28話手足
クリスマスの投稿となりました。まあどんだけ暇なんだよって自分でも思っております。
「...君......タ...…ク君..........タスク君!!」そんな声が聞こえた。俺の深い絶望を救う優しい声。そして俺は意識を取り戻す。目を覚ますと、シルフィアは泣きながら俺の右手を握り、俺の名前を呼んでいる。ん?右手?
「シルフィア?本当にシルフィアなのか?」俺は尋ねた。
「そうだよ、タスク君。良かった、もう目を覚まさないかと思った。」シルフィアはそのまま俺の胸に飛び込んでくる。
「痛いよシルフィア」俺の体は穴だらけだ痛くない訳がない。あれは夢だったようだ。俺の右腕と左足が切れたのは事実のようだ。げんに俺には腕の形をかたどった黒い塊がついている。足にも同等のものがついている。
「ダンッ!!」と音を立てて扉が開き、「パパ!」 「タスク!!」「将!!」マナとルーシェと渉が雪崩れ込んでくる。心配してくれていたのだろう。皆の目元には涙の後があった。そして、皆俺の胸に同じように飛び込んでくる。
「痛い!!そして苦しい。」そしてそのあとにレーネが俯いたままゆっくりと部屋に入ってくる。
「すいませんでした。」
「気にするな。あれは俺が弱いのが悪かったんだ。それに俺が遅かったせいでレーネのお母さんとお姉さんを助けられなかった。謝るのはこっちの方だ。」
「それは違います。タスク様は私のために尽くしてくれました。それに、そのせいで腕と足を…」
「大丈夫だから。無事だったんだからもう気にしないで。」
「そんな訳にはいきません。せめて何かお詫びを。それではこの命を捧げます。」いや、重いよ。15の女の子に命捧げるとか言われても重いよ。
「じゃあこの旅に最後まで付き合ってくれ。それでどう?」
「はい!わかりました父上!!」
「はいストップ!!何故に父上?」
「この旅に同行している人達が全員家族なので、私も父上とお呼びした方が宜しいのかと思い、そう呼ばせていただきました。」
「いや、別にそんなに気を使わなくても良いんだよ。」
「タスク様は、私にそう呼ばれるのは嫌ですか?そうですよね、身寄りのない鬼人の子供など邪魔なだけですよね。」だから思いこの子いちいち重いんですけど。
「いやだって突然娘って言われたって。」そう自分で言った後マナを見るそう言えばマナって突然娘って言い出したっけ。でも、マナは俺の魔力を直接注いで、俺の魔力が流れてるわけだし。ぎりぎりセーフだよなをそう自分に言い聞かせる。
「じゃあ、結婚しましょう。」だから重いよ。
「はいストップ!特に変わってないよ。それに結婚て言ったて君はまだ15で結婚できないじゃないか。」
「じゃあ婚約者でお願いします。」うん引く気はないようだ。
「わかったよ、今日から娘として俺が引き取る。」これは仕方のないことなのだ。そう自分に言い聞かせる。
「と言うことはマナがお姉ちゃんですか?」マナが目をパチパチさせている。実に可愛い。これを世間では親バカと言うのだろう。だが仕方ない、可愛いのだから。まあ一番はシルフィアだけどね。そこは絶対に譲らない。まあ皆可愛いんだけど。
「いや、どっちかって言うとレーネがお姉ちゃんかな。」
「そうですか。宜しくお願いします。お姉ちゃん!!」
「うん。宜しくマナちゃん」実にほほえましい光景だ。
「あの、すいません。誰かこの腕についてる義手と、足についてる義足についての説明を。」
「そうだったね。将、それは魔力を流して使う魔道式義手と義足。私のユニークスキル[創造]で作ったの。ちょっと魔力を流してみて。」俺は言われた通りに魔力を流した。すると義手と義足に青い筋の様なものが浮かび上がる。
「次はどうすれば。」
「いつも動かしてたみたいに動かしてみて。」その通りにしてみると。ぎこちなくではあるが、俺の腕と足は動いた。
「魔力の量を調整できるようになれば。スムーズに動くようになるから。じゃあリハビリを始めようか、将。」そりゃそうだよね。
続く
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