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シールデーモン・ファンタジーSEAL DEMON FANTASY  作者: テテ丸
王国騒乱編
14/14

2話 暗躍する者達

明けましておめでとうございます!

疎ら投稿ですが今年も宜しくお願い致します。

最後まで読んでもらえると嬉しいです!

ついでにコメント、感想、評価、ブクマも

してもらえると更に嬉しいです!


 「───────てな感じっすね。」


 「成る程。そんな事が…やはり複数の集団、

 人間が絡んでるとなると一筋縄ではいかない

 みたいだな。」


 「そうっすね。まだまだ根は深そうっす!」


 「分かった。悪いが引き続き調査を頼む。動きが

 あれば報告してくれ!」


 「了解。」


 (ここ数年で起きた誘拐、殺人、その他数々の事件。

 どれも素人の仕業とは到底思えない。だとすれば…

 いよいよ怪しいのは王国の上層部の連中か。)


 ───────ギルド・真実の探究───────


 「ユーゴさんお帰りなさい!」


 「おーユーゴ!遅かったじゃねえかよ?何か

 あったんかあ?」


 「あぁ、ただいまお前達。少し知人と会ってた

 だけだ。それより何か騒々しいな?」


 騒ぎの真ん中から1人の女性が向かってくる。


 「兄さん!待ってたわ!」


 「リーシャ?一体どうしたんだ?」


 「いや…えっと、特に何かって訳じゃ…

 無いんだけど…」


 「ならもう用は済んだんじゃないですかぁ?

 ユーゴさんも帰ってきたばかりでお疲れみたい

 ですし〜。」


 「アルティ…アンタここ数年で私に対しての

 トゲが多くなったと思うんだけど〜?」


 「そお言うリーシャは相変わらず兄離れが

 出来てないみたいだねぇ?」


 「な!?何ですってえ!」


 2人の間に火花が飛び散る。しかし、その死地に

 踏み込む男が居た。


 「おいおいお嬢さん方〜その辺にしときなって、

 毎度毎度の事ながらマスターの取り合いは

 屋内では辞めてほしいんだがな?」


 「ゴーシュさん…邪魔しないでもらえますかぁ?」


 「ほほう?ならここは俺も混ぜてもらおうか…」


 「ストップ!ストップ!ストーーップ!

 ゴーシュさんまで混ざると建物がぶっ飛んじ

 まうって!」


 「た、確かに…。アルティ!今日の所は

 ここまでにしといてあげるわ!」


 「いつでも相手になるよぉ!」


 「ふぅ、やっと収まったかよ…。てか、

 こいつらって学院生の時かなり仲良かったと

 思うんだが…一体何処で何がどうなった…。」


 「ヒューズ?何か言った?」


 「え?いや、何でもねえよ、何でも!ははは。

 女って本当怖えなぁ。触らぬ神に祟りなしだな。」


 「ん?」


 リーシャとアルティナは疑いの目をヒューズに

 向けている。鋭い眼光で。


 ───────。


 「やれやれ、やっと落ち着いたみたいだな。

 それでリーシャ。」


 「はい!」


 怒られると思ったリーシャは慌てて返事をした。


 「…?少し付き合ってくれ。話しておきたい

 事がある。」


 「お話?」


 ────ギルド・3階、マスター私室────


 ギルド内部は1階が受付や待合席、カフェ兼バーも

 あり、メンバー以外の人間が利用している事もある

 2階部分は書庫や応接室、3階は会議室と

 マスター私室が設けられている。


 「で、話って何なの兄さん?」


 「俺の指にはめられた指輪の事で少し気になる

 点が幾つか出て来た。」


 「その封印魔法が施されてる指輪の事よね?」


 「そうだ。何故、俺に封印が施されたのか

 考えたらおかしな点ばかりだ。何故誰も

 何も言わない?知らないからだ。なら、

 何故誰も知らない?隠されていたからだ。

 俺は一体何者で、何処から来て、何処で

 生まれたのか…最近そればかりを考えている。

 自分でもおかしな事を言ってる自覚はある。

 だが、最近になってようやく疑問を疑問と

 認めれる様になったのは確かなんだ。

 ……すまない、急にこんな事を。」


 リーシャはユーゴの突拍子も無い話を真剣に聞き

 疑う事なく、受け止めて口を開いた。


 「兄さん!私は兄さんが何者でも、何を考えて

 いても、何をしたとしても、妹であり、

 味方でも居るつもりよ!だから……」


 「リーシャ…。」


 「まだまだ頼らないかもしれないけど、もっと

 私を頼ってよ。兄さんが、私なんかが想像

 出来ない様な事で悩んでて、色々手を尽くしたり

 私を巻き込まない様にして来た事も知ってる!

 ずっと…ずっとそれが悔しかった!

