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1話 ガルバイン国立学院

かなり久しぶりの投稿です。

ちょっとした設定や内容はたまに修正するかもしれませんが、暖かく見守って頂ければと思います。

タイトルもまだ未確定です!

時間は不規則ですが一応毎日1話ずつ投稿していくつもりです!

コメント、評価、ブクマなどしてもらえる様に努力致しますので応援してもらえると嬉しいです!

  主人公の名前は高島勇吾(たかしまゆうご)

 ごく普通の中学生。

  いや、普通ではないかもしれない。

  かなりの怠け者で、気まぐれで、努力が嫌いであ

 る。

 平凡な毎日、いつも通り学校へ通う途中にそれはあ

 った。

  雲一つ無い晴天で、このまま学校へ行かずにどこか

 へ行きたくなるぐらいに良い天気だ。

 そんな勇吾の意思を汲み取るかの様にそれはあっ

 た…

 それとはそれである。宙に浮く球体、明らかに他の

 景色とは違う色の球体。

 違和感しか無いのである。

 俺はそれに触れてみる事にした。

 ほんの思い付きで。ほんの気まぐれで。

 先ずはそっと触れてみる。

 柔らかさとかそんなものは無く、何の感触も無い球

 体。

 思い切って手を突っ込んで見た所……何も無い。

 何も起こらなかったので手を抜いてみる事にしたの

 だが……


「あれ?」


 これは驚きを隠せる訳が無い。

 突っ込んでいた手の部分だけ綺麗に無くなってい

 た。

  かと言って出血も無い。

  本当にその部分だけ綺麗さっぱり無くなっていたの

 だ。

 勇吾はそれに対して平然と、冷静にただ好奇心のみ

 に動かされ吸い込まれるが如く

 その球体にその身を委ねて……


 ───────世界から姿を消した───────



 ───────異界暦1598年。


 ガルバイン王国の地下、最深の地下牢。

 そこには厳重に枷をはめられ、眠り続けている少年

 が居た。


 ーコツコツコツ―…

 地下に響く足音。


 ーチャリン、ガチャッ。ー

 少年の牢の扉が開かれた。


 …さあ、ここから新たに始めるんだ君の物語を。

 そして君が無くした記憶を取り戻したまえ、同じく

 無くしてしまった能力(チカラ)と共に。…



 ───────異界暦1600年───────


 チュンチュンッ。鳥の鳴き声が聞こえる

 何かを呼ぶ声…


 「ーゴ…。」

 「ユーゴ!」


 まだ重い目蓋の隙間から射し込む日の光と共に目を

 覚ます。


 「…誰?」


 目の前に立っている少女はヤレヤレという顔で答え

 る。


 「いつまで寝惚けてるの?」


 ようやく目が覚めてきた。


 「ぅん〜〜〜。おはようリーシャ。」


 「おはよう!ユーゴ!目が覚めたなら早く準備しな

 いと初日から遅れるよ?」


 「…初日?」


 「まだ寝惚けてるの?!今日から私達、学院生

 よ?」


 「学院生…あー、そうか、そうだったな。直ぐ支度

 するから先に飯でも…」

 

 ユーゴの台詞を遮るかの様に。


 「た・べ・ま・し・た!ユーゴはご飯食べる時間有

 りませんからね!」


 「分かった、分かった!ってか、お前が居るといつ

 まで経っても着替えられないんだが…見たいの

 か?」


 顔を真っ赤にしてリーシャはその場を後にした。


 (ふう…これから毎日こんな時間から学院通いか…

 それにしても、またあの夢を見てしまったな。一体

 何なんだあの夢は。…牢屋…か。俺の記憶と何か関

 係しているのだろうか?)


 鏡の前に立ち、制服に着替え、長めの髪を結び淡々

 と支度を終え部屋を出て階段を降りた。

 階段を降りた先には居間があり、そこにはコーヒー

 を片手に新聞を読む男性と食器を片付ける女性の姿

 があった。


 新聞を読む男性は、陽気な声で


 「おはようユーゴ君!いよいよ、今日からだね!

 色々大変だろうがリーシャと共に頑張るんだよ!」


 この人はこのニルヴァーナ家の主でありリーシャの

 父親のロウ・ニルヴァーナ。

 そして、食器を片付ける女性はキリッと


 「ユーゴ!支度を終えたなら早く行ってきなさい!

