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第84話 ソース屋の店主は……

 私たちは貰った地図を見ながら目的にに進んでいるが、街の中心部から少し離れたところにあるみたいだ。


 その家の隣には畑があるが栽培はしてないらしい。知る人ぞ知る調味料屋と言っていた。


 そんな場所を教えて貰えるなんて私たちはラッキーだな。


 私は家族にソースの凄さを語っていると、地図に印がついてある場所に到着する。


 たしかに、看板もなければ隣の家と何も変わらない。


 地図に畑と家セットが何個分のことろが家と書かれているのであっていると思うが、少し心配になる。


 一人ならこっそり帰っているが今回は、家族が一緒。なんて頼もしいんだろう。


 「お姉ちゃんここだよね? 看板も何もなしい。本当にあってるの?」


 「確かにそうね。地図ではあってるのよね?」


 「そうなんだけど……。とりあえず、中の人に聞いてみようと思うんだよね。」


 「それがいいな。」


 そうして、私はその方の敷地に入る。


 敷地は小さなおりみたいな柵で囲まれており、まっすぐに行くと家。


 右にズレると畑となっている。


 本当に何も育ててないな。


 土も何も植えられない状態になっている……。


 もったいない。


 私たちは家のドアの前までたってドアをトントンと叩く。


 「すみません。」


 「……。」


 「すみません!!」


 「ガタン!!」


 中から何かもの音がしてからしばらく待つと、人族の男性が扉を開けてくれた。


 男性はどこかの長老のように顎から白い髭を生やして、杖をついている。


 「なんか御用ですかな?」


 「すみません。ここでソースが買えると聞いたのですけど、合ってますか?」


 「おお!! エルフ種がソースの存在をしってくれているとは、なんと嬉しいことだか!! どうぞ、中に入ってください。狭いところですが、美味しいソースだけの自慢の家です。」


 「「ありがとうございます。」」


 そうして、私たちはおじいさんの家の中に入った。


 入るとすぐに2階に上がる階段があるが、そちらはおじいさんのプライベートゾーンなので1階のリビングに行って対応してくれる。


 リビングはソースが何本も置いてあると思っていたが、一本も置いていない上に普通の家族が食事するような風景……。


 ソースは一体どこにあるのか?


 「ソースだったな。」


 「はい……。どこにあるんですか?」


 「ちっと待ってな。」


 そうして、おじいさんは収納袋からソースを五本ほど取り出すとテーブルの上に置いた。


 その後は、キッチンに向かい私たちのお茶をよそって持ってきてくれる。


 「どうぞ。お座り下さい。冷たくて美味しいお茶です。ごゆっくり。」


 「「……。」」


 ソースを買いに来ただけなのに、なんでか分からないがおもてなしをされている。


 おじいさんは、キッチン近くにある椅子に座りながらキッチンに置いてあるコップでお茶を飲み始めた……。


 なんだこの空間?


 そんな時、隣にいたサリアが私の耳元で話しかけてくる。


 「お姉ちゃん。怪しいよ、このお店。ソースを出したと思ったらお茶を出てくるし、ごゆっくりって言うんだよ。ソースしか販売してないのに。絶対にこのお茶何かあると思うんだけど、毒とか入ってないっぽい。魔法で確認したんだけど、普通のお茶。なんでかな?」


 「そうだよね。何か試されているのかな? とりあえずソースを買って帰ろうか。」


 「うん。」


 私はもう一度おじいさんの顔を見るがにっこりと笑顔で返してくれるだけだ。


 なんか魔力的に変なものをこのおじいさんから感じるんだよな。


 これが、悪いものか良いものなのか? までの判断をつけるだけの場数を踏んでないのでなんとも言えないが、悪い人には見えない。


 でも、この状態でソースを買うのもな……。


 私は悩んだ結果おじいさんに聞いてみることにした。


 それで機嫌が悪くなってソースを買えなければそれはしょうがないだろう。


 このお店の専売特許ということでも無さそうだしね。


 私は椅子に座るとお茶をすする。


 至ってシンプルなお茶の味……。


 激マズとかかな? とも思ったがそうではなかったか……。


 「おじいさんはソース作りをする前は何をしていたんですか?」


 私のその言葉にサリアとお父さんとお母さんは驚いて「えっ。」と声を漏らしてしまう。


 それと同時におじいさんは少しニヤッとにやけたと思うとすぐに先程と同じく顔になりながら説明してくれる。


 「そうじゃな。一応冒険者をしておったよ。やっぱり憧れるからなぁ。それにしても、話し相手になってくれるのか?」


 「はい!! 」


 「そうか!! そうか!! 話し相手なんて久しぶりじゃな。ここに買いに来る方はソースを買ったらすぐに出てしまうからな。」


 嬉しそうにしたおじいさんが声のボリュームをあげて返答してくれる。


 もしかして、このおじいさんは寂しかっただけなのか?


 でも魔力も変なんだよな。


 冒険者をしていたって言ってたから、自分の異変にも気づいてるのでは?


 「それで何が聞きたいんじゃ?」


 「おじいさんの魔力が少し違和感が感じるので、それについて教えて貰っても大丈夫ですか?」


 「ほっほっほ!! 流石じゃのう。やっぱりエルフは優秀じゃな!!」


 やっぱり試されていたのか?


