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第63話 サリア初めての魔物退治

 「お姉ちゃん次は私だね!! すごい緊張してきたけど、頑張るよ!!」


 「絶対に無理しちゃダメだよ!! 実際に魔物の前に立つと思い通りに動かなくなるから、予め防御魔法をかけといた方がいいかも。それと、低級魔法だけってなってるけど、全然気にしないで大丈夫だよ。だから、安心してね」


 「もう。お姉ちゃん心配しすぎ!! 大丈夫だって。」


 「それは心配するよ。あんだけ怖かったんだから……。」


 「そうね。実際に魔物の前に立つとすごい恐怖が襲ってくると思うわ。絶対に無理だけはしないでちょうだい」


 「はーい。」


 私たちは、魔物の魔力を探して一番近くにいる魔物に向けて歩いていく。


 魔力的にも先程の鵺と比べて少し弱い感じだろう。


 魔力では弱くても、見た目で圧倒されるかもしれないからね……。


 大丈夫かな?


 次はサリアが戦うと考えると先程まで大丈夫だと思っていた足も、徐々に重くなってきて思うように動かなくなってきた……。


 いくらすごい魔法をかけても、これだけは治せないみたい……。



 「ちょっと待って!!」


 「「?」」


 「さっきのせいで足がすごい重くて、思うように動かないから少しだけ休憩しない?」


 「確かにそうだな。あれだけ怖い思いをしたんだから休むのが普通だな。すまない。ここらで少し休憩しようか。」


 「でも、魔物がいる森の中だよ? 大丈夫なの?」


 「大丈夫!! メイクフォーギアーク。 ファクタリーリングアーリングフォーレン!!」


 紗夜ちゃんが魔法を発すると、地面から細い木がなん本も出てきた後に人数分の椅子と大きな机が目の前に作成される。


 そして、半径100メートル程の防御魔法が展開される。


 防御魔法は、透明ではなくうっすら青っぽい色なので範囲がしっかり分かる。


 誤って出ることもないね。


 ちなみに、メイクフォーギアークは中級魔法。


 ファクタリーリングアーリングフォーレンは、王級魔法だ。


 王級魔法を使うってことは、この当たりの魔物なら絶対に侵入することができないだろう。


 私は紗夜ちゃんが作ってくれた椅子に座る。


 椅子と言っても、切り株のような感じなので寄りかかることは出来ないが、座るだけで随分楽になる。


 「サリアごめんね。楽しみにしていたと思うんだけど。」


 「全然に気しないで!! 魔物は沢山いるんだから慌てることないよ。」


 「二人とも1番大事なのは精神面だからね。精神面からから体調が悪くなることも多々あるわ。魔法はなんでも治せるものでもないから、今はゆっくりしましょう。魔法は便利であるが故に忘れがちになってしまうわ。」


 「その通り。魔法でなんでも解決出来ないってことを忘れないで。今回は私の完全なるミス……。ごめんねアリア。」


 「気にしないで!! 魔法で恐怖心が弱まったから、だいぶ楽になってきたよ。この調子なら、もう一体ぐらい魔物狩れそうだし。てか、自信の為にも狩りたいかな?」


 「そうか。無理だけはしないでよ。」


 「はーい。」


 私たちが椅子に座ってゆっくりしているとお母さんが温かいお茶を出してくれる。


 なんでもそのお茶は心を落ち着かせる作用があるらしい。


 お茶の温かさとお母さんの暖かさで、少し安心している気分になってきた。


 その後も二十分程度休憩して、私の体もだいぶマシになってきたので魔物退治を続行することに。


 魔力を感じる方向に歩いているが、サリアは緊張しているのか全く話していない。


 私はここで励まそうとしたが、あの時に励まされたらプレッシャーになって無駄な力が入りそうと思ったのでやめといた……。


 頑張れサリア!!



