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神様はちょっぴりご不満?
「……えっと、すみません神様。ちょっと、仰有っていることが良く分からないのですが……」
「ん? 分からないとはどういう……おお、すまぬすまぬ。源氏物語というのは、平安時代の中期に紫式部により――」
「いやそれは分かっとるわ!!」
いや流石に分かっとるわ!! むしろ『源氏物語ってなあに?』ってなる方が難しいわ!! ……いや、どこまで内容を知ってるかはさておき。
「……いえ、そうではなく……どうして、源氏物語の筋書きを変えたいのかっていうのをお聞きしたかったんですけど」
そう、改めて尋ねてみる。よもや、日本のみならず世界的にも極めて評価の高いあの大名作にケチをつけようなどと……いや、まあ好みは人それぞれだけどさ。……いや、人じゃなく神様だっけ? まあ、どっちでも良いけ――
「……うむ、理由についてじゃが……何度も同じ展開を眺めるのも流石に飽きてきたので、たまには違う展開が見たいなぁと」
「いや知らねえわそんな都合!!」