10話裏切りと怒り
昨日は更新できず申し訳ありません。週一回くらい休むと思いますがご了承下さい。
「頼りにしてるよタスク君」アルヘルトさんは勝負のあとそう声をかけてくれた。俺は、[リミットブレイク]の反動でしばらく動けない。そして俺達はこの時気づいていなかった。俺たちに向けられた殺意と気配に。
「ドーン」という音と共に扉が吹き飛び飛んできた。それをアルヘルトさんは受け止めて「何事だ?」と言うのとほぼ同時に、入り口から魔物が入ってきた。俺としたことが全く気づかなかった。それに、今は体が動かない。はっきり言って足手まといである。だが鑑定は出来た。数は20体ほど、レベルは平均50~60程だった。解放軍の人たちのレベルが60~70程だから敵ではない。だが、そのあと予想していなかった災厄の事態が起きた。仲間の解放軍の幹部、アルフィと呼ばれていた人とその部下達が解放軍の仲間に襲いかかり始めたのだ。
「どういうことだアルフィ、なぜ我らを攻撃する。」アルヘルトさんは魔物を殺しながら言った。
「見たらわかるでしょアルヘルトさん。僕らは強いほうについただけですよ。解放軍なんか作って死にに行くみたいな真似をするなら魔王軍に入るほうがよっぽど賢い選択じゃないですか?」アルフィはそう言うと、部下達と共に幹部の女の人とその部下達に襲いかかった。魔物を倒したアルヘルトさんとその部下達が助けに入った。アルフィはそれを見て少し躊躇したが、すぐに襲いかかる。だがアルヘルトさんはそれをかわし、切りつける。アルフィは傷をおったが深手は何とかかわせていた。アルフィはバックステップを踏み逃げようとするが部下達はすでに全員拘束されていて、アルフィは解放軍に囲まれた。俺の出番は無さそうだと思っていた。そんなときだった。アルフィはシルフィアのほうに高速で移動し、シルフィアの後ろから首にナイフを当てて人質にしたのだ。俺は焦った。
「お前ら、こいつを殺されたくなければ道を開けろ!!」アルフィは怒鳴った。
「私は大丈夫です。本当ならこのは命あの時終わっていたのですから。タスクさん、ありがとうございました。私ごとやってしまってください。」シルフィアはそう言う。するとアルフィは、
「余計なこと言ってんじゃねえよ。もういい、こいつを殺したら一人でも多く殺してから死んでやるよ。」アルフィはそう言うと腰にさしていた剣を振り上げた。俺が動けるようになるまであと3秒。間に合わない。
「動け、動け、動いてくれ。」俺の願いは、届かなかった。
「ごとん」
鈍い音をたてて床に何かが落ちた。俺は目を閉じていた。恐怖耐性があったとしても直視したくなかった。それが体の一部だということは、考えなくてもわかった。だが次の瞬間。
「ぐぁぁぁぁぁぁ腕が、俺の右腕がぁぁ‼︎」落ちたのはシルフィアの頭ではなく、アルフィの右腕だった。それをしたのはアルヘルトさんではなく、俺がシルフィアの影に忍ばせていたシャドーデビルだった。そして俺の体は動くようになりシルフィアの元に駆け寄る。それと同時にシャドーデビルはシルフィアの影に戻った。そして
「すまない、すまないシルフィア俺が動けていればお前にこんな思いをさせることはなかった、すべて俺の責任だ。」俺はシルフィアを抱き締め、首に傷を見つけた。俺の理性は吹っ飛び、ただ目の前にいるシルフィアを傷つけた男を殺すという思いだけが残った。俺が[クロノス]を降り下ろそうとしたとき
「だめですタスクさん」シルフィアがそう言った。それを聞き俺はアルフィに[クロノス]が当たる直前に止まった。アルフィは気絶した。そして俺は我にかえった。だがなぜ止めるのかわからなかった。「なぜ止めるの?」俺は聞いた。
するとシルフィアは「この人を殺してしまったらタスクさんがタスクさんでなくなってしまうような気がして、それは嫌だと思ったからです。」シルフィアは目に涙を溜めていた。俺はシルフィアを優しく抱き締め「君がそう言うなら俺はもう人を殺さない。」俺はシルフィアに誓った。
捕まえたアルフィ達はアルヘルトさん達が何とかしてくれた。恐らく奴隷になるということだった。そして今日はもう遅いので宿で眠ることにした。シルフィアが今日の事があって一人では寝れないというので、一緒に寝た。
その頃カイラスは「まさかバレスが倒され、アルフィもしくじったか。アルフィの方は始末しておけ。使えない奴はいらない。」次の朝、アルフィ達は死体になっていた。
続く
そろそろ城に乗り込もうかな。