 「見えてきたけど、あれはグリフォンか。鵺と違って飛び回るから少し倒しにくいが、鵺ほどの恐怖心はないと思う。私たちはここらで見ているから、サリア頑張るんだよ!!」


 「絶対に無理しないでね。防御魔法忘れずに!!」


 「そうよ。絶対に無理だけはしちゃいけないからね。無事に帰ってくるのよ!!」


 「分かってるって。」


 そう言いながら、サリアはグリフォンに向かって歩き出す。


 送り出す側を初めてするが、送る側もここまで緊張するとは……。


 自分が退治する時はあっという間に時間が過ぎていったが、見送る側だとすごい時間の経過が遅いように感じる。


 それに、心臓もすごいバクバクいってるし……。


 そんな時にお母さんが私の手を握ってくれて、小声で「大丈夫よ。」と言ってくれる。


 私はお母さんのおかげで少しだけ安心して、サリアの背中を見ることが出来た。


 サリアは、歩きながら超級魔法の防御魔法をサリア自身に展開し手をぎゅっと握りだした。


 そこから少し進んだ所で立ち止まり、木に隠れながら隠密魔法をかけているのでグリフォンに近づいているがまだ気づかれていない。


 グリフォンが背後を向いた瞬間に、サリアがしかける。


 「ウォーターボール!! アイスゾーン!!」


 グリフォンの頭の上に巨大な水玉ができ、落ちると同時にグリフォンは濡れて「グァァァ!!」と鳴き出す。


 そこにアイスゾーンで、地面の水が氷になり、グリフォンは体が凍った。


 どちらも低級魔法の為すぐに凍ったグリフォンは、元通りにされてしまうが、地面が凍っているため足を滑らして転んでしまう。


 そこでサリアは製造魔法で、刀を作りグリフォンに向かって走っていく。


 身体強化をしているおかげでグリフォンに一瞬で近づくことができた上に、まだグリフォン自体が気づいていない。


 つかさず、刀をグリフォンに突き刺して雷魔法を発動する。


 「スパーキングディカーナ」


 「グァァァ!! ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


 雷魔法は刀から放出されているため、体内に直接流し込まれ、グリフォンは逃げるように翼をバタバタしている。


 そんな邪魔な羽めかげて、刀を一振する。


 刀を振る前に刀の強化魔法をした為、翼は半分ぐらいまで切り裂くことに成功する。


 グリフォンがサリアを睨むと同時にサリアは少しだけ後ろに後退する。


 「グァァァ!!」


 「っ!!」


 グリフォンは、怒ったのか威圧をしながらこえをあらげる。


 威圧の効果なのかよく分からないが、グリフォンから強い風がびゅうびゅうと吹き始める。


 そんな様子を見たサリアは、


 「ブラッドメイクディアニストアーキナイト」


 魔法を唱えると同時にグリフォンの血がサリアに向かって集まりだして、サリアの左手には血出できた刀が完成する。


 今まで持っていた刀は、解除し跡形もない状態になったと同時に血の刀を右手に移動。


 ちなみにブラッドメイクディアニストアーキナイトは、超級魔法の中でも難易度が高い魔法で、相手血を使い何かを製造することができる魔法。


 今回のように刀にも使えるし、液体を操って相手の体内に送り込んで温度をあげることも可能な優れものの魔法だ。


 グリフォンの口から魔法陣が形成されたと共にサリアがグリフォンに向かって走ってグリフォンの直前で刀を振るう。


 切りながら血を吸収し刀は少し大きくなったおかげで、グリフォンがサリアの目の前で一直線に切れて二等分にされる。


 放出された血はサリアにかかることなく、溢れた血は全て刀に吸収された。


 サリアはグリフォンを倒して、血の刀をもう一度見て笑っているように見えた。


 「みんな終わったよ!!」


 「「……。」」


 私達は、ここまでサリアができるとは思っていなかったので驚きのあまり声が出ない。


 そもそも、隠密魔法を使った時点で接近戦にならないだろうと思っていたのが覆された時は、圧倒された。


 私はそこまで考えることができないだろう。


 サリアは、私と違い才能があるのかもしれない……。


 それに、あの笑顔……。


 あれは、初めて魔物を倒せた喜びなのか?


 血を見た喜びなのか……。


 サリアは、魔法を解除し地面にグリフォンの血がダラーと垂れるが、サリアには一切かかっていないみたい。


 サリアは収納魔法でグリフォンをしまった後に私たちに向かって走ってきた。


 「見てくれた!! 凄かったでしょ!! 怖かったけど、なんか体が動いてね!! 倒せたんだよ!!」


 「「……おめでとう。」」


 私たちは、呆然とグリフォンがいた場所を眺めていた。

ついにサリアも討伐完了!!

魔法の名前をちょこちょこ出しているので忘れないようにしないと!! って、すごい思います。

どこかでまとめて書いとくつもりですのでお楽しみに!!


【お知らせ】

 また毎日投稿始めます!!

 目標三月まで!!


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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