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11話 Sクラス、再び

投稿頻度が疎らですいません!

まだまだ続きますのでよろしくお願いします!

気に入ってもらえたら評価とブクマして下さると

大変嬉しいです!


 ───────試験結果発表当日───────


 いつも通り、いつものメンバーで学院へと向かう。

 だが、そこにディオンの姿は無かった。

 ディオンの件があってから、ユーゴ達は

 無意識の内に皆が距離を取り合っていたが

 学院生活が始まると、自然に集まった。



 「やっぱディオンの姿は無いな…。」


 「あぁ。魔人が学院に潜り込んでいたんだ。

 それだけでもかなりの事態だが、あれだけ

 派手な騒ぎを起こしたんだ、もしかしたら

 もう会えないかもしれない。」


 「そう…ですわね…。」


 「そんなにディオンに会えないのが辛いの?

 アウラ?それとも試験結果が心配?」


 「いえ、そおゆう訳では…。」


 アウラの様子がおかしいのは誰の目から

 見ても一目瞭然だ。


 「おい、リーシャ。」


 「構いませんわ。少し考え事をしてたものですか

 ら。ご心配をおかけしましたわ。ごめんなさい。」


 「ちょっと…本当に一体どうしたって言うのよ…」


 「アウラ…もし良かったら話してくれないか?」


 「えぇ、実は───────。」



 ─────────────────────


 ユーゴ達は試験結果の紙が貼られている掲示板の

 前に居た。


 「兄さん!これから同じクラスだね!」


 「あぁ。そうだな。」


 「おいおい、俺達も居るって事忘れんなよな!」


 「…。」


 ユーゴ、リーシャ、ヒューズ、アウラ、共に

 Sクラス!

 だが、アウラの表情は未だ沈んだままだった。


 ───────Sクラス教室───────


 他の生徒達の視線がユーゴ達へ集まる。

 首席入学のユーゴが最下級クラスから

 一気に最上級Sクラスへと返り咲いたのだから

 無理もない。

 それにリーシャは次席入学、アウラは

 学院長の娘でユーゴと同じ最下級クラスからの

 最上級クラス。

 ヒューズも同じく最下級クラスからSクラス入りを

 果たした実力者という事もあって

 ユーゴ達は最早、学院一の有名人である。

 そんな彼等に近付く者がいた。


 「ユーゴ君、久しぶりだね!」


 「お前は…誰だ?」


 ユーゴ達は困惑していた。

 しかし、何処となく聞き覚えのある声だ。

 それにこの妙なテンションは─────。


 「僕だよ!バーゲン・バルバロッサだ!」


 「いや、でもあまりに雰囲気が…。」


 「確かに僕はあの一件以来、色々考えさせられ

 心を入れ替え新たな自分に生まれ変わったが

 リーシャ君!君は今まで同じクラスだったじゃあ

 無いか!!」


 「あ〜、そうだったわね。忘れてたわ!」


 「それはあんまりだよ!」


 「そうか、あのバーゲンか。喋り方まで少し

 変わったみたいだな。それにしても

 お前もSクラス入りとは驚いた。

 永久にA級だと思っていたんだが…。」


 「上手いこと言ってるつもりかウィっ?!

 僕だってそれなりに認められて実力を

 伸ばしてるんだよ!」


 「何か、俺が言うのも何だけどよ〜。俺より

 五月蝿くねーか?こいつ。」


 「初対面でこいつ呼ばわりは辞めてくれなウィか

 ?これでも由緒正しき家の生まれで…」


 「でも確かバルバロッサ家ってあの【血の生贄祭(ブラッディーナイト)

 の首謀者ですわよね?」

 「その話を出されると何も言えない…」


 「まぁ、これから1年宜しく頼むバーゲン。」


 「こちらこそ!宜しく頼むよユーゴ君!」


 こうして彼等の新たな1年が始まる。


 ─────────────────────



 Sクラスになったユーゴ達は更なる実力を

 恐るべきスピードで身につけていった。

 そうして月日が経つにつれ、アウラの不安は

 募るばかり。

 その不安とは───────。


 ───────試験結果当日───────


 「実は、母様が帰ってこなくて…。」


 「いつからだ?」


 「ユーゴ達が屋敷に来た日からですわ。」


 「そんな…ミゼラ学院長が…。何か思い当たる

 事とか無いの?」


 「あったらこんなに悩みませんわ!」


 「それもそうね…私達で何か力になれる事が

 あれば良いのだけど…ねぇ兄さん?」


 「あぁ、そうだな───────。」

 


