第89話 ピザ作りたいな……
私たちはご飯後に今後作るメニューを決めることになったので、料理本を取りに自室に戻った。
この料理本は絵が書いてあるので分かりやすい反面デザートや主食など別れていないのでバラバラによっている。
デザートだけでも分けて欲しかったな……。
私はそう思いながら自室から料理本上下を持ってきた。
これはただ単に私の期待なのだが、上・中・下では無いかと思っている。
一つにつき400ページぐらいの大きい本で一つの料理につき、見開き一ページが多い。
料理数は計450ぐらいだが、卵焼きと目玉焼きで料理数の二つ目が埋まってしまうレベルなのでなんとも言えない……。
あまり前の料理がこっちの世界では当たり前では無いからな。
私が持ってきた料理本を私とサリアで一つ。
お父さんとお母さんで一つ見て食べたいものを紙を挟んで後で知らせるシステムだ。
「お姉ちゃんはどんな料理が作りたいの?」
「そうだね……。最近は結構こってり系が多いからさっぱり系が食べたいかな?」
「さっぱり系? 」
「そう。さっぱり系でご飯に合う料理かな。後なにか良い食べ物があったら食べたいし。サリアはどんな料理が食べたいの?」
「美味しい料理!!」
確かになっと思いながら私たちはページをめくりながらメニューを見ているとあることを思い出す……。
人族の街にせっかく行ったのにオーブン見てない……。
やらかした!!
人族の料理ばかり目がいってしまってつい忘れていたけど、ピザを作る予定だったんだ!!
釜を作るか迷うレベルだったのになんで今の今まで忘れていたのだ!!
私は頭を抱えながら天井を見上げる。
その姿を見たサリアが急いで私に声をかけてくれた。
「お姉ちゃんどうしたの!! なにか変なことでもあった? なにか食べたい料理でも思い出したの?」
「大丈夫なの?」
「アリア……。」
皆が心配してくれているが、オーブンを見なかったショックとピザを一時でも忘れてしまったショックで立ち直れそうにないと思ったが……。
……。
待てよ。
自分たちで作った釜でピザを作ったらより美味しいのでは!!
オーブンなどなら値段が高い上にピザを作ってしまえばオーブンを占領してしまうから、釜を作りいい匂いをかかせた後にパン屋に売り込めばその後から作ってくれるのでは!!
そうすれば何時でもピザ食べ放題!!
決定!!
ピザにそっくりなパンはあったが、あのサイズではみんなで分けることができない。
それに、私が教えれば私好みの外カリカリのピザを売ってくれるはず!!
他の料理を作る為にオーブンはもちろん欲しいが少しだけ後回しにすることに決定した……。
待っててね!!
私のオーブン!!
「お姉ちゃん……。」
「大丈夫だよ!! ちょっとだけ考え事をしてただけ!! この本にピザがないか探してくれる?」
「ピザってお姉ちゃんがちょこちょこ作りたいって言ってるアレ?」
「そう!! アレ!!」
こっち側を私とサリア、向こう側をお父さんとお母さんで探して貰ったがピザの作り方は記述されていなかった……。
パンの作り方が何個かあるのでそれを見ながら作らないとかな?
私がどうしようか迷っていると何故か紗夜ちゃんが急に現れた……。
ほんとにどうして?!
私が紗夜ちゃんのことを凝視していると紗夜ちゃんが話し始めた。
「これがちょうどいい機会だから言おうと思ってな……。」
「なになに? お知らせすごい気になるね!!」
「紗夜ちゃんからのお知らせ……。なんだか怖いな……。」
身構えていると紗夜ちゃんが話し始める。
「実はな、その料理本を作ったのは私なんだよ」
「「えっ?」」
「人族の料理がなくなり始めた時に作った料理本なったんだけど、さすがに残すメニューが少なすぎたなっと最近みんなを見て思ってな。実際にこの料理本以外にも地域ごとにミニ料理本を作っていたらしく色んな料理が残ってるがな。みんなにはもっと色んな料理を作って喜んで貰いたいから、私が密かに作っていた料理本(完成版)をプレゼントするつもりだ。これは、疑似体験時に食べたことがある料理は大体は乗っている。日本酒やビールなどといった一般家庭では作らないものは載せてないから注意してね!! 邪魔したね!!」
「紗夜ちゃん!!」
そうするとまた紗夜ちゃんは消えていった。
机の上に紗夜ちゃんが出してくれた料理本があるが二十冊ほどある……。
これで色んな料理を作れるのは嬉しいけど、探すのが大変なんだよな……。
私はそう思いながら新しく出てきた料理本をペラペラをめくるが、今持っている本と同じような書き方だったので非常に分かりやすい。
それと、分類別に名前の順で乗っているみたいなのがとってもいい点!!
ありがとう紗夜ちゃん!!
「お姉ちゃんすごいもの貰ったね!! これでもっと美味しい料理が作れるけど、探すの少しだけ大変だね!!」
「探すの含めて楽しめそうでいいじゃないの!! これから美味しい料理が増えると考えると楽しみでしょうがないわ!!」
「そうだな。今までに出会ったことの無い美味しい料理を食べられるのか……。楽しみ!!」
みんなは喜びながら紗夜ちゃんが出してくれた料理本をペラペラとめくりながら楽しんでいる。
とりあえず、ピザの作り方を調べないとね!!
私はそう思いながらペラペラとページをめくりピザの作り方を見つける。
家にないのはドライーストと強力粉とオリーブオイル。
ドライーストの変えは何がいい分からないがパン屋で調達できるから問題なし!!
釜を作る時は紗夜ちゃんを呼んで教えて貰いながら作るから問題なし!!
うん。ピザは目の前だね!!
私は見つけたピザの作り方をみんなに見せるが、 「こないだパン屋で食べたものよね?」 と言った意見があった。
前食べたものはふんわりタイプだが、今回はピザなのでカリッと仕上がることを言うとすごい楽しみにしてくれた。
作るのが今から楽しみだよ!!
私たちは寝る前までリビングで料理本を眺めていた。
この料理本を自室に戻すのは大変なのでリビング内に本棚を作りそこに並べることに。
元々自室においてあった本に関しては自室に戻すことにした。
寝る前とかに寝っ転がりながら見る料理本は格別だからね!!
大好きなピザまであともう少し!!
久しぶりの投稿になりますが、何故か最後に投稿した88話が他の話数と比べてすごく読まれてます……。
最終話ではないからね!!
まだまだ続くからね!!
とりあえず三月まで二日に一回投稿にする予定です〜。
今度ともお願い致します!!
【お知らせ】
これから二日に一回投稿です。
目標三月まで!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。