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そんなに意外だったかな?
『……それで、良いのか?』
二週間ほど前のこと。
願いを伝えた私に、少し呆気に取られた様子で尋ねる神様。……うーん、そんなに意外だったかな。帝――即ち桐壺帝が帝位に即かないよう、占いの結果を変えてほしいとお願いしただけなんだけどね。
と言うのも――当時の貴族社会において、占いは現代では考え難いほど絶大な影響を及ぼしていたから。例えば、本来なら帝の子息というやんごとなき身分であったはずの源ちゃんが臣下へと降下することになったのも占いが原因で……まあ、臣下でも十分に高貴な身ではあるんだけどね。