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21.新しい能力と。

というか、とりあえず強いです。流石は、“先代の悪しき魔女”シャルル・フィン・クライバー公爵令嬢。乗っ取った身体でもその力は顕在する。何度も、魔法を発動させる。属性魔法も普通にこなす。でも、ルナ様は属性魔法を使用できないお方。そんなに、属性魔法を連発されたら、身体が持ちません。早く、お助けしなければ、それこそ本当に死んでしまいますよ!



私ですら、防御に徹する事しか出来ないなんて。マクシア様が混乱をしていますね。でも、この場合、意味も分からず、連れてこられた私達の方が困惑するんですけどね。寧ろ、ミヒャルド様は冷静に分析します。



「つーか、これどうなっているんだ!?」

「寧ろ、こちらの台詞なんですが。でも、前に似た事例を考えますと、この場所、あるいはルナ様が身に着けていらっしゃるものが、“悪しき魔女”の愛用していた持ち物で、身体が乗っ取られているのだと。」


ヒナタは冷静に考える。


「というか、属性魔法?を使えない人物が思いっきり属性魔法を使用しているけど、身体、持つのか?」

「はっきり言って、無理ですわね。早いところ、原因を突き止めないとですわね!」


・・・はっきり言っていいのでしょうか?確実に、マクシア様のせいだと思われてしまいます。果たして、それはいい事なのでしょうか?この事態に、ようやくランドール様が動き出します。



「・・・そう言えば、いつ“悪しき魔女”が復活してもいいように、対策が練られていました。この先祖代々から受け継がれてきた宝刀で斬りましょうか?」

「それ、確実に、ルナ様のお命もなくなってしまいますよね!?」



ランドール様は腰に下げている剣に手をかけ、容赦ない一言。つい、ツッコミを入れてしまいました。本当に、それどころじゃないんです!もう、記憶を書き換えたいところですよ!!



:(;゛゜'ω゜'):



それです!!書き換え(リライト)してしまえばいいのです。ルナ様にかけられている術式を書き換え(リライト)です!“悪しき魔女”の能力を持つ私なら、“先代の悪しき魔女”から私に、術式をかけている人物を変更してしまえばいいのです!そうすれば、解除(ディスペル)が出来る。



早速、書き換え(リライト)開始!



私は走って、ルナ様の元へ駆けていく。他の人達は、何をするか、分からない私を守ろうと援護してくれます。特に、ヒナタの援護射撃はとても助かりました。攻撃を一気に引き受けてくれたのです。ガチャスキルより便利な能力ですね。イメージ構想力という能力。



私は、触れるだけの距離に近付いたら、一瞬だけ、加速(アクセル)で、秒速行動。ルナ様の瞳を覆うように手を重ね、一瞬のうちに術式の書き換え(リライト)。流石に、高度な技術で書かれていますね。でも、何千、何万通りのパターンを試して、術式の書き換え(リライト)成功!



そして、私は叫びます。



「ミヒャルド様、レイナ様、アリシア様!!レイナ様に最大の光魔法をかけてください!!そうしたら、ルナ様から何かしら黒い靄だの何か出現すると思います!ランドール様は、その宝剣でそれを叩き斬ってください!!」



私の凛とした声に緊張が走る。三人は魔法をかける準備をする。ランドール様は走ってルナ様・・・というよりは、私の方に向かってきている気がしますが、宝剣を持ち、いつでも斬れるよう臨戦態勢です。そして、三人は最大の光魔法を、ランドール様はルナ様から出た黒い靄を叩き斬って、その間に、私はルナ様の身体の主導権を奪います。



黒い靄は悍ましい悲鳴を上げ、人の形になりました。“先代の悪しき魔女”、シャルル・フィン・クライバー公爵令嬢の姿なのでしょう。皆さんはそれに驚きが隠せない。



『ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!!?』



そして、悲鳴を上げ続けながらも、容赦なくランドール様は黒い靄を叩き斬って形がなくなるまで、斬り続けました。・・・正直、怖いなと思いました。



黒い靄が消えると、ネックレスの宝石がパリンと音を立てて、壊れる。ランドール様は一仕事を終えたように、汗をぬぐいます。そして、私に抱き着いてきます。



「メアリー。本当に、君は無茶な事をするよ。大丈夫。今度からは僕が守ってあげるからね。」


それには、ミヒャルド様もミカエル様も怒り心頭の様子で、私からランドール様を引き離してくれました。ありがたかったです。



ヒナタは未だに冷静に対応する。



「でも、まだ操られている。瞳の術式が刻み込まれている。」



嫌なとこ、突いてきますね。


「とりあえず、ここから出ましょう。ルナ様の対応はその後でもいいでしょう?」


ラファエル様の一言。


「いや、お前、解除(ディスペル)出来るだろ?」


貴方も嫌なとこ、突いてきますね。しかし、これには微動だにしないルナ様の様子を窺っているレイナ様が反対する。


「これ、凄い高度な技術で書かれてて、すぐには解除(ディスペル)出来ないですわよ。どうにかして、彼女を別の場所へと連れて行って、ゆっくりと解除(ディスペル)していきましょう。」


私は、静かに、心の中でルナ様に命令します。


『この洞窟を出てください。()()()。』

ランドール様の行動が予定と狂いました。

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