表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/190

第61話 謎の存在は、勇者?!

 「えっ。待てよ。チルと同じだけの魔力量だと!!」


 「どういうことですか!! それならこの子は……。」


 「いや。ありえない。ありえちゃいけない……。」


 エルフパーティーメンバーは、先程から何やら私の事をすごいすごいと賞賛してくれてるが、たったこれだけの魔力で褒められてもな。


 それと、エルフの方はチルって言うんだ。


 聞いたことないし見たこともないから私と違う里生まれなのだろう。


 私は早く依頼を受けたいので、エルフパーティーズに背を向けてターロさんを見るとターロさんもすごい驚いた顔をしている。


 そのターロさんの額に少し汗が垂れている。


 「すみません。この依頼お願いします!!」


 「ちょっと待って欲しい。あなたの事を詳しく教えてくれないか。全力ではなかったが、結構な力を込めてる感じだったチルがあそこまで言うんだ。力を貸してくれないか?」


 「お断りします!!」


 「「え?」」


 私は振り返ることなく返答する。


 早く依頼を受けて帰ってこないとお父さんとすれ違いになりそうだからね。


 私がそんな態度をとっているとターロさんの汗が増えたように感じる……。


 何故?


 「嬢ちゃん。少し後ろのパーティーと話す気はないか。会議室もちゃんと貸すから。お願いだ!!」


 「どうしたのよ。ターロ。いつも ガハハ ばっかり言ってそんな真面目な感じを一切出てないじゃない。ダンジョンで死にそうな時でさえ ガハハ 言ってたあなたが……。ほんとにどうしたのよ?」


 「こちらの方々は、Sランク冒険者なんだよ。それにリーダーのリロは勇者の称号を持ってるし。最近は、勇者の時代復活? とか言われてるレベルだぞ!!」


 「そんなことは里に流れないから」


 「「……。」」


 それにしても勇者か。


 人族は他種族から舐められる傾向があるって紗夜ちゃんが言ってたけど、勇者は別なのかな?


 そこら辺は、まださっぱり知識がないので分からない。


 私が悩んでいると、サリアが私の手をツンと押してきた。


 「勇者って何?」


 「「え!!」」


 「魔王を倒す存在なんだって」


 「魔王? ん??」


 「簡単に言うと強い存在だよ。詳しいことは後で説明してあげるから。」


 「はーい!!」


 サリアが勇者などのことを知らなかったのがショックだったのか、後ろから「マジか……。」というすごい悲しそうな声が聞こえた。


 勇者なんて正直いって関わりたくないし、早くこの場から脱却したいがどう対応したらいいのかが分からない。


 私が迷っていると、お母さんが私のことをみてにっこりと笑った。


 「すみませんが、私たちは勇者に興味がないのでお話することはありません。それに、この街に住んでいないので何か誘いがあっても来れませんし、本日は忙しいので対応出来ません。ターロ早く依頼受けさせて!!」


