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第69話 みんなでパンシェアパーティ

 「お姉ちゃんは特別に尻尾のところあげる!!」


 「……。」


 「お母さんは真ん中のところでごめんね。」


 「大丈夫よ。」


 そう。


 私がサリアから貰ったのは、魚ぶっ刺さりパン。


 そして、私が貰ったパンにはちぎれていない方から魚の尻尾がしっかり出ている。


 ちぎってくれたので一口サイズなのだが、インパクトが大きすぎて一口分が大きく感じる……。


 定員さん曰く、「尻尾と頭は食べられないので袋にでも入れてください!!」と言っていた……。


 私はパンを持ちながら尻尾と睨めっこをするが、未だに食べる気持ちにならない。


 レタスやそれにあったソースなどがあれば十分に美味しいと思うが、本当に魚とパンだけ……。


 美味しくなくても、私のピザみたいなパンがまだ残ってるから大丈夫か。


 「美味しいから、二人とも食べてみて!!」


 「「いただきます!!」」



 そうして私は、意を決して魚ぶっ刺さりパンを口に入れる。


 尻尾だけ口の中に入れずに噛みちぎり手で持ちながらパンを味わうが……。


 ここで衝撃の事実発見!!


 以外にいける!!


 パンと魚の香ばしさがベストマッチ!!


 魚の脂をパンが吸収してくれて、パン自体も美味しく感じる。


 魚臭さは、一切感じなく食べやすい。


 何故か分からないけど、骨がないって言うところもポイントが高い!!


 骨のない魚なんているのか?


 魚のバーガーなどとは全く違うがこれはこれで全然あり。


 期待値が低かった分、私は高評価を自分自身の中でしてしまった。


 多分このパンがあり続ける理由の一つでもあるだろう。


 野菜やマヨネーズがあっても美味しいと思うが、それでは美味しいと分かってしまう。


 どちらか分からないというところがまたいい所なんだろう……。


 何解説してるんだか……。


 「二人ともどう? お姉ちゃんニヤニヤしてるから絶対に思ったより美味しかったんでしょ!! 私もドキドキだったけど、美味しいんだよ!!」


 「最初買うのに勇気がいるパンだけど、美味しいよ!! 気になっても、なかなか手が出せない中これを選んだサリアはセンスがいいね!!」


 「えへへ。褒められちゃった。」


 「そうよ。昔からこのパンはあったけど、一度も食べたことがなかったわ。冒険者同士では以外に美味しい。と話題になっていたけど、いざ買おうとすると別のものを買ってしまってね……。でも、このパン当たりだわ!! 食べ終わったら、もうひとつ買ってお父さんを驚かせましょう。多分食べたことがないと思うわ。」


 「「賛成!!」」


 そうして、私のピザのようなパンとお母さんのハドナロパンをみんなと分けて美味しく頂いた。


 ハドナロパンは、フランスパンと同じ味、同じ硬さだったのですごい馴染みがあって感動した。


 私的にはクリームシチューと一緒に食べて、冬を越したい気分だ。


 まだまだ夏なので、この計画はまた後で……。


 私も転移魔法が使えるので、今度こっそり買いに行っちゃおうかな?(見えない距離の転移魔法したことなし……。)


 「美味しかったね。里のパン屋さんも美味しいけど、街のパン屋も美味しいね。やっぱりパン屋さんに入った時の香りが、パン食べたい欲を向上させるよね!!」


 「そうね。パン屋さんに行くとついつい買ってしまうから気をつけなくちゃね。さっきは、食べる分だけだったけど、この後買いに行く時買いすぎちゃう気がするわ!! でも、美味しいからしょうがないわよ。」


 「ね!! 早くサンドイッチも食べようよ!! サンドイッチ♪サンドイッチ♪」


 そうして、私たちは袋からサンドイッチを取り出す。


 今回は、私とサリアは普通のサンドイッチだがお母さんが謎の漬物サンドイッチ。


 漬物はその日その日によって変わるらしい。


 今日の漬物はきゅうり。


 そこにチーズとレタスが挟んでいる感じだ。


 その前に、私のキノコサンドだよね!!


