流したく無い汗と流したく無い汗
昔、鍋を作っている最中に肉を買い忘れた事に気がついた。
僕は冷蔵庫に入っていた生ラム肉を入れた。
鍋が良いぐらいに煮立ったので蓋を開けてみたら、とてつもなく獣の臭がした。
普段からラム肉を焼いて食べることは有ったが、特に獣臭いと感じたことが無かった。
煮てみて初めて気づく獣臭さ。これは経験しないと解らない。
また違う日に焼いて食べたとき、少し獣臭さを感じた。
朝に成った。
昨日奇妙な体験をしたばかりだが、しっかり寝れたし起きれた。
現在朝6時。仕事の癖でこの時間に起きるように体が成ってしまった。
ふと気づく。
もしかして二度寝が出来るんじゃないか?
これまで社会人に成ってからというもの残業続き、挙句の果は休日出勤。二度寝をする暇なんて無かった。
行ってみようか!
僕はまた眠りについた。
シーツが少し湿気っている。枕が生ぬるい。
窓を開けていても風は吹いてこない。というか鳥の鳴き声が地味に気になる。
とりあえず、煙草吸うか。
煙草に火を着ける。口の渇きをやけに感じる。
冷蔵庫からお茶を出して飲む。
煙草を吸いながらテレビを付ける。録画が溜まっていた。
その一つを再生する・・・。
・・・これってもう起きてるんだよな。
僕は諦めた。
カーテンを開けてシャワーを浴びる。
朝のシャワーは何故かいつもクラクラする。
バスタオルで体を乾かしながら、しばらくは裸で過ごす。
テレビはさっきの録画を流し続けていた。
僕「あービール飲みたいな」
僕は基本冷蔵庫にはお茶しか入れてない。
朝飯は食べない。昼はコンビニ、夜はチェーン店かコンビニ。
僕「買いにいくか」
家を出て僕はいつもの道を歩いていた。
毎朝歩く道。違うのは仕事だったら遅刻している時間という事。
僕はほぼ毎日同じ道を歩き職場・コンビニ・家を往復していた。
そのことに今日初めて気づいたのはコンビニに着いた時だ。
コンビニが閉まっている。何でも店内のリニューアルを行うとの事だった。
だから僕は考える。どこで買おうかな・・・答えが出ない。
この街に来てから同じ店、同じ道ばかり歩いていたせいだ。
そして転生した今も変わらず同じ道を歩いている。さっきまでと違う汗が湧き出る。
僕「今日はビール無しだな」
気がついた時、街の方へ小走りで向かっていた。