うちの猫は天然小悪魔
シオンは天才なのでしょうか?
初めて使うはずのスプーンやフォークを使いこなしている…。
「やっぱり、猫って嘘なの?」
「…あおいが使うのをずっと見てたから」
……シオンは頭が良い子だったんだね。
朝食を食べ終わると、食器を洗う。
シオンは日当たりの良い所に移動して、あくびをしている。
……なんだか、安心している私がいる。
今朝、起きた時はあんなに警戒していたのに……。
片付けを終えると、私はパソコンとにらめっこを始める。
昨夜投げ出したフラグをなんとかしなければいけないから。
「んー……」
「どうしたの?」
耳元で、低めの優しい声がした。
思わず固まってしまう。
「あ、昨日あおいが悩んでた所だ」
今の私は、フラグよりも大きな問題に直面しています!
ち、近い……。
いや、猫だから膝に乗せて密着はあったけれども、今は人間(?)だから意識をしてしまう。
シオンは頬ずりをしてきた。
「シ、シオン!あの…、あなたが本当に黒猫のシオンって認めます!」
「……?うん」
「だ、だから、その、猫の時は平気だった事も、人間になってするのは……その、緊張してしまうと言うか…」
ぎゅっ
「あおい、可愛い」
「!!」
シオンはあろうことか抱きしめてきた。
今、言ったばかりなのに!
「あおい……」
「は、はい!」
「ずっとこうしたかった…。あおいと出会った時に、あおいがしてくれたみたいに…」
……私がしたみたいに?
-飼いたての頃-
「シオンは可愛いなぁ…うりゃうりゃ」
シオンを撫で回して抱きしめる。
小さい心臓が、トクントクンと音を立てている。
可愛い私の家族。
ちゅっ
シオンの鼻先にキスをした。
ちゅっ
……今、シオンに鼻先にキスされた!!
しまった…私がやってた事をしてくるとは……。
「あおい、大好き」
シオンは私を抱きしめる力を強めた。
私は、どう返せば良いのか、わからなかった…。
ラブラブしてますねー(笑)
羨ましい!
お目汚し失礼しました。