01 始まり
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ここは何処だろう。
ぼやける意識の中、俺は目を開ける。
周りを見渡すが何も無い。
だが、奥を見ていると吸い込まれる様な謎の感覚になる。
白一面の行き止まりが見えない世界……いや、部屋だろうか。
どうやら謎の場所に俺はいるらしい。
「というか俺……死んだんだよな……。」
とりあえず頭の中を整理してみる。
「トラックに跳ねられて死んだ。」
うん。
実に簡潔で簡単な説明だね☆
……ふぁ?
いや、普通に考えておかしくない?
だって……え?今俺がここに居るって事は……俺、生きてる?
……いや待て、そう断定するのはまだ早い。
まだ俺が小さい頃の記憶だが、俺の母親が病気で死んでしまった時、親戚の人が死後の世界に行ったんだよ。と言っていた記憶がある。
余談だが、俺の両親は俺が産まれる前に離婚して母の手一つで中学校入学まで育った。
その後、親戚に引き取られ、今に至ると言う訳だ。
まぁそんな事は今重要では無い。
つまり、ここは死後の世界というこ───
『いいや違うよ。』
エコーがかかったような、一言喋るとやまびこの様に何重にも何重にも重なった声で言葉が聞こえる。
そんな声と共に、ぼやけた姿の人型の何かが突然現れる。
『やぁ、驚かせたかな?』
何か含ませる様な口調に不安感を覚えるが、どこか笑みをもった口調で喋りかけてくる。
「えーと……貴方は?」
現れていた時から疑問に思っていた事を聞く。
まさか死神とかの類だろうか。
『僕かい?僕は君を応援する者……と言っても分からないよね。僕はヒトガミ。世界の始まりと終わりを司る神……かな?』
何故か疑問形で言う事に疑問を持つが、ヒトガミと言うぐらいなら神なのだろう。
だが、そんな神様が俺に何の用だろう。
「あの、神様は僕に何の用でしょうか……?」
『様と呼ばれる程たいそれた者じゃ無いよ僕は……。あっ、用って言うのは僕の世界で生きてもらおうかと思ってね。』
えーと、つまりどう言うことだってばよ?
俺死んでなかったっけ。
「つまりそれはどういう事でしょうか?」
『まぁ簡単だよ。君が住んでいた惑星よりは環境面でも悪いけど、魔法とか魔物が居る世界で住んでもらうって事だよ。』
んん?もっと分からなくなったぞ。
「えーと……」
『まぁ分からなくてもしょうがないよ。君達の世界で言う転生に近いかな?要はもう一度生きられるって事で君が望んだ事だよ?』
……っ!?
やっぱり神だからだろうか。
そんな事も分かってしまうのか……。
『いや、普通には分からないよ。だけど僕は君をずっと見てきた。だから強い気持ちは僕にと伝わるんだよ。』
「ずっと見てきた?」
反射的にそう答えてしまう。
それもそうだろう。こんなヤンデレ的な言葉を言われて疑問に思わない人は居ないだろう。
『そうだよ。神様だからね♪まぁそんな事は置いといて、君に僕の世界へ招待しようと思うんだけど……どうかな?』
神様だから。
とても便利な言葉に思う。
しかし今はそんな事はどうでもいい。
重要なのはもう一度生きられるという事だ。
ヒトガミが、言っているのは悪い話では無い。
それ所か、最高に良い話だ。
だが、魔物が出てくるって事は死ぬ可能性が高いって事だ
最低でも、俺が読んだ本限りではそう言っていた。
しかし……
俺の答えは一つに決まっている。
「はい。招かれましょう!」
『じゃあ答えは決まったね。あ、そうだ。一つ聞きたいんだけどいいかな?』
「何ですか?」
『君の安全を考慮して森の中に召喚するよ。君はもし、自分と違う姿をしている人が虐められているのを見たらどうする?』
何故だろう、少しヒトガミの口調が暗くなった。
先程までは陽気に話していた事もあってか不気味に思う。
俺はこう答える。
「勿論、助けますよ。」
俺は笑顔でそう答える。
自分は助けられる様なたいそれた者じゃ無いけど、助けたい……こう思うのは、駄目だろうか。
『なら、安心して世界を任せられそうだね……。』
ボソッとヒトガミは呟いた。
少しヒトガミが嬉しそうにしてるのを顔は分からないが感じ取った。
『では行くよっ!汝は我が子となり世界の理を超越し、神の民とならん。行け我が子よ。送れ我が子達よ。今狭間の魂から解放せんと。 』
ヒトガミが言葉を放った瞬間、俺の内側から光がポツポツと輝きを放つ。
そして、光が身体全体に覆われた瞬間、意識がそこで途絶えた。
『様々な試練が待ち受けるだろう。様々な苦しみが汝を襲うだろう。だが負けないでくれ。打ち勝ってくれ……頑張れ。僕の英雄』
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