 サリアも隣に座った後におじいさんは話しをし始める。


 「あなたたちからは嫌なオーラを感じないからな。少しだけ話すとしようか。実はこう見えて勇者だったんじゃよ!! 見えないじゃろ。今じゃあソースを作ってるただの老人だからな。ほっほっほ。今勇者として頑張っとるのはわしの弟子でな。わし以上の力を手に入れて活躍していると聞くのが楽しいんじゃよ。昔はわしが色んなところをパーティーメンバーと一緒に旅をしていたから、重ねているのかもしれないな。力を持ったとしても、歳をとってしまえばただの老兵じゃよ。次なる勇者が出ると同時に魔王が誕生してしまうのがなんとも言えないところじゃな。もしも、勇者に会うことがあったら、優しく接して欲しい。あいつは強がっているが、心の弱い人間だからな」


 私はそのおじいさんから聞いた直後にサリアと顔を見合わせた……。


 アイコンタクトをとったからあの事件は内緒にしてくれるだろう。


 せっかくの弟子のパーティーズがあんなんだとなんとも言えない気持ちになるからね。


 「あのね。勇者にあったんだけど、凄い嫌な態度だったよ!! おじいさんは優しいのにね」


 「……」


 「……」


 おじいさんはなんとも言えない顔をしている。


 勇者の後継者として選んだ弟子の評判が嫌な感じと聞かされれば、自分の選択があっていたのか?と考えてしまうだろう。


 「そうか……。わしは間違えてしまったのかもしれないな。勇者というものはなんでも力で解決するものではなく、誰に対しても優しく接するものだと教えたのに……。」


 「おじいさん……。」


 おじいさんは凄い寂しそうで悲しそうな顔でぽつぽつと言葉を発する。


 さっきと真逆だ。


 「おじいさんが悪い訳ではないですよ。勇者よりも、一緒に冒険しているメンバーが良くないって感じですので……。」


 「そうですよ。安心してください!! 勇者のパーティーメンバーに絡まれましたが、勇者が止めてくれましたよ。」


 「そうよ。おじいさん大丈夫ですよ!! 安心してください!!」


 「そうか……。すまないな。こんなことになってしまって。話を聞かせてくれてありがとう。やっぱり勇者は人族では無い方がいいみたいじゃな。」


 「? どういうことですか?」


 「勇者だけに伝わる話があってな。元々勇者というものは人族ではなかったのじゃよ。元々は小人族の特権のものでな。小人族は滅んでしまう直前にその時代の勇者が仲のいい人族に頼んだでから、人族の特権になったという話があるのじゃよ。勇者は誰かに託す方法がメインじゃが、人族の勇者が死んだ場合ランダムで人族の中から選ばれるのじゃよ。わしは託された方じゃがな。全ての人族勇者が悪いという訳では無いが、色々と勇者に対して悪いイメージがあるからな……。ここらで変えるべきなのかもしれないな。お嬢ちゃん勇者になってみる気はあるか?」


 「ありません!!」


 「ほっほっほ!! それが正しい意見じゃよ。それとここだけの話じゃが、魔王を倒せば勇者の称号をいやでも貰えるから注意しておくのじゃよ。現時点で魔王の数は十体だからな。魔王自体の争いが多いから助かってる面があるが、街などに攻めてきたらこの世の終わりじゃな。今は強い魔王しか残っていないからな。その時は嬢ちゃん達にでも頼もうかのう。嬢ちゃん達家族の力はわしでも考えられないほどのオーラを隠しているみたいだからな。それと、勇者は全体的に強くなる称号とでも思ってくれ。」


 「なんだか、すみません。」


 「いや、気にしないでおくれ。なんだか話していたら、昔のパーティーメンバーに会いたくなってきたな。ここらでソース作りはしまいにするかな。同じパーティーだったエルフにでも託しとくから安心してくれ。ソース作りはわししか作ってないから、このままじゃとソースがこの世に無くなってしまうからな。そんな不安な顔はしないでくれ。元勇者じゃぞ。少々の事だったら自分で解決できるわ最後のお客さんだし、ソースの料金は無料でいいぞ。収納袋からもう少し出すから待ってな!!」


 そう言っておじいさんは追加でソース10本出してくれた。


 後のソースは教えるために残しておくそうだ。


 人族の料理店で使えなくなるのでは? と聞いたが、「そんぐらいどうにかせい!!」との事だった。


 「長々とすまなかったな。」


 「こちらこそすみません。」


 「いいんじゃよ。なんか昔の仲間にあった気分になれたわ。これから、最後の旅に出てくるとしようかのう。ありがとな。」


 「こちらこそありがとうございます!!」


 「「ありがとうございます!!」」

 「では、元気でな!!」



 そうして、私たちはおじいさんの家を出る。


 ソースは収納魔法を持ってるじゃろ!! と言われたので、その場で収納魔法に入れた。


 なんか勇者の考え方が少し変わった日になった。

魔王は一体とかでもいいのですが、物語的に先が見えないので十体と適当な数にしました。

もしも都合的に少なくしたかっら、魔王同士の争いで減ったと書く予定です。

こんなに適当な感じで魔王を扱っていいものなのか?


【お知らせ】

 また毎日投稿始めます!!

 目標三月まで!!


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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