある。魔法実習室の控室にあるのと似た図形だ。
「あ、ありがとうございました。換装してなくても、転移ってできるんですね。」
「そうよ。さあ、どうぞ座って頂戴。」
室内にはカフェテリアと同じテープルや椅子もあったが、ソファを示されたので都はちょこんと端に座った。
王女に続いて腰掛けた男性の顔を、このとき都は初めてちゃんと見た。
ニコニコと笑顔を向けた彼の瞳は、王女とそっくりの青灰色だ。
「彼はデイン・トルオ・グラストーム。わたくしの護衛騎士のひとりで、親戚筋の人間よ。」
「よろしくー。」
「よろしくお願いします。」
都はペコリと座ったまま頭を下げた。先ほどよりは礼儀正しくできたはずだ。
王女の親類ということは、王族か身分の高い貴族あたりだろうか、と、都は主にファンタジー小説で得た知識で推測した。
セカンドレルム人の年齢についてはよく分からないが、一番年上に見えるチューラがドアの横に立って控える一方で、デインが王女と一緒にテーブルを囲んでいるのは身分の違いのためなのだろう。
「先にわたくし達の事情を補足させていただきますわね。
我が国は魔導機構と協力関係にあり、何人もの魔導士を魔導機構に指導者として派遣しています。
都さんが初めて学院にいらしたとき、この大学で魔力測定を受けましたよね? その検査に我が国の魔導士が呼ばれたのです。それで都さんの測定結果を詳しく知っているのですわ。こっそりと勝手に探ったわけではありませんので、どうか誤解なさらないでね?」
「はい……。」
正直、そこは特に気にしていなかったので都は軽く流した。異世界から来た魔法の国のお姫様に「なぜそんなことを知っているのか?」などと追及するのは無駄なことにしか思えなかった。
「あの、でも私、魔力の量は多いのかもしれないですけど、戦闘の才能がないみたいで……。」
王女に促され、都は今日の出来事を全て説明し終わると、「いただきます」と礼を言ってからチューラが運んできてくれたウーロン茶を飲んだ。
心の中でモヤモヤしていた不安を言葉にして聞いてもらい、冷たいお茶を飲んだらちょっとスッキリした気がした。
少し余裕が出てきた都がチラリと王女のほうを見てみたところ、他の二人の制服とは細部に違いがあることに気が付いた。金モールの本数が多いし、頭につけたサークレットが二人はシンプルな細い金色の輪なのに対し、王女は額の部分に宝石のように輝く青い石がついている。
王女も都と同じように紙カップ入りのウーロン茶をストローで飲んでいた。
王女という身分にふさわしくないような気もするが、ドレスを着てお城の奥で他人に指図しているのではなく、騎士の制服を着て、一般庶民の都を呼びつけるのではなく自ら出向いてくるのだから、かなり行動的な王女なのだろう、と都は考えた。
(王子様を待ってるんじゃなくて自分で行動しちゃうの、今どきのお姫様っぽい!)
好感度は上昇の一途だ。
「そんなことがありましたのね。
では都さんは、もう戦闘が怖くなってしまった? もう戦いはお嫌かしら?」
「ええと、嫌というか……。」
落ち着いて考えられるようになった頭で、都は改めて自分自身に問いかけてみた。
「魔法が使えるから大丈夫だと思っていたんです、今まで。でも、自分がイザとなったらフリーズしちゃうタイプの人間なんだと分かってしまったので……。こんなんじゃ周りの人にも迷惑だろうし……。」
「では、戦闘以外に目を向けてみてはどうかしら?
わたくしの知っているところだと、魔導機構は日本近隣で災害が起こると、緊急援助隊を派遣するでしょう? 探知系スキルの魔導士が行方不明者を探して、操作系の人がガレキや土砂を持ち上げて埋まった人を救助する。大量のガレキを崩さないように持ち上げるのは、高い魔力の持ち主でないとできませんわよ?」
「そっか。そういえばニュースで見たことあります。」
「都さんは、この石蕗町が山の中なのになぜこんなに広々と平らに整地されているのか、ご存知かしら?
