6話1人目の仲間と解放軍
遂にヒロインが登場しました。
「俺の名前はカゲミヤ.タスク。あなたのことを助けに来ました。」俺は怯えるエルフの女の子に優しく答えた。
「タスク様?私を助けてくださるんですか?」
「勿論、そのために俺はここに来たんだから。」
「そうですか。では、タスク様は解放軍の方ですか?」
解放軍?そういえば師匠が前に話してくれたことがあったっけ。たしか魔王に支配された国を取り戻すために隠れて組織された軍だっけ。
「違うよ、俺は解放軍ではないんだ。ただゴブリンに連れ去られた君を見つけて助けに来ただけなんだ。」まあ、気配関知で見つけたんだけどね。
「誰かも解らない私を助けるために1人でゴブリンの群れに乗り込んで皆倒してしまうなんて、おかしな人ですね。でも本当にありがとうございました。私の名前はシルフィア、この奥の森のエルフの町に住むハイエルフです。」シルフィアはそう言うと、丁寧にお辞儀をした。たしかハイエルフは、エルフの間に希に産まれる稀少種だと師匠が言ってたっけ。あのゴブリンキングにも本当の種族は教えられなかったようだ。
「シルフィア、他の仲間はどうした?エルフは、森の奥に仲間たちと住んでいると聞いていたが。」するとシルフィアの顔が急に暗くなった。
「仲間は、いません。私は他のエルフたちに魔王軍の奴隷として、売られたのです。それをお母さんとお父さんが私に伝えてくれて、私にこの手紙を預けて逃がしてくれたんです。そしてお母さんとお父さんは、魔王軍を足止めしようとして…」シルフィアは、目に涙を浮かべてそう語った。
俺はシルフェアを優しく抱き締め「もう大丈夫、僕が君を守るから。」シルフェアは俺の胸で泣きじゃくる。そして俺は、エルフの町に行く必要があると思った。
シルフェアが落ち着くと「さっきシルフィアは、両親から手紙を預かって逃がされたといっていたな。それは今何処に?」
「そこの床の下にいれています。」俺は床を探る、すると床に少しへこみがあったのでそこに指をかけて開けた。そこには、シルフェアのカバンと大量の金品が隠してあった。そこからシルフェアのカバンを取り出てシルフィアに渡し、残りの金品をアイテムボックスに入れる。
シルフェアは、カバンの中から手紙を取りだし「これです。」と俺に渡してくる。
その内容は、ー親愛なる我友アルヘルトよ、この度は急なことですまないが我娘シルフィアをそなたの率いる解放軍でかくまって貰ってはくれぬだろうか。我は恐らく、この手紙をそなたが読む頃には既にこの世にはいないだろう。それに我娘はハイエルフ、普通のエルフよりも魔力が高いし戦力にもなり得ると思う。何とぞよろしく頼む。 アルメスー
それを読み俺は、「良いお父さんをを持ったんだね。君のお父さんは、君を愛していたんだね。」と言う。するとシルフェアは
「はい、自慢のお父さんでした。」それを聞き俺は、シルフィアに目指しているベルナール王国について聞く。
ベルナール王国は、魔王軍四天王の1人カイラスによって納められている国で、比較的警戒が緩く解放軍が組織されているらしい。そしてここから歩いて5時間位かかるらしい。この世界の時間は、前の世界と同じらしい分かりやすいご都合主義である。俺はシルフェアの護衛を兼ねて一緒にベルナール王国を目指すことにした。出来ればシルフェアには俺のパーティーに入って欲しかったが、お父さんの願いなら仕方ないか。ベルナール王国に行く前に、俺はシルフィアのステータスを鑑定する
シルフィア
性別:女
Lv21
年齢:16
種族:ハイエルフ
職業:狙撃者
能力値
HP1800
MP:750
SP:750
ATK:200
DEF:450
AGI:50
スキル
貫通力UP
曲矢
ユニークスキル
必中
称号
姿見えぬ狙撃者
結構強かった。
途中出てきた魔物は、シルフィアと分担して倒し、シルフィアの経験値を稼ぎながら進んだ。ベルナール王国についたときにはもう遅かった。シルフェアには女の子と解らないようにゴブリンの村から奪ったフードを被せ、俺たちは宿に泊まった。
シルフィアが寝たあと俺は闇魔法の魔物召喚でLv40のシャドーデビルを召喚し、シルフィアの護衛を命じてシルフェアの影の中に潜ませておく。そして俺は、神速を使い1人エルフの町を目指した。怒りを必死に押さえながら。
続く
次回主人公が怒りに任せて暴れまくります。