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保管資料室  作者: 黒薙神楽
タイトル不明
30/30

多分何かしらの作品のプロローグとして書いたはず。

なんですけど、忘れちゃったので適当に放り込んどきます。何の作品だったんでしょうか…

 『あ、死んだ。』


 その言葉が脳裏に過った最後の言葉だった。余りにもしょうもなくて、だからこそ、僕に似合っている。

 きっと僕の人生と言うやつは上映会をしたところで喜劇にも、悲劇にも成り切れない凡作以下の駄作扱いを受けるだろう。展開なんて山も谷もなく、ひたすらに下へ下へと落ちていくだけ。


 それでも、世界の何処かにいる恵まれない人たち(赤の他人)が経験しただろう地獄と比べれば大した事は無いように思えて。

 だから自分の心が擦り切れていても気付かずに生きていて。でもきっと、それは今にも切れそうな脆くて細い綱渡りだったんだ。だから精神的にも肉体的にも疲労が溜まっていた時に、人生の最後を迎えた。


 死因は、夕立で濡れていた階段で足を滑らせて頭から転落。歩道橋だったから幾つかの階段に頭をぶつけて連続多段ヒットで脳震盪やら出血やらして死んでしまった。



 …でも、この素晴らしい地獄から解放されるというのなら、願ったり叶ったりかも知れない。


 地獄に落ちても、楽しく暮らせると思う。


 ああ、周りの音が五月蝿い。


 救急車を呼ぼうとしてる? 巫山戯るな。死なせてくれ。


 声が出ない。でも、頭は冴えている。


 頭を打ったけど、だからか、走馬灯の代わりに考えが頭の中を駆け回っている?


 輪廻転生は嫌だな。もう魂レベルで死にたい。

 ああ、出来るならば来世なんて来ないで欲しい。

 苦しくて辛くて、やりたい事は忘れたな。

 理路整然は消え失せた。

 あの男は僕が死んで笑うだろうか? 怒るだろうか? でも泣きはしないだろう。そういう生き物のはずだ。

 異世界転生、憧れてたけど、どうせ変わらない人生になりそうだし、要らないや。

 もう良い。思考を放棄したい。

 頭の中で走馬灯に成り切れない何かが走っている。

 気持ち悪い目が此方を眺めている。いや、視界に収めている? 何故?


 …感想が欲しいの? 人生の最後の言葉の更新ってこと? 分かった。


 この死は僕にとってのメリーバッドエンド。

 傍から見ればバッドエンドだけど、僕の砕け散った後の残り滓はこの死を幸福と捉えている。

 僕が死ぬという不幸は、僕にとっては幸運だ。


 最後の言葉は…これが良いかな。うん……



 …さよなら、世界。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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