我が国の魔導士が、震災で崩れた土地を整えましたのよ? 高い魔力の持ち主は、戦闘以外にも活躍する場所はたくさんありますの。」
(そっか。有名な三校対抗戦の動画観て戦闘のことしか頭になかったけど、もともと私は運動苦手なんだし、そういう地道な仕事のほうが合ってるのかも。)
「先ほど申し上げた通り、わたくし達の国はこれから再建をしますからそういう直接の戦闘以外の仕事がたくさんあるのですわ。
騎士の仕事にしても、例えば建設中の町に防護結界を張る役目であれば、敵と直接戦うことはありません。
戦闘が苦手でしたら、戦闘以外の訓練をすれば良いのです。若いうちは練習したらしただけ魔力が伸びるのですから、都さんの適正に合った訓練をすればもっとスムーズに能力を伸ばせるでしょうに、もったいないですこと……。」
ホゥ、と小さくため息をついて王女は少し困ったような微笑みを浮かべた。
「我々の世界のほとんどの国では、高い魔力を持つ王族や貴族の子供は個別に家庭教師の指導で訓練を受けますの。
同い年の子供たちがたくさん集まる学校生活はとても楽しそうですし、わたくしも子供時代には羨ましく思ったこともありますわ。
ですが、わたくし達の高い魔力は、民を護るために代々受け継がれてきた物。最大限に伸ばし、最大限に国のために活用することは責務なのです。
魔法の適正はひとりひとり違います。魔法の訓練に集団教育は不向きなのですわ。
それで、まだ若くて規格外の能力をお持ちの都さんのために特別カリキュラムを作るからわたくし達に任せていただけないかとご提案を差し上げたのですが、断られてしまいましたの。」
「……高等部に入ったら適正別の訓練になるらしいんですけど……。」
「二年近く先ですわね……。」
「わざわざ苦手な内容の訓練を続けなくてはならないなんて。」と半ばひとり言のように言って、王女は再び困ったような笑みを向けた。
「ごめんなさい、都さんたちの学校を悪く言うつもりはありませんのよ? お友達がたくさんできて、きっと楽しく過ごしていらっしゃるのでしょう、素敵ですわ。」
「いえ私は友達少ないです」と都は内心思ったが口にはしなかった。どう見てもこの社交力や行動力の高そうな王女のほうが、都よりも友達作りが上手そうだった。
「今すぐお力になれないこと、残念ですわ。でも、もしよろしければ、今後の進路を考えるときにわたくし達の国のことも検討していただければ嬉しいですわ。」
「それは、高校を卒業するときに、っていうことですか?」
「……率直に申し上げると、今すぐにだって歓迎ですのよ? 従騎士としてお給料を受け取りながら訓練を受けることもできるから、身一つで来ていただけますわ。
でも、あなたを今『勧誘』することは止められてしまったから、今日はご挨拶と、わたくし達の国でのお仕事を『ご説明』することしかできませんの。よろしくて?」
唇の前で人差し指を立てていたずらっぽく笑顔を作る様は、さすが王女というべき華やかさだった。
(ロイヤル・スマイルの威力すごい!)
その後。
寮の夕食の時間が近くなり、送っていくといわれたが丁寧に断って都はひとりで歩いて寮へ帰った。
(お姫様と連絡先交換しちゃったー!!
