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恥ずかしいどころの騒ぎじゃないし。
さて、そんなこんなで一応無事に清涼殿へと到着した私。すると、心配そうな――それでも、たいそう嬉しそうな表情で私を迎えてくれる帝。正直、心配なら呼ばないでほしいという気持ちもなくはないが……まあ、そういうわけにもいかないのだろう、愛情というのは。それに、桐壺にしたって彼の深い愛情を支えにしていたみたいだし。
ともあれ――寝所にて、幾度も愛の言葉を浴びつつ夜を過ごす。心から言ってくれているのが、これ以上なくひしひしと伝わる真摯な瞳で。……うん、これは正直恥ずか……いや、嬉しくないわけじゃないんだけどね。
あと……帆弥の身体じゃないとは言え、こういうのって初めてで……その……うん、やっぱ止めよ。恥ずかしいどころの騒ぎじゃないし。