23.終わり良ければ総て良し。
空気になっている人、多数。
まぁ、気にしなければいい話ですよね!要するに、命令をしなければ、いい話ですよね!!話は簡単です。
「ルナ様、お身体の調子はいかがですか?」
ルナ様は顔をこちらに向けながら、答える。まるで、命令に従っているようです。瞳は、ルナ様が本来持つターコイズブルーなんですが。
「・・・メアリー様、私は、貴方のおかげで身体に変調をきたしておりませんわ。」
その言葉に、とある事に気が付くマクシア様。
「メアリー様・・・。この方が、名乗るところをルナは聞いていたのだろうか?」
「あぁ、そう言えば、その時、眠っていたはずだよね。」
ヒナタが意味ありげにこちらを見てくる。確かに、私のせいですよ!!というか、名前を呼んだだけでも、命令に変換される!?何という事でしょう。
しらばっくれるのが、吉です。しかし、鋭い視線でルナ様の様子を窺うレイナ様とミヒャルド様。
「・・・?さっきの“悪しき魔女”に身体を乗っ取られていた影響かしら?属性魔法が使えるようになっている・・・?」
「確かに、この方、属性魔法の素質が全くなかったと思うのですが・・・。光魔法と闇魔法が使えるようになっている・・・?」
その言葉に、ハッと気付き、目を輝かすルナ様。レイナ様の肩を揺さぶる。興奮している様子ですね。
「それ、本当ですの!!私、属性魔法が使えるようになっているんですか!?」
「・・・え?えぇ、お兄様の言う通りですわよ。」
「いや、ルナは“悪しき魔女”に身体を乗っ取られていた事を、気にした方がいい!!」
マクシア様は盛大にツッコミを入れる。ルナ様は疑問符を浮かべるものの、あっけらかんと意見を述べられる。まるで、またもや命令に従っているような、そんな様子が見て取れる。いや、気のせいですよね?
「メアリー様が、“悪しき魔女”の呪縛から私を解き放ってくださったの。まるで、女神様のようでしたの。」
手を天に仰ぐように組み、私の方に向きながら、真っすぐに見つめる。ちょっと、聞きたい事がありますね。ルナ様はどこから、記憶があるのでしょう?操られていた時は、記憶が途切れていましたよね!?だから、マクシア様がおっしゃる通り、私の名を知る事が出来なかったはず。一体、どこから覚えているのでしょう?いや、覚えているはずもありません。そのはずなんです。
「ルナ様、どこからどう記憶しているのですか?私は名前を名乗った事も、貴方にお会いしたのも、今日が初めてなはずですよ。」
「メアリー様、貴方が私の瞳を覆って、私にかけられた魔法の術式を書き換えした時。そこで、私の意識は“悪しき魔女”から取り戻す事ができました。まるで、闇から光の方へ引っ張られる感覚を覚えました。・・・しばらくは、記憶が定かではありませんが、私は貴方に助けられたのです。」
アッー!?完全にバレてしまいますよね!?私が命令した事も、全て全て!!しかし、周りはいい方向へ誤解してくれました。・・・本当に助かります。
「つまり、メアリー、君はあの一瞬で、術式の書き換えを行った訳だよね?君は本当にすごいよ。」
「私の天使様は、本当に、素晴らしい能力の持ち主ですね!!」
「まさか、あの一瞬で!?メアリーお嬢様は、規格外の能力の持ち主ですね!!」
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皆さんの意識は術式の書き換えの方に集中していました。何故に!?その後の行動は確実におかしかったですよね!?むぅ・・・。
ヒナタは気を利かせて、予測不能で、自邸まで私と、レイナ様、ミヒャルド様、ランドール様にミカエル様を送ってくれました。ちょっと唐突ですよ!?
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「全く、ヒナタの魔法は何なのですかー!?」
私は自邸に思いっきり叫びながら、到着しました。それに関しては、皆さんもうガン無視です。気にしたら負け・・・みたいなものが、“先代の悪しき魔女”との戦いで、身に染みたようです。思いっきり、空間を無視していましたからね。
そして、ランドール様とミカエル様が帰路についた後、こっそりと自室で、ヒナタが持ってきたゲームをやります。すごいボリュームになっており、やりがいがありますね。
今日は色んな事がありましたが、とっぷりとゲームに浸りましょう!!それが、一番ですよ!!
ちなみに、ランドール様が使える魔法(予定)は光魔法と火魔法。
ミカエル様が、風魔法と水魔法と土魔法です。
マクシア様は・・・?です。この人に関しては、使えるか否かを考察中です。




