人外転生したんだから僕の意識を塗り潰して欲しかった
空が青い。それくらいしか考えられない。まだ、僕は生きている。体を動かして、空から木の下に目を向ける。あぁ、夢じゃないようだ。
だって、今の僕は翼が生えている。それが見えるから。ていうか真紅の翼じゃないか。凄く目立つよ、これ!取り敢えず、第二の生なんてものを手に入れてしまったんだからなるべく心が痛まないように生きていこう。
スタート地点が木の上なのはきっと空が飛べるからだろうね。そうじゃなければ態々こんな場所にしないだろうし。
鳥になって良かった。どうやら僕はちゃんと空を飛べているみたいだ。不死鳥の翼がもしかしたら飛べない飾りかも知れなかったから飛べて良かった。
後は…飛んでいるうちに、色々と神様的存在から知識が渡されていたようで、それが頭の中から引っ張り出されたようだ。
その能力は以下の通り
1:炎の支配。様々な効果を持った炎や熱を生み出し、操ることができる。攻撃にも防御にも使えそうだ。温度の最大と最低は10万℃〜26℃位。
2:飛行能力。鳥なんだから当然だろうとはなるけどさ、ソニックムーブ起きるくらい速く飛べるからね、僕。なんなんだろうね音速で飛べる鳥って。
3:不死身。不老不死ではない。それは良かった。永遠なんて生きてらんないからね。どんな怪我をしても直ぐに治る。身体が一切合切消えても復活するらしい。ちょっと怖い。
4:人化の術。神様らしき存在から貰った能力。チート能力は不死鳥が持ってるからいらないんだよね。これがあれば、記憶喪失のフリして人里に行けるかも…
こんなものかな。後は魔法に関する知識や植物・鉱物・魔物に関する知識があったから、早速美味しい木の実を魔法で見つけ出して食べた。甘くて美味しかった。
ここに関する知識は一つだけしか無かった。この場所の名前と大まかな地理位だね。【碧空樹窟】と呼ばれる場所らしい。名前がかっこいい。
また空を飛んでいると遠くからドラゴンが猛スピードで突っ込んできた。……え!
ゴウ!!
ソニックムーブと巨体を生かした突撃をしてきた黒いドラゴンは僕を粉砕していく。その後、即座に再生する。なるほどね。こういう感じで復活するのか。それじゃお返しにと炎を放つ。
極一点を超火力で燃やす火魔法の『灼炎小太陽』と僕の不死鳥としての能力を組み合わせる。ついでにカッコよくするために、名前を即興でつける。
「『滅火』」
まず最初にドラゴンの周りに炎の壁を作る。次に、炎の壁の温度を一気に増加させる。その後は徐々に小さく、熱くして最後は小型の太陽のようになったら炎を消す。
ドラゴンを灰にできたね。これで危機は去ったかな。安心安心…あれ?何で僕は粉砕されて痛かったはずなのに普通にしていられるんだろう。まさか、思考が変わっているのか?
でも、もしそうなら僕のこのマイナス思考も変えて欲しかったなあ〜残念すぎる。
もう少し空を飛んだらあの山の方まで飛んでいこうかな?