第67話 生態調査依頼
「それにしても、お父さんが帰ってくるまでどうする?」
「そうね。ギルドで待とうと思ってたんだけど、パーティーズがいるからね。 ゆっくり観光でもしたいんだけど、すれ違いになってもね……。どうしましょう。」
「どうする? どうする?」
私たちは冒険者ギルドから、少し出たところで話し合っている。
それにしても、本当にどうしよう。
あいつらに合うとまた関わってくる可能性もあるし、ターロさんもあいつらのせいで大変そうだし……。
私たちは迷っていると、サリアがあることを思い出したかのように、「あっ!!」 と大きな声を発した。
「そうだよ!! 生態調査!! すっかり忘れてたよ!! ギルドに行くのは少し嫌だけど、行かないとだよ!!」
「ターロさんなら、鵺二匹見ただけでヤバいってこと分かると思うから大丈夫じゃない? それに、パーティーズに会いたくないし……。」
「でも、ターロにはどこの森で狩ったか伝えてないわ!! 少し面倒だけど、もう一度行くよ!!」
「「はーい。」」
私は嫌々ギルドに戻ることに。
どうしても、生態調査などをしなくては何かあった時に対処取れないらしい。
冒険者カードを作る時に普通ならそんな説明があるはずなのだが、私たちの場合は驚きすぎてすっかり忘れていたらしい……。
はぁ。パーティーズに会いたくないな。
そう思いながら、もう一度ギルドの中に入るとパーティーズの姿、ターロさんの姿は無く受付にはギルド職員がしっかりとたっていた。
そんなギルド職員は、再度現れないと思ったのか私たちの顔を見てすごい顔をしながら走り去っていった……。
本当に悲しくなるからやめて……。
それに、さっきまで活気のあったギルド内が急に静かになったし……。
「良かったね。パーティーズいないで。いたら嫌だったよ。」
「ほんとにね。それにしても、いつも通り職員が走り去っていくのはなんとも言えないわ。ターロが出てきたら、もう一度言っておきましょう。別に悪いことやってないんだから。」
「そうだね。職員の方々ちゃんとターロさん呼んでくれるかな?」
私たちが受付に着き、少し待っているとターロさんが走ってやってきた。
相変わらず顔は真っ青……。
今日は早く帰ってゆっくり休んだほうがいいよ。
「どうしたんだ。こんなに早く戻ってきて!!」
「それなんですけど、生態調査のことで……。」
「あ!! そうだな。鵺が二匹も狩れる場所なんて滅多にないからな。それで、どこであいつらを、見つけたんだ?」
「なりまの森です。」
「……。もう一回言ってくれるか?」
「なりまの森です」
「……。」
当然ターロさんは頭を抱え出した。
もしかして、元々生態調査の依頼があった所なのだろうか?
それとも、危ない森に指定されているのだろうか?
私はターロさんからの返答をドキドキしながら待つことに。
「なりまの森なんて、こっからどれだけ離れてると思うんだ。あんな所すぐに行ける場所でもない。馬車を使ってでも、二日はかかる場所だぞ!! って、エルフだったら転移魔法か……。そもそも、あまり依頼書を確認しないで出した俺も悪いし。それよりもだ!! なりまの森はグリフォンが数匹いる程度で、後はランクCの魔物だらけのはずだし……。ちょっと待っててな!!」
そうして、ターロさんは急いで裏に行ったと思ったらすぐに帰ってきた。
走っていったことは内緒にしとこう。
ターロさんが泡吹いて倒れそうだし……。
その手にはペンと紙を持っているので、メモるのだろう。
「こんな魔物はいなかったか?」
「?」
私はターロさんに見せられた紙をよく見てみる。
紙には、見たことの無い魔物の絵が鉛筆で書いてあった。
もしかして、本来であればあそこに生息している魔物だろうか?
「見てませんけど……。エルフなので、魔物の魔力を感じ取って近づいたので気づかなかっただけかも知れませんが……。」
「そうか……。わかった。魔力的に、グリフォンや、鵺と同程度の魔力は感じたか?」
「そうですね。鵺と同程度はなかったですが、グリフォンは数匹いるかもしれない感じですね。」
「そうか……。わかった。調査しとく。ありがとな!! ガハハ……。はぁ。」
久々のガハハが聞けたが、そこからのため息。
重職につくって言うことはこういうことなんだね……。
私は何があっても、重職につくことなくお金を稼いでいたいな……。
そんな切実な思いを初めて思ったのであった。
「ターロさん!! お父さんは、まだ帰ってきてないですか? 今日ね。ダンジョンに行ったお父さんが帰っくる予定なんです……。まだですか?」
「そうだな。少し待っててな。」
そう言って、ターロさんは謎の石に魔力を込めると謎の石の上空に文字が現れる。
なんて書いてあるかは、後ろからなので分かりずらい。
それに、秘密事項かもしれないからね。
「そうだな。まだ、帰ってきた情報はないな。それにしても、エルフってのは相変わらずズルいよな。転移魔法で、行きたいところに行けるんだから。普通ダンジョンに行くってなったら、数日は帰って来ないのに……。」
「娘たちの前でそんなこと言わないの!! 転移魔法だって、簡単じゃないんだから。それと、私たちがいることは黙っといてよ。あっそうだ。もしも帰ってきたら、テレパシーで伝えてよ。距離的にも問題ないと思うし。」
「冒険者が帰ってきた情報なんて、全て入るわけないだろ。自分で何とかしてくれ。」
「相変わらずケチなんだから。じゃあ、またね。」
「はい。はい。」
そうして、私たちは冒険者ギルドを出た。
今回はほぼ話の掛け合いで終了しました。
まだ予定にないですが、いつかこの調査をアリア達に頼むみたいな感じを書こうと思います!!
多分、丁度何かしらできたアリアたちがギルドによった所話を持ちかけられて、私たちが初めに見つけたからやってみよう!!
みたいな流れですかね。
お楽しみに!!
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