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3.二人目の攻略対象。

逃げ腰主人公も好きですね。

早くも5年が経過しました。ランドール様の印象は変えられませんでした。というか、積極的に両親と国王陛下が私達をくっつけようとするのです。やめてくださいね。私はいつも、つれない態度をとるのですが、何故か、好かれるという謎事案が発生しております。



ランドール様、ドMですか!?私だったら、嫌いになってしまいますよ!!例えば。



「メアリー。君はいつもそっけない態度を取るけど、そんなに僕の気を引きたいの?」

「そんな訳ないじゃないですか?王子とあろうお方が何を勘違いしているのかしら?(笑顔)」

「そんな君も僕は好きだよ。」



と言った具合に。やっぱり、ドMですか!?それとも、とんでもないナルシストか何かですか!?・・・と言っても、ランドール様が好きと公言するのは、私しかいないそうです。あとは、そっけない態度を取るんだとか。なので、国王陛下は是が非でも私をランドール様の妃にして、国を継がせたいようです。ランドール様は天才肌でありますから、とても優秀なお方なのです。



私はいつもランドール様にお会いした際には、必ず後でギルドに行って、ストレス発散を致します。幻影(イリュージョン)を使用し、魔物を討伐致します。魔物なんて、一発KOですよ?お金も手に入って、Win-Winですね。ついでに、小説も読めるから、最高です!!いや、寧ろ、これが目的ですかね。


ギルドでも、Bランクまで昇格しました。私くらいなら、SSくらいは楽勝なのですが、流石に怪しまれますでしょ?ギルドでも、居場所をなくしたら、私はもう生きていけない。ちなみに、今まで手にしたロマンス小説はアイテムボックスにしまっております。数多くの蔵書がございます。



今日も今日とて、辺境の地、セレンピートの街で魔物討伐・・・した帰りです。あ、勿論、街にはいませんよ。街のすぐそばの広い高原です。本当に、この世界は広いです。瞬間移動(テレポート)がなければ、セレンピート高原での魔物討伐も丸一日かかっていたかもしれません。自邸からは、普通に行けば、二週間はかかると思われます。自邸は割と王都が近いので、しょっちゅうランドール様が自邸にやってこられます。私は貴方の婚約者ではないのですよ?



あぁ、話が逸れてしまいましたね。ギルドで金貨に換金してもらった帰りに、本屋さんに立ち寄りました。その時の出来事です。本屋さんで、一通り新しく出版されたロマンス小説を買い占めると、裏道でこっそりと買った本を読みます。その際、自分の身の回りに防御壁(シールド)を敷きます。



しかし、その日はいつもとは違う出来事が生じたのです。この防御壁(シールド)をぶち破る者がおりました。私は面を食らってしまいました。()は私の作った防御壁(シールド)をぶち破ると、私に向かって、襲ってきました。私は軽くいなすと、相手は吹き飛ばされていきますが、()を見て、私は別の意味でも面を食らってしまいました。


彼は、隠れ攻略対象で、この人も大抵悪役に回ってしまうのですが、一番のラスボスは私でございます。彼の名を、ミヒャルド・ゼーゼフ・シューリッヒ。没落貴族で、これまで、貴族として暮らしてきたが、権力の強い貴族に恨みをかって、報復に潰されたシューリッヒ家の一族で、彼は、ディアラント王立学園の先生枠として出てくるキャラで、7歳差。つまり、現在12歳ですね。確か、この時期は妹が一人おり、妹を守る為に、この身を犠牲に生きてきた人。でも、あえなくお金がないせいで、妹を失い、この世の中を恨んで生きてきた人物。



ちなみに、ディアラント王立学園には12歳から18歳の期間、通いますよ。平民の方も通われます。普通科と貴族科がございますから。




私は二人がディアラント王立学園に通えるだけのお金を差し上げようとしました。しかし、彼は受け取ろうとはしませんでした。



「何故、このお金を受け取らないんです?」


ミヒャルド様はこう断言なさいます。


「・・・なんか、乞いを求めているようで、惨めで情けなくなってくる。」

「だったら、何故、私を襲ったのですか?そちらの方が、惨めで情けないのでは?矛盾しておりませんか?」


ミヒャルド様は黙りこくってしまいます。私は出来るなら、このキャラに近付きたくもありませんが、今、この世の中を恨まれて生きてもらっては、本当に困るのです。私がより悪役に回ってしまうのですから。私は、押し付けるように申しました。


「貴方は守りたいものがあるのでしょう?・・・違いますか?」

「・・・!それは・・・そうなんだけど・・・・。」

「だったら、なおの事、この金貨を受け取りなさい。大事なものは失ってからでは、遅いのですよ。それを理解なさってください。」


ミヒャルド様は目から鱗が落ちるようでした。私から金貨の入った袋を受け取ると、礼を言って、その場を去りました。

早くも5年が過ぎましたね(笑)。

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