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いじめられっ娘と下克上選挙  作者: 沖マリオ
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やはり天才は注目の的

「さて、どうするか……」

 俺は帰宅後、自室のベットに寝転びながら今後について考えていた。

「まずは、目黒を説得しないといけないんだが……」

あいつが何に怒っていたのかが分からない。あいつの怒り出す前の行動から考えると、おそらく俺が目黒のことで怒り、会長に啖呵を切ったことを迷惑がって怒っているわけではないだろう。なら、考えられるのは俺の言動だが……

「ダメだ!一体なんで怒りを買ったのか分からん。」

じっと天井を眺めながら、目黒が何を思っていたのかを考えるが、まったく答えは出ず、考えるうちに気づけば意識を失っていた。


 翌日、いつも通り登校すると、周りの様子が少し違っていた。

昇降口の前で人だかりができているのである。一体何事かと強引に列の最前列まで行くと目の前には一つの掲示物が張られていた。内容を確認して、ようやく人だかりの原因を理解した。

「まさか、この人だかりの原因が俺とはな」

人だかりの中心にある掲示物―校内新聞を再度みて思わず苦笑してしまう。

「おい、生徒会長に啖呵切った奴がいるらしいぞ」

「なんか会長と選挙で勝負するらしいよ。」

 新聞には昨日俺が会長に反抗し、選挙勝負を申し込んだことが詳細に書かれていた。

 昨日の今日でもう記事を書きあげてしまうとは、さすが、エリート高校の新聞部だ。

 昇降口に張られていた掲示物は各教室の前等学校中に張られており、どこへ行っても注目を浴びていた。うちの学校では何か大きな出来事が起きるとすぐに校内新聞が作られ、翌朝にはこうして掲示される。うちの新聞部は仕事が早い。俺は休み時間、暇つぶしに一人で廊下をブラブラしながら、たまに校内新聞を目にしている。さて、今回の評判はどうだ?周りの会話に耳を傾けてみた。

「この宣戦布告した戸越って誰だよ。」

「なんか2年1組の問題児らしいよ。」

「えー!でもこの人毎回テスト毎回上位じゃない?」

「しかも、部活はやってないのにどのスポーツも上手いらしいよ」

「ていうかその人どこが問題児なの?」

「なんかすごい自己中でいつも周りを見下したような態度取ってるらしいよ」

「そうそう、先生からもかなり目つけられてるらしいんだけど、勉強はできるから先生も取り扱いに困ってるんだって。笑」

 早くも有名人だな。まぁ俺の完璧さを証明する数々の実績から考えれば当たり前のことではあるがな。

「でも、この人友達いないんでしょ?」

「確かに、いつも一人でいるよね」

「ぼっちが生徒会に喧嘩売るとか 笑」

「まぁ、性格は悪いしね」

 ……どうやら、俺にはアンチが多いらしい。しかし、逆に考えればアンチが多いということはファンが多いということ。……俺のファンたちは噂話はしない物静かな人が多いようだ……アンチ共から叩かれ続け、俺の心のライフポイントが赤色になろうとしていた。「天才とは脆いものだ」という噂は聞いていたが、どうやらこの噂の信ぴょう性はかなり高いらしい。

 それから、一日中授業を受けていても、休み時間に一人窓の外を眺めていても常に周りの注目にさらされ続けた。


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