00 プロローグ
久々に書いたので上手に書けたか分かりませんが、分かりやすく読めて頂けたら嬉しいです。
死にたい……。
こう思う様になったのは、いつからだろう。
小学生の頃には死にたいなんて思った事は無かった。
いや、1度や2度はあるかもしれない。
しかし、ここまで思い始めたのは思い返してみると、中学生の頃からだ───
中学一年生に上がると共に、新しい仲間との出会いがある。
最初は楽しくやっていたつもりだ。
何気ない日々。下ネタで笑い合う日々。一つの行事で、一致団結した日々。
そんな日々を俺は楽しく思っていた。
一学期までは。
二学期になると、友達とも慣れ、喧嘩が起こり始めて来ると言う。
その通りだ。
俺はクラスの中心人物ともある人と口喧嘩になり、殴り合いの喧嘩へと発展した。
その頃からだ。
俺が虐められる様になったのは……。
俺は太っている。
『デブ』と言うまででは無いが、太っている。
そして、俺の容姿で遊んで『豚』というあだ名が付いた。
最初はそんな言葉、悪口に対して反対してくれる友達も居たが時間が経つにつれ段々と俺の仲間は居なくなり、遂には口も聞いて貰えなくなった。
そんな事が続き、三年間を過ごす。
この3年間で俺は猛勉強した。
寝る暇も惜しんで勉強をした。
ゲームや携帯電話を触る事も我慢して勉強をした。
数検、英検、漢検。
取れるものは全て取った。
何故ここまで俺が勉強をしたか分かるだろうか。
俺はとにかく高校になって虐められたく無かった。
その為に、超難関と言われる高校に進学したかったのだ。
頭が良い学校になるほど、イジメは少なくなる。
と思っていたからだ……。
しかし、そんな事は無かった。
いや、中学校の頃よりは確実に減った。
だが、全て無くなった訳では無かった……。
そんなこんなで今に至る。
悲劇が起こった。
クラスの女子のリコーダーが無くなったという事件が起こった。
誰のせいかは分からない。
だが、全て俺の責任にされた。
勿論抵抗した。
拳では無く、口で。
だが、いくら訴えても皆は俺を敵にしたいらしく、俺を責めた。
先生に目で訴えるが、早く謝れと言った様な表情で俺を見つめてくる。
駄目だ……俺に仲間なんて居ないんだ。
この時、改めて、強く。そして強く思った。
死にたい
と。
放課後、先生に呼ばれ職員室に行った。
「やったの……お前なんだろ?」
先生は小声で周りに聞こえない様に言った。
駄目だ……先生まで俺の事を犯人と思っている。
「……違います。僕はやってません。冤罪です!俺はやってないんです……。」
段々と声が小さくなっていく。
目がブワっと急に熱くなる。
俺は職員室を飛び出し、教室へと走る。
「おい!!」
先生は叫ぶが、今の俺には聞こえない。
教室に置いてあるバッグを背負い、昇降口へと走り出す。
靴を履き替え、家へと走る。
俺はやっていない……俺はやっていない。
誰かが俺を犯人に仕立て上げようとしているんだ……そうだ……。
俺はやっていない……!
下を向き、涙が出てくるのを堪えながら俺は走る。
今ならいくらでも走れそうだ。
走ってこの悲しみを消したい。
クラゲの様に、何も考えずにただ、流れに乗りながらプカプカと浮かびたい……。
そう考えながら、走る。
無我夢中に走る。
死にたい……。
なんで俺なんかが生きてるんだろう。
なんで俺なんかが生きていていいんだろう……。
そうだ……生きていちゃいけないんだ……。
そう思った瞬間、後ろから大きな声で呼びかける声が聞こえる。
「危ないっっ!」
……え?
前を向くと、赤信号の横断歩道の丁度真ん中に俺は居た……。
横を見ると、物凄い勢いで走るトラックが居る。
キキィーッとトラックの運転手がブレーキをかける音が聞こえるが、もう遅い。
ドンッという重く苦しい音と共に、バキバキバキと骨が砕け、グチュッと妙に生々しい臓器が潰れる音が聞こえる。
少しの間の沈黙の後、キャァァァという悲鳴声が四方八方から聞こえる。
その声のお陰だろうか。
自分がトラックとぶつかった事を実感する。
……そして、俺の命がもう長く無いことも。
どうやら俺は死んでしまう様だ。
しかし今になって思う事もある。
高校に進学して、友達も少なからず居た事を。
そして、その友達との会話が思いの外楽しかった事も……。
こんな事を言うのは自分勝手かもしれない。
そして、絶対に叶う事では無い事も分かっている。
だけど……
まだ……生きたかったな
と。
遠のく意識から俺は、絶対に叶わない事を望んだ。嫌、望んでしまった……。
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