表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/124

願い

 すると、不意に届いた思い掛けない申し出にポカンと口を開く私。……えっと、願い? なんで?


「お主には、随分と楽しませてもらったからのう。この誉れ高きわしからの、ちょっとしたお礼じゃと思ってもらえば良い。

 ……まあ、願いと言ってもあくまでこの世界――源氏物語の世界にて、ある一部分を書き換えるとかそういった話でしかないのじゃが。そうじゃな……例えば、ある人物の位を大きく引き上げるとか」

「……いや、アリなのそれ?」


 そう、何とも白々しい口調で話す神様につい可笑しくなってしまう。いや、アリなのそれ? まあ、無茶苦茶なのは今に始まったことじゃないけど。……ただ、それはそれとして――



「……最後、か。やっぱり、もうお別れなんだね」

「おや、なんじゃ淋しいのかほのみん? わしとお別れするのが」

「……まあ、わりとね」

「……へっ?」


 素直にそう答えると、ポカンと呆気に取られた様子の神様。まあ、最後だしね。少しくらい素直にもな――


「……ふ、ふん。わしは淋しくなんてない、淋しくなんてないんじゃ!」


 すると、どうしてか私に背を向けそんなことを宣う神様。心做しか、その声は何処か湿りを帯びて……いや、なんのツンデレだよ。まあ、それはともあれ――



「……それじゃ、折角だし最後に聞いてもらおっかな。もしかしたら、思ってた以上に無茶なお願いかもしれないけど」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