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日常

「…………はぁ」



 朧な月が空に浮かぶ、ある夜のこと。

 自室にて、本を片手にベッドに仰向けになる私の視界には見慣れた天井。私の日常と同じ、何の変わりもない白い天井で。


 ……別に、不幸ぶるつもりはない。むしろ、それなりに恵まれていた方だとすら思う。両親からは十分に愛情を注がれていたと思うし、経済面においても裕福とは言わずとも、別に不自由もない。それに、学校でも……まあ、それなりに面倒な相手もいるけど、一方では親友と呼べる友人もいて。


 だから、別に不幸でもなければ文句もない。……だけど、何かが……尤も、それが明確に何かとは言えないけど……それでも、何かが満たされない。どうしても、何かが――


「……まあ、言っててもしょうがないか」


 そんな暗鬱たる思考の最中さなか、ポツリとそんな呟きを零す。さながら、自分に言い聞かせるように。


 そう、言ってても仕方がない。普通に朝起きて、普通に学校に言って、普通に友達と遊んで、普通に帰ってきて、普通に寝て――うん、何の不満もないじゃないか。平和が一番、自分は恵まれているのだと今一度きちんと自覚しなくては。そう、これで良い……これで、良――

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