22.これは、不可抗力です。
メアリー様がチートなのは分かっているのですが、それ故に周りもチート化するのはいかがなものか悩んでいるポンタ楼。
そうすると、静かに歩きだすルナ様。これには、驚きが隠せない一同。しかし、不安が隠せないのも事実です。ルナ様が進む場所まで、私達もついていく事にしました。お口はミッフィーです。
そうして、洞窟の外まで出ると、そこは近くに大きい屋敷がありました。屋敷の中まで、入りましょう。
『ルナ様、屋敷の中まで入ってください。』
洞窟を出て、歩みを止めていたルナ様に命令します。勿論、お口はミッフィーで。そうすると、悪い事をしたと言わんばかりに、ヒナタが事情を説明します。
「ここ、マクシアの家なんだよ。マクシアが家の近くに、不思議な洞窟を発見した!とか言うから、俺達も同行した訳。」
ふーん?
それだったら・・・。
『ルナ様、マクシア様の自室まで行ってください。そして、ベッドで横になって、お休みなさい。』
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ルナ様が命令通り、マクシア様のベッドでお休みしている最中に、ルナ様の魔法回路をお治し致します。レイナ様が、顔をしかめます。
「・・・うーん。かなり、魔法回路が使えなくなっているわね。これは、生活魔法を使うにも、日々の生活に困難が伴うかもしれないわね。」
ラファエル様は文句を言う。
「てか、てめーが贈ったネックレスが原因じゃねーかよ!」
「う・・・。それを言われると、良心が痛む・・・。」
私は、彼らの意識を逸らすように、唄う。
曲名は、前世のアメージングで、グレースな歌です。流石に、皆が分からない言語で唄いましょう。
そうすると、少しずつルナ様の魔法回路が回復していく。そして、唄い終わる頃には術式の解除も完成しておりました。しかし、想定外の出来事が起きました。途中で、ヒナタが『この子、属性魔法が使えねーのかな?』とか思いやがった事ですよ。それによって、私がアリシア様に行った魔法導入と同様の効果が現れました。私の歌声で魔法回路を回復していき、同時に闇魔法の解除の並行してたので、思いっきり属性が光魔法と闇魔法に傾きましたよ。そして、ルナ様が手に入れたのは、光と闇属性の魔法。これ、身体に馴染むのにかなりの時間がかかりますね。バカ兄貴。
唄い終わったら、拍手と歓声が鳴りやみませんでした。まぁ、前世では、声楽部に所属していましたから、それなりに上手いと自負している。
「メアリー様、とてもお上手ですわ!!ルナ様の魔法回路が綺麗に元通りに、いえそれ以上に滑らかに動くようになっていますわ!!」
「メアリー、君はどれだけ僕を夢中にさせれば、気が済むんだい?今以上に惚れてしまったよ。」
「流石、私の天使様!とてもお美しい!!私と結婚を・・・。」
「メアリーお嬢様。とても素晴らしい能力です。貴方は光魔法も手にしたのですね。」
「流石、リンリン。唄う事には誰よりも情熱的だよねぇ。」
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途中の声は無視しました。私は、話題転換をします。
「でも、ルナ様・・・可哀想です。頂いたネックレスが粉々になってしまうなんて・・・。」
「・・・ネックレス、新しいの買おうかな。」
マクシア様がしゅうんとしょげてしまいます。ラファエル様とルーマ様がため息をつきながら、マクシア様に注意喚起をします。
「でも、こいつの選んだ奴って大概じゃねー?センス皆無だし、買ったら買ったで、問題ある奴しか選ばねーし。」
「それについては、ラファエルに同意だね。一緒に選びに行こっか?」
でも、本当に、私の魔法は解けているのでしょうか?心の中で、命令してみましょう。
『ルナ様、起きてください。』
そうすると、パチッと目を覚ますルナ様。えぇ、と?これは、どっちですか!?もう一回、命令してみましょう。それで、判明するはず・・・というか、魔法は解けていると思うんですけどね!
『ルナ様、マクシア様の頭を撫でてください。』
そうすると、ルナ様は起き掛けなのにも関わらず、一心にマクシア様の頭を撫で続けます。・・・嘘デショ!?後遺症として、術式が残っているんですかー!?これは、まずいです。
『ルナ様、結構です。自分の意思で、動いてください。』
そうすると、マクシア様の頭に手を置いている事に気が付くと、ルナ様は顔を赤くして、謝罪の言葉を述べられる。
「申し訳ありません!!マクシア様の頭に手を乗せてしまって。」
マクシア様を除く一同はルナ様の言葉に違和感を覚える。一番に反応したのはルーマ様だった。
「頭に手を乗せていたってよりは、頭を撫で続けたよね・・・?」
アッー!?やめてくださいー!?私は、好きで命令していた訳ではなくてですね・・・。いや、言い訳に過ぎないですか。しかし、術式が残っているのは本当にどうしましょう?
またしても、チートが増えていく。