 1番大切な人が辛い時や悩んでる時に私は

 無力で何も出来ない。そんなのはもう嫌なの!」


 「………。」


 「でも、今はそんな事はどうだって良い!

 だって、やっと悩みを打ち明けてくれたんだもの!

 それに…」


 「それに?」


 「私も今迄、言えなかった事沢山あったけど

 これでお互い隠し事無し、誤魔化すのも無しで

 きちんと話し合い出来るでしょう?」


 「そうか、そうだな。…ククッハハハッ!」


 「兄さん?!」


 リーシャは自分の発言を馬鹿にされたかと一瞬

 思ったが、そうじゃない。ユーゴは今迄に

 声を出して笑った事など一度も無い。


 「いや、すまん。リーシャが俺と似た様な

 思考に捉われて生きてきたんだと思うと

 ふと自分がおかしく馬鹿馬鹿しく感じて、

 つい…な。今日は色んな事に気付かされる日だ。

 まさか、自分にこんな笑い方が出来るとは

 思ってもみなかったよ。」


 「ねぇ、それで思ったんだけど、それも

 その封印の所為なのかな?」


 「分からない…だが、実は俺もその線を

 睨んでいる。恐らく、魔法に関する力や

 知識だけじゃなく感情や記憶も封じられている

 可能性はゼロでは無いと思う。」


 「そんな…でもそう考えると辻褄が合う…?」


 「あぁ。現に指輪の数が減る度に今迄欠けていた

 ピースが揃って行く感覚に陥る。そして今の俺と

 同じ考えを持っていた人も居たしな。」


 少しユーゴの表情に影が落ちたが、リーシャは

 そこには気付かなかった。


 「その人って?」


 「……ミゼラ・ニュー・ファーリアだ。あの人は

 俺と同じ考えを持っていて、色々と助言を

 くれたり動いていてくれたみたいだった。」


 「学院長が……。え、もしかしてその動きを

 面白く思わない人間が居た?」


 「あぁ。そしてソイツ等があの人を消した。」


 「でも、そんな事出来る人なんて…ん?今、

 ソイツ“等”って言った?」


 「人を一人牢に閉じ込めるのも、処罰するのも

 それに対する国民の順応力も到底、一人で

 行えるとは思えない!明らかに複数、いや、

 組織だっての犯行としか思えない。そして

 怪しいのは───────。」


 「王国の上層部!」


 「そうだ。そんな大掛かりな事を一、賊如きが

 出来る筈が無い。なら、それを可能と出来るのは

 王国の中枢、上層部が絡んでるのは間違い

 ないだろうと俺は踏んでる。」


 「でも、ちょっと待って!もしその推測が

 正しかったとして、そんな大事を代々国を

 支え守って来た血筋の名家の大人達が

 知らない訳無いよね?当然、私達が育った

 ニルヴァーナ家も……。」


 「……知っていて話さなかった。そして俺は

 そんな事に加担しているかもしれない人達の

 元で生活なんて出来ないと思ったから家を出た。」


 リーシャは暫く黙ったままだった。当然である。

 今迄、何も疑う事無く母と父を慕い育てられ

 愛されながら生きて来た環境その物が、全て

 偽物の仮面を付けた女と男と感じてしまっていた。

 そして嘘でも、そう感じてしまった自分に

 嫌悪感すら抱いた。

 しかし、それは今迄に抱いた不信感を肯定する

 事にも繋がり点と点が線を結ぶ様にどんどん

 頭がクリアになって行く。


 「リーシャ。あくまで未だ推測の域を出ていない

 のだし、そういきなり言葉通りに受け止める

 必要も無いんだ。今は少しでも有る可能性を

 頭の隅にでも置いておくだけで十分だ。

 確定した訳でも無い話だ。」


 「うん…でも、そう考えると今迄引っかかってた

 部分が分かって来た気がする!」


 「そうか。でもだからと言って直ぐに表に

 出したり、誰かに言ったりするんじゃないぞ?

 今迄通りに過ごすんだ。何かあれば先ず俺に

 言え。くれぐれも誰にも気付かれない様に。

 お前なら出来るな?」


 微笑みながらそっとリーシャの頭に手を置いた。


 「兄さん……うん、勿論よ!」


 そう答えたリーシャは赤く染まった頬と

 満面の笑みを浮かべユーゴと別れ帰って行った。

まだまだ続きますので、宜しくお願い致します!

もし楽しんでもらえたならコメント、感想、評価やブクマしてもらえるととても大変嬉しいです!

評価は下の方にボタンがあるのでポチッとお願い致します。

※設定やタイトル、サブタイトル、その他細かな部分などちょこちょこ変えたりしますがご了承下さい。


次回 王国騒乱編 3話 疑心暗鬼

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