好きなところ2個目 彼女は後輩
俺の彼女、春瀬那菜は後輩である。茶髪でショートカット、ふんわり少しクルクルしている。(ゆるふわ?って言うのか?)顔は言わんでもいいだろう。
ギャンカワだ。
身長は小さめ。155.3cm。那菜なな曰く、
『157.3!です!』
2㎝盛り…。見栄っ張り…カワカワすぎる。
胸は大きめらしい。
『胸は盛りません!自信ありますよ〜(ドヤ)Eです!天然Eですよ!中学女子がEですよ!』らしい。
男は基本、胸しか見ていない。(俺は違うぞ?)中学で変なことされていないか心配になる…。
俺は高校1年生、那菜は中3。わかると思うが後輩であり、今年から学年どころか学校すら違うのだ。確かに離れているし、寂しいが、この期間も楽しむとしよう。
(ホントハサビシイヨ(T ^ T))
俺と那菜は出会って10ヶ月。7月9日この日付だけはずっと覚えている。実際に付き合い始めたのはその3ヶ月後の10月9日。そして現在に至る。ちなみに告白したのは俺からだ。その頃の話はまた今度話そう。
俺はあまり友達が多い方ではない。よく、『冷たい、怖い、謎』と言われる(⚠︎自覚はありません)
そんな俺に彼女ができた。友人の鹿嶋 竜紅かしま りゅうくに彼女ができたことを使えると、精神科に連れて行かれ、レントゲン写真を撮られ、カウンセリングを受けさせられた。(計2回)それくらい、ありえない事だったらしい。それに、俺とは対照的に、那菜は明るく、友達は多く、人望が厚い。いわゆる〔陽キャ〕の民であった。しかも後輩。人脈のない俺が後輩と付き合う、ましてや、後輩まで行き着くルートが見当たらないのも確か。
那菜はギャンカワだが、俺はどうか?謙遜や自虐ではなく真面目に、普通だ。顔的にも内面的にも(内面の一部に語弊、問題あり)普通である。じゃあ何か他の物は?と聞かれると…すごく困る。部活にも入っていなかったため、中学生女子が目を奪われるようなことは何一つとして行っていない。竜(鹿嶋 竜紅)が心配するのも無理はない。しかし、今、那菜が彼女としているのは事実だし、俺が彼氏であることも事実である。
「そう考えると偶然に奇跡が重なって今があるのか…すげーなお前ら」
「偶然に奇跡が重なって、さらにそこに、幻を二乗して、夢を階乗したから今があると言った方が正しい」
「訳わかんねぇからスルーするわ」
時は昼休み。音楽室のベランダ。教室からとても近い。周りが木で囲まれていて涼しい。人も基本来ないので、昼食をとるのには最適だ。
「まったく、羨ましい限りだよ」
「まぁ、悪くはない」
現在俺と那菜について振り返り中。(二話だから)椅子をベランダに持っていき、昼食をとりながらダベる。いつも通りだ。
「あの《不良のアオイ》に彼女が出来るとは誰も思わんよな」
「誰が不良だ」
俺を不良呼びする竜。不良してた心当たりなんざどこにもないのだが。
「授業中にBluetoothで音楽聴いてるやつは完全にやべーやつだろ」
「あの頃は切羽せっぱ詰まってたんだよ」
確かに俺はBluetoothで音楽を聴いていた。しかしそれは致し方ない事である。
配信アプリでの歌ってみたが異様に評価が高く、リスナーからYouTube進出を求められた。勢いでYouTubeへ進出した。配信アプリ時代のリスナーたちがSNSに口コミ広げてくれて、チャンネル登録者100…200…1000…1万と1ヶ月ほどで伸びた。が
「俺を知る人が増えれば増えるほど、俺を評価してくれる人が増える。その中には俺のことを好意的に思ってくれる人もいる。応援してくれる人もいる。月一で投稿してたものが週一に、そして気づけば3日に一回歌ってみたを投稿してた。正直売れたいなんて考えてなかったから自分のペースでやってくつもりだったんだが」
「人が増えれば評価が増え、同時に期待も増える」
「そうゆうことだ」
授業がつまらないとかの理由で音楽を聴いていた訳ではない。ただ、本当に焦っていたのだ。別にアンチが増えたり、低評価が増えるのも構わない。だが、失望だけはさせたくなかった。期待に応えたかった。人生ではじめてのことだったから。本当にその頃は生き急いでいたのだ。次に歌う曲を昼間学校で聴いて、ノートに強弱、アクセントもろもろ書いていた。そして夕方帰ってきてレコーディングして、編集。音のズレを調整し、ピッチ補正、エフェクトの操作(自分のベースの声を機械によってカッコよく修正)などをしていた。いわゆる歌い手がやることをやっていた。そして投稿。SNSでも『〇〇を歌ってみた。チャンネルは下のURLから』などと呟いて、そこにチャンネルのリンクを貼り、再生回数を伸ばそうとする。中2の頃にはあチャンネル登録者はありがたいことに100万人を超えていた。その頃から生配信を始めた。
俺は疲れていた。リスナーたちが望む曲を望んでいる通りに歌い、リスナーが望んでいるようなキャラを演じ配信する。そんな生活を送る日々。自分なのに自分じゃない日々。でも、人生で初めて周りから評価を受けたそんな日々。そんな狭間で生活していく中、俺は一通のDMを受け取った。それが
「那菜ちゃんからの応援メールだったわけね」
「それが那菜からだとはその時は知らんけどな」
そのDMを今も大切保管してあるが、本人から、『絶対に見ちゃアカンですよ!!』と言われているので言わないが、あの時の俺をそのDMが救ってくれた。もしかしたらその頃から俺はDMをくれた人、那菜に、思いを寄せていたのかもしれない。それ以来俺は、自分のやりたいようにやる《自由》を貫いて活動を行なっている。
「那菜ちゃんいい子だな」
「女神と呼べ愚民」
「流石彼女好きすぎ彼氏」
俺は那菜のことが好きだ。大好きだ。このDM以外にも俺は救われたことが沢山ある。だから俺は那菜が俺を好きでいてくれる限り、愛そうと決めている。
「男だな」
「当たり前だ」
昼食終了と同時に予鈴が鳴る。音楽室の鍵を閉め、俺たちはクラスに戻った。席についてスマホを開く。《Nana》というアカウントから届いたDMを見返す。
よし。帰ったらすぐに連絡しよう。
俺の彼女は女神である。俺は那菜のことが大好きである。愛している。
『《Nana》DM
はじめまして、Simaさん!Nanaといいます!勝手にDM失礼しますʅ(◞‿◟)ʃ
Simaさん自身がどう思ってるかは分かりませんが、最近のSimaさんはすごく苦しそうです_:(´ཀ`」 ∠):勝手ながら申し上げます。Simaさんが好きなものがリスナーの好きなものですよ。Simaさんらしさを見せてください。これからも応援してます!!』
↑NanaからのDM。(バレなきゃおっけー)




