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「青春」についてのお勉強。

作者: エンゲブラ

しいなここみっくすさんの企画参加エッセイ。

お題は「青春」。


「青春」には、実は「仲間」がいる。

朱夏しゅか白秋はくしゅう玄冬げんとう」である。


青い春、赤い夏、白い秋、黒い冬。

これらの色の設定は、五行の思想から来ている。


年齢と段階でいうと――


・木気の春は、15~29歳を表し、「成長・発展」

・火気の夏は、30~44歳を表し、「盛り・頂点」

・土気の土用は、45~59歳を表し、「安定・転換」

・金気の秋は、60~74歳を表し、「収穫・成熟」

・水気の冬は、75歳以降を表し、「衰退・終息」


―― といった具合だ。


色は「黄色」だが、土行には色付きの呼称がない。

それは「土用」が、年四回の「季節の変わり目の期間」のことであるため。漢詩においては「黄土おうど」「黄中おうちゅう」といった言葉も稀には出てくる。だが、呼称として定着するまでには至らなかった。ちなみに土行の方位は「中央」に位置し、四方に青龍(東)、朱雀(南)、白虎(西)、玄武(北)が鎮座するのも、五行思想から来ている。


挿絵(By みてみん)


「蒼天已死 黄天當立(=蒼天すでに死す 黄天まさに立つべし)」―― 黄巾の乱において、太平道の張角が掲げたスローガン。事実、この乱は黄色い「土用」のような「転換期」の役割を果たし、動乱の時代=三国志時代へと突入する引き金ともなった。


ちなみに、実際の漢王朝のイメージカラーは「青」ではなく、まさかの「黒」。五行では「水徳」にあたり、皇帝の衣装や儀礼にも黒が多用され、「黒帝」の象徴ともなった。漢字の「漢」も「水」の意味(=さんずい)を含み、河川文明を象徴している。


だが、張角は漢王朝末期のこの時代を「蒼天」と呼んでいる。これは「蒼」が、古代中国において「正しい天」を意味したことから。要するに「正しい天が不在の混迷の世だから、俺らが反乱起こすね」といった意味合いとなる。


―― 「青春」の話から、大きく脱線した。



北原白秋や、種田山頭火(※)などは、もろに五行説から、そのペンネームを付けているのが、面白い。他にもこういった名前の著名人がいたら、誰か教えて!

(※)「山頭火」は、十干十二支じっかんじゅうにし(=六十干支ろくじっかんし)と五行を組み合わせた納音なっちんから。ちなみに筆者は「霹靂火へきれきか=カミナリ」である(ヘウレーカではない)。


あと「玄人」で「くろうと」と読むのも、玄の「黒」の意味から来るのだろう。

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― 新着の感想 ―
凄い! 私のバカな頭が追いつかない!
北原『白秋』もここからネーミングをしたんでしょうね。 山頭火は、師匠の荻原井泉水も納音から俳号を選んでるので、真似たのかもしれませんね。 山頭火の生年からすると別の納音らしいんですが、30種類の納…
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