第93話 地図見ながら乗馬難易度高!!
「お姉ちゃんこのままいけば森抜けられそうだね。」
「馬の扱いに慣れてないから全く気が抜けなくて、旅を楽しむ余裕もないよ!!」
私たちは馬に乗りながら、森の中の道を進んでいく。
最初の方はアドバイスをくれたが、あとは慣れだとなったので今はとにかく集中タイム!!
疑似体験時に読んだライトノベルでは、こんなに苦労することなくすんなりと進めていたが、実際はこんなにも難しいとは……。
馬に指示を出しながらおにぎりでも食べられたらな……。 って正直思っていた……。
難しすぎる!!
集中していると最後の木が見えてくる。
それを超えればこないだ行った街がくっきりと見えるはずだ。
森からぬけると馬車に乗っている冒険者や、道を歩いている冒険者がいるはず……。
事故を起こさないようちしないと……。
私は唾を飲んだあとに手に力がはいる。
「お姉ちゃん緊張しすぎだよ!! 馬が緊張しちゃってるから少し歩きずらそうだよ。もっとリラックス。リラックス!!」
「リラックスって言っても、他の冒険者とぶつかったりしないようにしたりとか、もっと上手くならないようにとかでいっぱいいっぱいだよ!! サリアは大丈夫なの?」
「大丈夫だよ!! なにかあったらユンが教えてくれるからね。それに、冒険者がいたらユン達だって気づくから私たちが反応しなくてもしっかり避けてくれるよ。もうお姉ちゃんは心配しすぎなんだから!!」
「そう言ってもね……。」
心配性っていう性格はこういう時にとても厄介な性格になってくる。
もちろん全てが悪いという訳ではなく、事前準備等ではとても役に立つが私の場合はデメリットばかり出てしまう……。
もう少しサリアのような性格になりたいもんだな。
私は深呼吸をして少し落ち着かせてから森を出る。
前回も同じ光景を見たはずなのに、今回はまた違う風景に感じる。
これは、馬に乗っている分高くなっているおかげなのか?
それとも、緊張が走っているからなのか?
その他にもなんだか考え事をしてしまったので、馬の歩き方がなんだかぎこちない動きになってきた。
私は馬に手を当てながら
「ごめんね。大丈夫だから安心して!!」
そういうと、マウはブルブルブルっと顔を揺らしながら先程と変わらない動き方で前進していく。
ここで、ふとあることを思い出す。
地図を見て自分で方角を決めて移動来てね。魔法は使ってもいいよ……。
この状況で使えないし、そんな余裕すらない。とりあえず、少し止まった後に地図を開いて確認しないと!!
「サリア。少し止まっても大丈夫? 地図を見て行先を確認しないとだから。」
「確かに!! 森を出ることしか思ってなかったからつい忘れてたよ!! 今舗装されてる道を歩いているから少しだけ右に避けよっか。」
「うん!!」
そうして、私達はマウとユンに指示を出しと少し道からズレてもらった後に止まってもらう。
止まる時は一緒に止まらなくてはいけないので大変なのでは!! と思ったが、マウとユン自体でもコミュニケーションを取ってくれた為すんなりと止まることができた。
「ちょっとだけ待っててね!!」
「ブルブルブル!!」
私は地図を手に持った後に魔法を唱える。
「マッピング!!」
魔法を唱えると地図に、私たちがいる場所にマークが出現する。
そのマークは矢印となっているので、どちらの方角に進んだらいいか一瞬で分かる優れものだ。
しかし、地図の内容が小さく書いてあるので目的にまでの方角はわかるが、その道中にある街までは教えてくれない……。
少し不便だな……。
私は地図とにらめっこしているとサリアがあることを教えてくる。
「お姉ちゃんこっちの魔法じゃなくてマッピングディレクションの方がいいよ。これだと途中の街とかに行けなくなっちゃうからね。あっちだと共有とかもあるし色々と便利だよ!!」
「確かに!! 忘れてたよ。」
「お姉ちゃん……。」
「……。確かにマッピングディレクションあったわね……。」
後ろから聞こえてきた声であるお母さんも忘れていたのだろう。
マッピングディレクションはもしも学校に行った時に使ってもいいか分からないが今回は使うことにしよう。
「マッピングディレクション!!」
魔法を唱えると共に私の視点に矢印が映し出される。
これは私だけに見えているものになるので、こっちだよ!! 矢印があるからね!! とか言ってはいけない。
この魔法を知らなかったら頭のやばい方だからね。
その他にも地図が頭の中に入り、目的に行くまでにある街や村を教えてくれる。
地図はよくゲームなどで見るようなものが矢印同様に私だけの視点で教えてくれる。
この魔法の地図は持っている地図とは違い詳しいところまで記される上に拡大などといった便利なこともできる。
ほんと最初からこっちの魔法を使ってれば良かった。
もう一段階上の魔法もあるが、今は必要ないので使わないつもりだ。
そっちは、ARゲームのようにこの先がどうなっているか。がしっかりと頭の中に映し出さる上に移動もできる優れもの。
その分疲れるし、魔力も使うが魔物の大きさを知るには便利だろう。
「共有!!」
私がそう言うと私だけに表示されていた地図をサリアや他の方まで見えるようにしてくれる。
これはみんなの目をどうにかするという原理ではなく、地図を出現される原理の方だ。
ディスプレイがある訳ではないが、まるでディスプレイがここにあるかのように映し出してくれるし、動かすことができるので非常に使いやすい。
方角は、マッピングみたいに矢印で表示される形式になるので問題なし!!
本当に便利な魔法だな。
「とりあえず、右側の道なりに進んだら次の街があるみたいだね。」
「ね!! 今日中に行けないかもしれないけど、どこまで行けるのか楽しみ!!」
「地図に出てるけど、道中森とかないみたいだけど紗夜ちゃんが言ってたセーブシステムできるのかな?」
「そうだね……。」
「問題ないから安心してくれ。魔法で存在感を徐々に消した後に地面奥深くにうっすらと魔力を残すから問題ないよ。なにか罠が仕掛けられてるなんてエルフでも気づかないレベルのものだから。」
「「良かった!!」」
「二人とも頑張ってね!!」
「「はーい」」
そうして、マウとユンに移動の合図を送り道なりに戻った後に進んでいくのだった。
もうすぐ12月って早いですよね。
今年はあっという間に終わってしまった感じです。
残り一ヶ月も大切に過ごしながら皆さんに作品を届けられたらなと思います!!
【お知らせ】
これから二日に一回投稿です。
目標三月まで!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。