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私と同じくらい?
「…………どういう、こと……?」
梅や椿が色とりどりに咲き誇る、広々とした雅な庭園――その中を流れる反射光の輝く池の前にて、透き通る水面に映る自身の姿に呆然と声を洩らす。だって、そこに映っているのは――
「……すっごい、綺麗」
そう、ポツリと呟きを零す。……いや、これだけ聞くとただのナルシストでしかないけど。でも、そうではなく――と言うのも、水面に映るは私ではなく、得も言われぬほどに優雅な美人で。それこそ、本当の私と同じくらいの……うん、ごめんなさいだいぶ盛りました。
ともあれ――彼の言っていた名前……あれは、どう考えても――
「――ほお、やっと気付いたようじゃな嬢ちゃん」