 「さっきから聞いてれば、低ランク冒険者の癖に生意気な!!」


 犬族のオスが怒鳴り散らかしたと思ったら、私たち威圧の魔法をかけてくる。


 しかし、低レベルの威圧なんて、私たちに効くはずがない。


 そう。紗夜ちゃんの威圧で慣れている私たちにとっては……。


 今回の威圧が私だけなら全然気にしないが、サリアとお母さんに威圧をしてくるとなると少し話が変わってくる。


 私は少しイラッとしながら振り返り、エルフパーティーズに向けて威圧をする。


 もちろん全力では無いが、イラッとした分はプラスさせて貰うよ。




 私が威圧をした瞬間にエルフパーティーズは、皆床に倒れた……。




 どうしよう……。


 ここまで弱いって想定外だよ……。


 てか、S級冒険者を一瞬で倒した私って……。


 振り返ってターロさんの顔を見るとすごい青ざめている。


 ターロさんの時間が少し止まった後に私の顔をみて急いでカウンターからこちらにやって来た。


 「大丈夫か!! おい!! 早くタンカーもってこい!! 後回復魔法使えるやつもだ!! なんでなんだよ!! なんなんだよ!!」


 ターロさんの言葉が聞こえていると思うが誰も裏からやってこない。


 多分私のことを余計怖がってしまったのだろう……。


 本当にこの街とはおさらばしないとかも……。


 私が少しショックを受けているとお母さんが何やらエルフパーティーズに向けて魔法を奏でる。


 「キューティクルリーバー!!」


 魔法陣は倒れているエルフパーティーズの下に現れ、魔法陣が緑色に光り出す。


 この状況をみてお母さんは、パーティーズに回復魔法をしてくれたのだ。


 しかも低級魔法ではなくて上級魔法。


 詠唱をしないのは魔力で無理やりって感じ。


 紗夜ちゃん直伝だからね。


 魔法陣が消えたと同時にターロさんの顔は余計青ざめた。


 「何やってるんだ!! このまま意識が戻らなかったら、街は潰れる可能性があるんだぞ!! それなのに……。」


 「違うわ。回復魔法をかけたの。多分もう少し経てばみんな起き出すから、裏に運んじゃいましょう。」


 「俺が担いで何か問題があったら、それこそ大問題だ!! 冒険者ギルドが無くなってしまう!! もうどうしたらいいんだ!!」


 「フィールカバープロテクト!!」


 私の魔法でパーティーズを宙に浮かす。


 この魔法は体全体を浮かす魔法なので、手がブランブランになることがない。


 これなら、問題にはならないだろう。


 それに問題があったら、この冒険者ギルドに来ないだけでいいし。


 「ターロさんどこに運べばいいですか。」


 「ああ!! もう分かった。こっちに運んでくれ!!」


 私は四人を浮かしながらターロさんの後をついて行く。


 ターロさんは、カウンターの裏(従業員しか入れないところ)に入っていくので私もつかさず入る。


 これは少しお得だね!!


 そうして連れてこられたのはベッドが何個も用意されている部屋。


 多分救護室なのだろう。


 私は一人一人ベッドの上に置いていくが、ターロさんが「慎重にな。慎重」と先程から少しうるさい。


 ベッドの上に全員起き終わったらすごいため息をついていた。


 私の方がため息つきたいわ!!


 「ターロさん。受付に戻ったら、依頼受けさせて貰えませんか?」


 「そんな感じじゃ……。分かった。……。うん。」


 私たちはまた受付に戻ってきたが、あれから一切話さなかった。


 ターロさんの魔力がすごいブレブレだし。


 すごい緊張してるみたいで……。


 「では、お願いします。」


 「……。はい。いってらっしゃい。……。」


 「「いってきます」」


 すごく元気がないターロさんにサリアは、元気のいい返事をしたがずっと下を向いたままだった……。


 本当にやらかしてしまったかもな。


 まぁ。


 あっちが先に威圧してきたんだからあっちが悪いよね!!


 そんなことよりも初の魔物退治!!


 気合い入れていこう!!


 「あんなことがあったけど、頑張るよ!!」


 「うん!! それにしても、あんな威圧じゃ誰も驚かないのにね。変わってるね。」


 「「ね!!」」


 「そうそう。勇者という存在を教えるわね。……。」


 そこから目的地に着くまでお母さんに勇者の存在を教えてもらった。


 この世界では勇者は人族にしか生まれないらしい。


 昔はその強力さ故に人族は憧れの存在であり、魔王が現れる度に倒していたらしい。


 だがある時の勇者が魔王を倒せずに殺され、人族の評価はだだ下がり。


 そもそも、人族は気に入った女や子供がいたら無理やり奪い取っていたらしい。


 何かあれば勇者様が!! と言っていたので誰も助けられなかったとか。


 勇者がいなくなった今が!! ということで反乱が、起き多くの人族は殺されたと言っていた。


 その後勇者はぼちぼち現れるが、弱い勇者のみでみなから嫌われる存在だったらしい。


 それに伴いどんどん人族は衰退して言って、今の状況(バカにされ、滅多に見られない存在)になったらしい。


 倒されなかった魔王は今の健在らしい。


 しかも、魔王は何體もいるらしい……。


 この世界はどうなってるんだか……。

 この小説で書きたかったことの一つを書きました!!

それは勇者が全く評価されない世界。

 今回の勇者はSランクだから評価されていますが、それがなければ評価のひの字もない存在です。

 ここで多種とのバランスが上手く取れるはずです……。

多分……。



【お知らせ】

 また毎日投稿始めます!!

 目標三月まで!!


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