っていっても、スマホ持ってるのはチューラさんだったけど。やっぱりお姫様ってお財布とかスマホとか自分じゃなくてお付きの人が持ってるんだなあ。)
都の気分はすっかり浮上していた。
*****
「本当に、何もかも、信じられないわっ!」
その日の夜。特別居留区にある体育館。
Tシャツにスパッツという運動着姿のルウェイン・ジェナ王女は、助走をつけて思い切り床を蹴った。
抱え込みで宙を一回転し、平均台の上に着地する。
「ジェナー、考え事しながら平均台は危ないと思うよー?」
床に座って柔軟運動……をするフリをしてサボッているデインが、気の抜けた声をかけた。
練習用の低い平均台で、横にはマットも敷いてあるものの、いまの二人は換装体ではなく、生身の状態なのだ。当然、怪我をする可能性がある。
しかし自身の身体能力そのものを上げるには、生身の身体を鍛えなければならない。
チューラと交代した別の護衛騎士が入り口に立っている他に、いま体育館には二人の他に誰もいない。
人前では敬称をつけるが、二人でいるときは子供のころと変わらぬ気安さだ。
「どんなときでも……、集中を保てなくては……」
深呼吸し、両腕をまっすぐに上げてからゆっくりと側転に入り、足の先までまっすぐ伸ばした姿勢で降り立つ。
目的は身体トレーニングであり、体操選手のような美しさを目指す必要性はないはずなのだが、王女は完璧主義者だった。
「自分の精神状態さえ訓練に利用しちゃうとか、偉いと思うけどさあ。
思いっきり暴れたいなら、あれ買おうよ。サンドバッグ。キックボクシングとかの練習できるヤツ。」
「トレーニングはストレス解消ではありません!」
平均台を下りた王女に無言で促され、デインがしぶしぶ立ち上がって交代する。
体育館には、平均台の他にトランポリンなども設置されており、別ホールにはバスケのゴールもある。
いずれもセセンドールにはないもので、王女の提案によりこの体育館に取り入れられた。平均台は平衡感覚、トランポリンは空中での姿勢制御の訓練用だ。
地球に魔法技術を伝えるだけでなく、セセンドール側もまた地球の様々な技術や文化を学んでいた。
セカンドレルムのたいていの国では体力作りにジョギングをするくらいで、後はひたすら剣の素振りや模擬戦闘など、実戦的な訓練をするのみだ。
それが当たり前の世界で生きてきた王女にとって、地球の子供たちがスポーツで楽しく体を動かしている姿は衝撃的だった。
身体能力は魔力ほど個人ごとの差はない。
だったら、大勢で集まって楽しくスポーツをしながら鍛えても良いのでは?
単調な訓練を繰り返すよりも、飛んだり跳ねたり楽しいほうが子供たちの能力向上に効果的なのでは?
平民にもときおり魔力の高い子供が生まれて魔導士になるし、魔導士以外の職につく民も身体能力を向上させて丈夫で健康になれば国にとってもプラスとなる。だったら平民の子供にもスポーツをさせると良いのでは?
これらは、王女が今後のセセンドールの再建計画に取り入れることを検討している数多くの改革案のうちの一部だ。
古き伝統を重んじる貴族社会において、新しい文化を取り入れるのは困難がつきものだ。
しかし、セセンドールはこれから新たな国づくりが始まる。国外の優れたものを取り入れる千載一遇のチャンスだ。
国土が崩壊し多くの人命が失われた祖国を再建し、以前よりも更に良い国を作る。
それが王女の目標であり、騎士団の訓練と業務を終えた夜に更にこうして自主トレを行うほどのモチベーションとなっていた。
まずは王族である自分たちが率先して、良さを伝えなくては。
「こんなしょっちゅう練習しなくたって、俺できるのに」などとブツブツ言いながら平均台の端に立ったデインは、身をかがめるとポンと後ろに飛んでバク転をする。
平均台に両手をつき、片足は乗った。が。
「……あ。」
もう片足はマットの上に落ちた。
王女の冷たい視線を受けて、デインはスゴスゴと元の位置に戻ってもう一度飛ぶと、今度は無事に平均台の上に下りた。
ほとんどしゃがんだ姿勢の着地だったが、そこは王女はスルーした。動作が美しいか雑かが戦闘に作用することはないのだ。
「細部にこだわって本来の目的を見失ってなりません。」
それは祖母である王太后からの教えの1つだった。
現在、セセンドールの民の大半は、女王のもと、隣国ベルミスルで避難生活を送っている。
地球の居留区にいるのは王太后を中心に少数のみだ。
地球とつながる門の出現によって起きた「大崩壊」。夫を失った王妃は王太后として娘である新女王の二人の子供のうちのひとりと同年代の子供たちを選抜し、地球にて教育を施し、聖宝騎士団を結成した。
王と王太子を同時に失うという王国存亡の危機を経験した以上、推定王位継承者二人を別々の避難場所で育てるのは危機管理上必要なことだった。
「いったいなぜあんなに無防備にしておけるのです?」
思い切り身体を動かしても収まらなかった気持ちが、王女の口から次々にこぼれる。
「門の向こう側に魔導士を欲している国があることは、魔導機構の方々もよくご存知のはずですのに。
何より、あれだけの魔力のある子供がなぜフォーカスを持ち歩いていないのです? 持っていたほうが良い理由はいくらでも思いつきますが、持たせない理由が1つも思いつきませんわ! 万が一のことがあっても抵抗もできないではありませんか!」
「おっ、ジェナ遂に決意? 強硬手段に出ちゃう?」
「出ません!」
「じゃあもしあの子がどっかの国にさらわれちゃっても後悔しない?」
「……それはっ……!