 きつね色になっているキノコの炒め物がパンに挟まれてすごい美味しそうで、即決してしまったこれ!!


 私は、包まれている紙を解いて、キノコサンドを口の中に入れる。


 「んん!!」


 キノコ本来の味わいとニンニクがガツンと来るこの味!!そして、最後に焦がし醤油が鼻から抜ける感じ!!


 まさに私が求めている以上の美味しさ!!


 そして、もう一口。


 これこそ、私が求めていたサンドイッチだと確認できる。


 エルフだからこそ、キノコの使っているサンドイッチを食べたい。


 キノコサンド?


 味最高!!


 私がつかさずもう一口食べようと口元に持っていった時、


 「お姉ちゃん!! そんなに食べちゃうとみんなでわけられなくなっちゃうよ。 我慢して!!」


 この気持ちを我慢するだと!!


 確かにみんなが持っているサンドイッチの味は食べたい。


 だが、今ここで出会ってしまったこの最高のサンドイッチを完食したいという気持ちもある……。


 目の前にパン屋はある。


 全部食べてしまっても、買えばいい問題だろう……。


 だが待てよ。


 ここで私一人全部食べた後に買ってシェアするとなった時の心情はどうなるだろう。


 あんなにも楽しみにしていたサリアが、今交換できない悲しみで胸いっぱいになるかもしれない……。


 ここは我慢すべきか。食べるべきか……。


 悩んだ結果。


 ここは我慢して、買いに行く時に買ってもらうことにした。


 だって、サリアの悲しい顔を見たくないからね!!


 最後のひとつなら食べてたかもしれないが……。


 そうして、私はサリアに。サリアはお母さんに。


 お母さんは私にサンドイッチを渡して新たなサンドイッチ(漬物サンドイッチ)を一口食べる。


 ……なにこれ?


 美味すぎだろ!!


 きゅうりの漬物感がしっかりと残って、その味をチーズとハム。


 そして少し感じるマヨネーズが包んでくれる。


 これは、ご飯では絶対にできない組み合わせ。


 パンだからこその美味しさ。


 そして、漬物のシャキシャキ感にパンのふわふわ感。


 「美味しい!!」


 「でしょ。この街でしか見たことの無いパンだけど、すごく美味しくて、行くたびに買ってしまうのよ。味も昔から変わらず安心出来るわ。初めて食べたけど、この卵サンドも里と少し味が違くて美味しいわ。漬物も入ってるのかしら?」


 「早く漬物サンドイッチ食べたい!! 食べたい!! お姉ちゃんのパンも美味しかったよ。やっぱりキノコは体が求めてるね。お母さんにも早く食べてもらいたいから、交換。交換。」


 そうして、交換して私の元に卵サンドが渡ってきた。


 里と違い謎の具材がゴロゴロと入っていて、卵やマヨネーズといい具合に混ざりあっている。


 もちろん。卵サンドも美味しかった。


 きゅうりの漬物では無いことしか分からなかったが、酸味とマヨネーズの甘みのバランスが最高だった。食感も最高だし……。


 ここのパン屋優秀過ぎない?


 もちろん人のパン屋もスゴすぎるけど……。


 もしかして、この世界はパン屋の競争率が高いのか?


 その後は自分の元に戻ってきたキノコサンドイッチを食べて、パン屋に戻り買い物をした。


 今度は先程と違い爆買いをしてしまったが、お母さんが「収納魔法(時間経過なし)に入れとけばいつでも食べられるでしょ。」とのことだ。


 パンを買った私たちは門番にまだ帰ってきてないか尋ねるために、街の入口に向かった。

 実際に漬物のサンドイッチあるらしいです!!

初めはこんな感じでいいかな?って感じで調べた後……。

 えっあるの!!

 驚きですよ。


 味についても色々と書かれているのですけど、漬物によってだいぶ変わるみたいです。

見たことがないので、もし見つけた時は買うつもりです!!

 楽しみだな!!


【お知らせ】

 また毎日投稿始めます!!

 目標三月まで!!


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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