28話偽の英雄
年末ですごく忙しかったですが。更新できました。
「じゃあ将、まずは右腕に魔力を送ってみて。」渉は俺のリハビリに付き合ってくれるそうだ。
「わかった、やってみる。」俺は右腕に魔力を流す。俺の体と腕が繋がる感覚がする。
「でも、あんまり魔力込めすぎると暴発するから気を付けてね。」渉がバリアをはりながらいってくる。
「お前、それ速く言えよ!!」もう遅かった。
俺の右腕が「ドンッ」と音をたてて爆発する。俺はぎりぎり無事だった。他の皆は買い物に出ていて本当に良かった。
「おい!この部屋どうすんだ?」黒こげになった部屋の中で一人だけ汚れてもいない渉に声をかける。
すると渉は本を取り出して「大丈夫だよ僕に任せて。」と言う。
「渉その本は?」
「これ?これは師匠から渡された神器だよ。」
「神器?それってこの[クロノス]と同等の武器ってことか。」
「そうだよ。これは[ダンタリオ]っていって複雑な古代魔法式や大型魔方陣の構築ができるんだよ。まあ他にもあるみたいだけど、それは閲覧禁止のページに書かれてるらしいから僕じゃ読めないけどね。」俺はそれが気になりその[ダンタリオン]を鑑定するが鑑定妨害がかけられてあり、わからなかった。
「それはそうとその[ダンタリオン]でどうすんだ、この部屋。」
「ぽいでしょ、こっちの方が。」はい俺の時間を返せ。それから俺たちは何だかんだでリハビリを続けて、まともに動かせるようになったので外に出てみることにした。
外に出ると広場の辺りが騒がしく、そこにはシルフィア達がいた。シルフィア達には、騒ぎを防ぐためにルーシェ以外に種族隠蔽のフードつきのローブを着せてある。その皆が野次馬にまわっていると言うことは、種族がばれたわけでは無さそうだ。俺たちが近づくと
「タスク君!外に出れるようになったんだね。」とシルフィアに声をかけられる。俺が何が起きてるのか聞く前に他の三人に抱きつかれた。まあ、何とか話を戻した。まだ話始まってねえけどな。
「この騒ぎはいったい。」
「それはあそこの人達です。」そこには金髪で髪の長い男と仲間だろうか、女の子が3人がいた。
「皆のもの喜べ!我々がこの国を魔王軍の魔の手から救った!!この国は自由だ‼」そう男が叫ぶと。
「「「「アルベリック!!」」」」「「「「アルベリック!!」」」」アルベリックコールが起こっていた。こいつは自分がマッドハッターを追い返したことにしているんだろう。俺は気にしていない。なにせ俺が追い払ったわけではないのだ。だが家の妻や娘達はそうではなかった。
「パパ、殺してきます‼」とマナが言う。やっぱりこの娘怖いや。まあ良いけど。
するとアルベリックがこちらに気づいたようで。俺の家族に
「そこの女の子達、僕のパーティーに来なよ。そこの男よりも幸せにしてあげるよ。」あ、ヤバイ、こいつ死ぬ。俺がそう思ったとき
「シュッ」アルベリックの頬を矢がかすった。
「へ!?」アルベリックが驚いた。シルフィアの目には光がない。
「貴様ら!!何をしたかわかってるのか!僕はこの国を守った英雄だぞ!貴様らごときが足元に及ばぬ高みの存在だぞ。死罪だ死罪。死ね[ファイヤーボール]」アルベリックは魔法を放った。俺はシルフィアの前に移動して、右手で魔法を上に跳ね返す。
俺は大人げなく少し本気で怒ってしまった。「おい!お前降りてこいよ。顔の形を変えてやるよ。」するとアルベリックと仲間の女の子達も本気で怒ってしまった。
「俺は腕の出力の調整に不安があるから殺してしまうかもしれない。だからこの中で一番落ち着いてるルーシェ、頼めるか?」まあ、種族がばれることを避けたわけだが、良いだろう。
「わかたぞタスク、殺さない程度にやってくる。」ルーシェが出ていくとアルベリックが
「あの男は怖くなって逃げ出したか。まあ、この英雄に恐れをなしたのであれば仕方あるまい。その程度のやつということか。やはり僕のもとに来ないか?幸せにするよ。」
「黙れ。偽物」
「貴様も死罪だ!」アルベリック達は魔法を連打するが、ルーシェは剣で全てを斬る。わー、どっかの剣士みたいだ。この子王女だよね。そのまま相手の懐に入り拳で沈める。するとその場は静まり返った。
「よし!!逃げるぞ。」俺たちはアルヘムをダッシュで後にした。
続く
今度はいつ更新できるかわかりませんが。途中では絶対に終わらせません。死なない限り。




