20.不可抗力になるのだろうか。
「ルナさん、ってどなた?」
アリシア様は疑問に思います。私も少し疑問に思いましたが、マクシア様の婚約者だと気付き、ライバルキャラにそういう人いたなと、ふと思いました。しかし、時計が示した意味は何なのか。皆さん、今の光景を見てしまいました。しかも、強度が高いものです。この未来は変えられない。・・・根本的な事は・・・ですね!つまり、どう足掻いてもルナ様は、“悪しき魔女”に身体を乗っ取られてしまう。それはどうにもならないようです。
アリシア様の疑問に答えるラファエル様。
「ルナって、確かマクシアの婚約者だろ?」
「あいつもこの婚約、乗り気じゃないみたいだけど。」
ルーマ様は補足説明をされる。その情報、もっと聞きたいですね!マクシア様、何故・・・って、元々自由奔放なお方で、縛られるのを嫌がりますから。だから、家出を繰り返すのです。なのでしょうか?
ヒナタは意外と鋭いところがありました。ヒナタは時計が変な動きをしていた事に気付いたようです。時計が赤く点滅していたのです。
「今、この時計赤く点滅してなかった?」
こう聞いても、一同は映像に集中していて、答える者はいませんでした。私を除いて。
「確かに、時計が赤く点滅していましたね!・・・もしかしたら、未来を見たとしても、未来が変わらない、という事でしょうか?」
「そうなのかもな。強度が高い未来もあるよな。きっと、俺達?じゃ、ルナって人を助けられない。」
「まるで、私がいれば何とかなるとでも?しがない公爵令嬢ですが?」
アリシア様が頭を抱える。その様子はやけになっているともとられる。
「よく分からないけれど、今度はルナ様を救い出せばいいって事でしょう!!」
「・・・私は、出来るなら、巻き込まれたくないですわよ。」
レイナ様がふと呟く。それには、激しく同意しますね。それでも、絶対にヒナタは私達を呼ぶ。それだけのチート能力を秘めている。ガチャスキル以外にも、イメージ構想力という能力を得ているのを確認しました。イメージがそのまま現実になる。少年漫画がとても好きなヒナタは絶対に空間を無視した魔法を展開するに決まっている!!
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自邸に戻った後、数日後。
ランドール様が自邸にいらした。正直、鬱陶しいと思いました。そして、何処で聞いたのか、知りませんがミカエル様も自邸にいらした。ド修羅場でした。
「メアリーは僕のものなんですよ!」
「彼女は私の天使!私が頂くに決まってる!」
「メアリーお嬢様は誰のものではございません。お二人とも、お帰り頂けると幸いです。」
レイナ様は、殿方の諍いには目もくれず、抱きついてくる。そして、未来予知の通り、私達の下には黒い靄が現れて、それに気付いた時には、黒い靄の中に身体が沈んでいった。周りの皆も。
ミヒャルド様が叫びます。
「何で、私達が巻き込まれるハメになるんですか!?そこは変えられた未来でしょうに!」
そして、気付いた時にはあの洞窟に着いていました。捕捉で衝撃を和らげる。流石に、王子に怪我させる訳にはいかない。
ヒナタは呑気そうにその様子を見ていた。寧ろ、私達の到着を待っていたかのように。
「おー。ちゃんと、呼べたわ。」
「予測不能を使わないで頂けます?何故、国の王子まで巻き込むハメになっているんですかー!?」
ランドール様とミカエル様は困惑気味です。そうでしょうよ。ここからは未来予知では私は、唄う事になっていましたが、流石に、未来を変えてもいいでしょう?というか、原因追究とでもいきましょう。
記憶を覗きましょう。
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「これ、誕生日プレゼントに。」
「まぁ、嬉しいですわ。」
マクシア様はルナ様に赤い宝石が付いたネックレスを贈る。ルナ様は嬉しそうにネックレスを受け取ってしまう。しかし、ネックレスを受け取った後、ルナ様は頭を抱える。けれども、その様子を見ている者は誰もおらず、そこで、ルナ様の記憶が途切れている。
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・・・!?これって、マクシア様のせいじゃないですかー!?マクシア様の贈ったネックレスが原因じゃないですかー!?しかも、私達が強盗犯を捕まえる事件があった日ですよ!?変えられる訳もありませんでした。・・・私が、時間移動をしない限り。なんていうものを、贈っているんですか!!
しかし、身体を乗っ取られたルナ様は爆発で衝撃を与える。ちょっと、こんな場所でそんなのを使ったら、洞窟もろとも壊れてしまいます!
私は防御壁を使用して、最小限のダメージで抑えました。これに、驚くのはマクシア様です。
「ルナは魔法を使わないぞ!?何で・・・。」
・・・?この展開、前にも見ましたね!ルナ様は魔法が使えない事で、主人公に劣等感を感じつつも、冷たく当たっていましたね!この展開、少し読めてきました・・・。




