そこに魂は宿らない
ややデリケートな話題かもしれません。
「ふざけるな!」
そう言って私の作品はゴミのように扱われた。
「お前! この作品はAIの手を借りただろう!?」
事実だった。
けれど、全てではない。
AIはあくまで補佐的なもので……。
「言い訳はやめろ!」
先生はそう言うと机に手を叩きつけて叫んだ。
「いいか! AIは確かに便利だ! しかし、そんなものを使えば魂は宿らない!」
事実だと思った。
けれど、補佐的に使った部分はあれどそれ以外の場所は確かに私は心血を注いだ。
「馬鹿が! 一片でも魂を抜いてしまえばそれはもう作品ではないんだ!」
ぐうの音も出ない。
いや、出してはいけないのだ。
「まったく……! 見ていろ! これが作品に魂を宿すということだ!」
そう言って先生は『手本』を見せてくれた。
――数百年前なら職人が生涯をかけて仕上げた道具を再現した『量販のツール』で。
先生の魂がそこにあったかは分からない。
とりあえず、私は今後も『便利なもの』は使い続けるだろう。
少なくとも私は魂を込めているから――自分だけは騙すわけにはいかないから。