一緒に朝ごはん
今回は短い作品です。
私が飼っていた可愛い可愛い黒猫のシオンは、朝起きたら人間になっていました。
……いや、そんなはずはないでしょ
でも、シオンしか知らない事もあったし……いや、でもこの現代で魔法なんて……
服の袖をくいっと引っ張る。
これはシオンのご飯食べたいの合図だ。
「あおい、お腹すいた」
いつもの小さい黒猫ではなく、私よりも背の高い黒髪の青年で。
「……ご飯って何をあげれば良いんだろう…?」
朝食を作っている間、シオンにはミルクを飲んでいてもらった。
もちろんマグカップで。
マグカップを落とさないように両手で持ち、チロチロと舐める姿は確かに猫っぽい。
「はい、出来たけど食べられるかな?」
トースト、スクランブルエッグ、サラダ
たぶん猫でも大丈夫なものだと思うけど…
あ、目がキラキラ輝いてる。
大丈夫なのかな?
「…いつも見てたんだ、あおいがご飯食べる時」
「ん?」
「あおいと同じご飯食べたいなって」
へにゃりと笑う顔が可愛いくて、思わず頭を撫でてしまった。
「?」
「…はっ!ご、ごめんなさい!」
トーストを手に取り
「冷めないうちに食べよう!」
私は、揺らいだ心を誤魔化すようにトーストをかじった。
読んでいただいて、ありがとうございます(*・ω・)*_ _)ペコリ
猫だけど、人間になったから食事もなんでもOKなんですね、たぶん(笑)
お目汚し失礼しました。