プロローグ
はじめまして。tankiと申します。
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「おい、戸越、一緒に帰ろうぜ。」
授業が終わり、一人帰ろうとする僕にクラスの中心人物が話しかけてきた。その後ろには数人の男子生徒が並んでいる。
「…うん、わかった…。」
僕は渋々誘いにのり、自分のランドセルを手に持った。
「よし、じゃあ俺達のランドセル持ってくれよ。」
「じゃあ、俺のも!」
「もちろん、俺のもってくれるよな」
一人の生徒が言い出したのを皮切りに他の生徒も次々言い寄り、僕の返事も待たずランドセルを押し付けてくる。
このクラスではよくある光景である。
「いや…こんなに持てないよ…」
僕は愛想笑いを浮かべて恐る恐る答えた。
「なんだよ。これくらいいいじゃん!友達だろ?」
「そうだよ!友達ならできるよな!」
男子生徒達はニヤニヤ笑いながらそう返答してきた。
「で、でも…」
僕が言い淀んでいると、再び中心人物が前に出てきた。
「いいから持てよ!調子乗ってると友達辞めるぞ 笑」
こんなの友達じゃないことはわかっていたし、これがイジメであることも理解していた。それでも、体が小さく力も弱かった僕は怖くて彼らを拒めずにいた。
しかし、いつかは言わなければいけない。その「いつか」っていつだ?
僕は自問自答しながら、なぜか今言わなければ二度と言えない気がし、覚悟を決めた。
「…その程度で終わる友達なら…僕はいらない。…こっちから願い下げだ!!」
「…はぁ?お前何調子乗ってんの?」
「ぶっ殺すぞ、こら!」
予想通りその後はクラスの連中にボコボコにされた。そして、これまた予想通り周りにいた生徒も見ているだけで誰も助けてはくれず、僕は飽きるまで殴られ続けた。
殴られながらその光景を見て僕は、いや俺は決意した。
他人は信頼できない。自分だけを信じて、自分の力だけで生きていこうと…