 外でリーシャが待ってるわ!それと…ほら、道中に

 でも食べなさい。」


 そう言い、温かくて良い香りのする包みを渡され

 た。

 その女性はロウの妻でありリーシャの母親のクレ

 ア・ニルヴァーナ。


 「あ、ありがとうございます。それと…行ってきま

 す!」


 そんな初々しい姿を見送る2人であった。

 家を出ですぐ馬車に乗ったリーシャが待っていた。

 馬車の扉の前にはニルヴァーナ家の執事のクロード

 が立っており


 「ユーゴ様お早うございます、どうぞお乗り下さ

 い。」


 と、挨拶を交わしユーゴは馬車の中へ、

 クロードは馬を走らせた。


 「ちゃんとお父さんとお母さんに行ってきます、し

 た?」


 ユーゴの顔を覗き込むかの様に尋ねる。


 「ちゃんとしてきたよ」


 不満そうに、こう付け足す。


 「お前は俺の保護者かっての。」


 「そうねぇ、ある意味保護者かな?だって、アナタ

 がウチに来て2年が経つけど…その…まだ記憶が戻ら

 ないんでしょ?」


 少し気まずそうなリーシャ。


 (そう、2年以上の前の記憶が無く身寄りの無い子供

 達が暮らす施設で目覚めた俺はこのリーシャの家、

 ニルヴァーナ家に引き取られた。

 ニルヴァーナ家にはこの2年間リーシャと兄妹の様に

 育てられ我が家の様に暮らして良いと言われてる

 が、身分は不確かで記憶も無い俺をどうして…

 と言う疑念を抱きながらも甘えさせてもらってい

 る。)


 「あぁ…手掛かりになる様な物も…たまに見る夢

 と、この指にはめられた十の指輪だけだ。」


 ユーゴの手には十の指にはめられた指輪を不可視化

 の魔法で周りから見えなくしてある。

 そうこう話してるウチに学院が見えてきた。

 ガルバイン王国屈指の名門校である。

 何故こんな名門校に通える事になったのかは

 ニルヴァーナ家が由緒正しき名家である事を意味し

 ている。

 そして、今日はそんなガルバイン国立学院の入学初

 日である。

 門前に止まりクロードが馬車の扉を開け2人を下ろ

 す。

 周りの新入生達がざわめき始める。


 「アレが本年度の首席入学者と次席入学者のニルヴ

 ァーナ兄妹か…」

 


 そう、リーシャは次席入学者で容姿端麗、剣術・魔

 術試験でもオールAランクの実力者。

 そしてユーゴは普段は不真面目そうに見えるが、

 しゃんとしてればルックスも良く、

 何とオールSランクの首席入学者なのだから周りの

 視線を集めるのもごく自然な事である。

 この学院は下から順にD、C、B、A、Sのランクに分

 けられており、

 クラスも勿論そのランクに沿って分けられる。


 「私はAランクだから別のクラスだけど…大丈

 夫?」


 心配そうな目で囁くリーシャ。

 そんな気も知らず


 「何がだ?」


 と、返すユーゴに呆れたがリーシャは続けた。


 「学院の交流とか色々だよ〜。。。」


 「まぁ、何とかなるだろ!リーシャも頑張れよ!」


 リーシャの頭を軽く撫でながらそう言い自分のクラ

 スへとユーゴは向かい

 リーシャも顔を少し赤らめながらも笑顔で自分のク

 ラスへと向かった。


 ───────昼休憩・中庭───────


 ユーゴとリーシャは中庭で昼食を食べていた。

 そんな2人に近付く男子生徒が1人。


 「やあ、ニルヴァーナ兄妹!こんんな所で2人仲良

 くランチかな??」


 随分とハイテンションな人が居たもんだ。

 ニルヴァーナ兄妹もお互い顔を合わせ小首を傾げ

 た。

 そしてユーゴから切り出した。


 「誰だお前は。」


 「んなっ?!私を知らなウィっ?!」


 2人とも首を横に振る。

 その男は仕方ないと言わんばかしの顔で続けた。


 「私はAランク、バルバロッサ家が長男!んんバー

 ゲン・バルバロッサだよ!名前と顔を覚えておくと

 ウィ!」


 そして2人は


 2人「あー、あのバルバロッサ家の長男かあ。。。」


 と、可哀想な物を見る目でバーゲンを見上げた…。


 「何だね!その顔と目は!私が可哀想に見えるのか

 いっ?失礼極まりなッスィング!」


 「それでバルバロッサ家の長男様が何用でしょう

 か?」


 「それはウィー質問だ!君達に話があると父様が言

 っていたのでね、今宵我が家に招待しようじゃぁな

 ウィか!」


 「何故俺達を?」


 「詳しくは私にも聞かされてなウィんだが、今宵の

 パーティーに招待しろと言伝を受けて誘ウィに来た

 次第だよっ!」


 何故かと言う疑問は残るが2人はこの誘いに了承し

 た。

 …最悪のパーティーになるとも知らずに…。

第一話を読んで頂きありがとうございました。

コメント、評価、ブクマなどしてもらえると大変嬉しいです!


次回、学院編2話 PARTY(パーティー)

お楽しみください。

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