ああ、考えれば考えるほどやるせない気持ちになってしまいますわ……。」
体育館の壁際の固いベンチに腰掛けて、王女は肩を落とした。
「分かってはいましたが……、やはり、嫌われているのですね、魔法は。
できるだけ子供たちから遠ざけるべき物だと認識されていますのね……。」
「……地球には魔獣がいないし、魔法がなくたって別に困らないからなあ。」
マットの上に座り込んでデインが応じる。
「ええ。魔力の高さで身分が決まるわたくし達の世界とは常識がまるで違います。
ここは魔力の代わりに電気を使い、魔導技術の代わりに科学を用いる世界。そんな世界ですから、魔力が高い子供たちがさらわれても特別大きな損害にはならないのでしょう。
ですけど。それにしたって……。何人も何人も子供たちが連れ去られているというのに、救出に行く予定さえないだなんて、想像もしませんでしたわ。民を守らない国家など、なんの価値があるというのです……?」
ため息をついて、王女は言葉を続けた。
「いえ、今ではおおよその事情は分かります。わたくし達も地球のことを勉強しましたもの。
地球では、1つの国に一億も二億も国民がいる。わたくし達の世界では考えられない規模ですわ。一億の民を率いるなんて想像もつきません……。
きっと、一億の中の数人か十数人の行方不明など、他の多くの問題の中で埋もれてしまうのでしょう……。」
「救出に行くなら高い戦力が必要だけど、門の前で捕獲用ファミリア狩るだけなら特別に強い魔導士を育てる必要ないもんねえ。」
「あぁ…………。
なんてもったいない。」
「あ、やっぱ気になるのはそこなんだー?
んじゃあ……」
「強引な勧誘はしませんわよ?」
デインが言葉にする前に王女は彼の提案をピシャリと却下した。
「門の固定化は上手くいっています。再興後の我が国は、異世界との窓口となるのです。地球側ともめ事を起こしたくはありません。」
「通行料で儲けたいもんねー。」
「交易も進めます。」
「先行者利益確保したいもんねー。」
「……なにかご不満でもおありですか?」
「ないよー。実際、門の維持には手間も費用もかかるしね。」
デインのいつもの軽口をいつものように軽く流して、王女はガランとした体育館を見つめる。
「わたくしはセセンドールの王女。異国の少女の将来に責任を負うことはできません。
ですが、もし。もし、彼女のほうからわたくし達のところへ来ていただけるなら……。わたくしを選んで下さるなら……。
そのときは、わたくしにできる限りのことをするつもりですわ……。」
ひとり言のようにそう言った王女は、壁の時計に視線を向けて立ち上がった。
「さあ、休憩時間は終わりですわ。」
「えー、まだやるの?」
デインのボヤきは、ロンダートから見事な高さの後方宙返りを決めている王女の耳には届かなかった。
挿絵は一部AI、一部手描きで作成しております。
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続きは明日投稿予定です