 ─────────────────────


 未だ沈んだ表情のアウラ。

 周りもいよいよその理由を知ってか

 心配をしていても声を掛けづらいと言った

 状況である。


 ─────足音が怒涛の勢いで近付く。


 「リーシャああああ!」


 「えっ?」


 そこには満面の笑みを浮かべ

 背後からリーシャに抱き付き

 リーシャの顔を見上げる小さな少女の姿があった。


 「アルティ!?」


 「そうだよお、アルティだよ!」


 リーシャに会えたのが余程嬉しかったのか

 周りの空気も全く気にする気配も無い。


 「リーシャ、誰だその子は?」


 「Aクラスで同じだったアルティよ!」


 「あれ?もしかして、この人が例のお兄さん?」


 「例の?」


 「あ、いや、何でも無いの!兄さん!」


 慌て、必死で否定するリーシャ。


 「初めましてぇ!アルティこと、アルティナって

 言いますぅ!お噂はかねがね…これから

 宜しくお願いしますぅ!」


 「これからって…君もSクラスなのか?」


 「兄さん。彼女は少し体が弱くて休みがち

 なのよ。でも凄く良い子だから皆仲良く

 してあげてね?」


 その場に居たユーゴ、ヒューズ、アウラ、バーゲン

 は頷いた。


 「初めまして、こちらこそ宜しく頼む。

 一体何を聞いたかは分からないが

 俺がリーシャの兄、ユーゴ・ニルヴァーナだ。」


 「はぁい!」



 この日から、アルティナを含めたユーゴ達は

 多くの時間を共にする事となり

 そして、後に彼等はSクラス最強チームと

 噂される様になった。


 ─────────────────────



 ───────王国地下牢───────


 「成る程っす。王国上層部の連中も

 一筋縄じゃないって事っすね〜。」


 「あぁ、まんまと相手の思惑にハマってしまい

 このザマだ。恐らくそう遠くない内に私の

 処遇も決まる事だろうさ。」


 すると、思い出したかの様に付け加えた。


 「そうだ、貴様に頼まれてほしい事がある。」


 「何すか?って言ってもオイラも囚われの身で

 何か出来る事なんて無いっすよ〜。」


 「いや、ある。貴様が、ここから出る日が来たら

 小僧に伝言を頼みたいんだ。」


 「伝言?」


 「うむ。もし、私の身に何かあったとしても

 何の心配も要らない、アウラの身を頼む、と。

 まぁそもそも私の心配などしておらぬだろうが。」


 隣同士の牢屋。壁越しにミゼラの笑い声が

 聞こえる。楽しげな笑い声、しかし

 何処となく寂しげな表情がディオンの頭に浮かぶ。


 「でも、オイラは魔人、学院長先生よりも

 ここから出れる可能性は低いんじゃないっすかね

 〜?」


 「いや、可能性はあるさ。こうして捕らえられて

 いるのが良い証拠だ。さぞかし良い性格の

 奴が根回ししてるんだろうさ。それに…」


 「それに何すか?」


 「貴様は自身を魔人だと言うが、実は少し違う。」


 「なっ?!それってどおゆう…」


 「本来、魔人は魔人族以外の種族の近くに

 居るだけで眼の色が変わる。吸血鬼(ヴァンパイア)

 良い例だ。しかし、貴様はそうはならなかった。

 複数の種族が居る中で変化し始めた。

 つまりだな、貴様は魔人と人の間に産まれた

 ハーフなんだよ。」


 ディオンは驚きのあまり開いた口を閉じる事さえ

 出来ずに居た。


 「稀に居るんだよ、違う種族同士の間に

 産まれてくるハーフが。そしてハーフとして

 産まれて来た子供達はその事を知らされる

 事は無い。」


 「確かに…そんなハーフなんて話すら

 初めて聞いたっす…。未だに信じられないっす。」


 「無理もない。だがな、問題はそこじゃない。

 問題はハーフとして産まれて来た子は

 力の制御が難しいという事、そして

 一度暴走すればその力は種族個人の力を

 遥かに上回ってしまう程の潜在能力を

 秘めているという事だ。」


 「種族個人よりハーフの方が優れた能力を

 持ってるって事っすか…。」


 「あぁ、故に暴走すれば手のつけようが

 無い程だ。もしかすると王国の上層部の

 連中はその力を利用する気やもしれん!」


 「だから殺さず牢屋に閉じ込めた…でも

 その推測が正しかったとして、やっぱり

 オイラが外に出る事は厳しいんじゃないっすか?」


 「何、手は考えてあるさ。その為の準備も

 既に終えておる。」


 「…。学院長先生はどうするつもりっすか?」


 「私か?そうだな、私は…」


 ─────コツン、コツン、コツン。


 こちらに近付く足音が地下牢内に響く。


 「話はここまでだ。後は頼んだぞ。」


 ───────カチャン、ギィ───────


 「出ろ、ディオン・マクシミリア。」

まだまだ続きますので、宜しくお願い致します!

もし楽しんでもらえたなら評価やブクマしてもらえるととても大変嬉しいです!

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次回、学院編最終話 卒業と涙が示す道筋

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