第57話 念願のカレー!!
「お姉ちゃんカレーいつ作るの？」
「そうだね。少し落ち着いたら作ろうかな。作っても、収納魔法に入れるから隠れて味見なんて出来ないからね。」
「えー。お姉ちゃんのケチ。美味しかったら、いつでも食べていいじゃん。」
「カレーは美味しいけど、気をつけなければ行けないんだよ。二日目のカレーはもっと美味しくなるんだけど、常温で置いとくと菌が繁殖して食中毒になりやすいらしいし……」
「「食中毒？」」
私は食中毒の説明をした。
エルフの里には、そんなものはなかったらしい。
もしも体調不良になった場合は、何か変なもの食べたの？ とか、良くない行いをしたんでしょ!! とか言われていたらしい。
本当に怖いから気をつけないとね……。
「ってことで、カレーは収納魔法でしまうから」
「「はーい。」」
お母さんとサリアは、少し残念そうな顔をして返答した。
二人とも私に隠れてカレーを食べるつもりだったのか……。
私は、収納魔法からスパイス屋で貰った作り方の紙を見る。
疑似体験では、スパイスから作るとなるとカレールーと作り方が少し変わってしまうので心配していたが、カレールーと同じ作り方でいいらしい。
本当に良かった。
今回はオーク肉があるので、それを使ったオークカレーにするつもり。
オークカレーと聞くと少し聞こえが悪いが絶対に美味しい料理になるはず!!
少し大きめのお肉にしようかな？
私がカレーについて考えているとサリアが私が持っているメモを覗いてきた。
「お姉ちゃんこれが作り方？」
「そうだよ。季節によって中に入れる具材を変えてもいいから一年通して楽しめるんだよ!! その季節に旬を迎える食材を入れるから楽しみにしててね。私のおすすめは夏のナス、オクラ入りカレー!!」
「ナスとオクラ？ お姉ちゃんうどんの時もそうだったけど、オクラ好きだね。私もオクラ大好き!!」
「私もオクラ好きよ。こないだのネバネバうどんはいつでも食べたいぐらい美味しかったわね。来週でも食べようかしら。」
「「賛成!!」」
「そうだ。カレーうどんもできるよ!!」
「「カレーうどん？」」
「カレーに少し麺つゆを入れてそこに湯掻いたうどんを絡めて食べる料理だよ!! カレー好きにはたまらない一品だから、お父さんが帰ってきた次の日の朝は、それにしようか？」
「「賛成!!」」
「それと、今日は始めてもカレーだから一般的なカレーを作るよ!!」
二人ともすごい喜んだ声で返事をしてくれたが、果たして二人にカレーは合うのか少し心配だ。
疑似体験時では、子供だ大好きな料理ランキングTOP3に必ず入るレベルだったか多分大丈夫だと思うけど……。
今まで疑似体験で食べたメニューをすごく美味しそうに食べてくれたから美味しいと言ってくれると信じたい!!
「カレー作るから保管庫行こう!!」
「「おー!!」」
私たちはキッチンの隣の保管庫に行く。
お母さんは、サリアに隠し味を入れちゃダメだよとしっかり言っている。
多分色んな野菜を入れて楽しめると言ったのが原因だろう。
次回楽しみにしといてね。
「今回はカレーの野菜は、玉ねぎと人参とじゃがいも。」
「経った三つだけ？ 少し少なくない？ 足りるかしら？」
「大丈夫。しっかり美味しいから。」
「お姉ちゃん。レタスも入れてみようよ。」
「……。今回はなし!!」
私たちは野菜を持ってキッチンに行き野菜を洗って皮をめくると同時に、メモに記載してある分量の倍の量のお湯を沸かす。
「お姉ちゃん。なんだか涙が出てきたよ。悲しくないのに。なんでかな？」
「それは玉ねぎを切ってるからだよ。玉ねぎの成分が鼻からか目から入ってくるらしくて、涙が出るんだって。おかしくないから安心して。」
「わかった。」
その後も順調に進んでいき、後はカレーのスパイスを入れて煮込む作業だけになった。
サリアは今まで危険だからやらせて貰えなかった工程などをできるようになってすごく喜んでいる。
サリアは、料理好きなのかもしれない。
「スパイスを入れていくよ。分量的にこれぐらいかな？」
「私が鍋の中に入れたい!!」
「じゃあ、このスパイスを鍋に入れながらおたまで混ぜてくれる？」
「わかった!!」
サリアがスパイスを入れたお皿を鍋に入れながらおたまでかき混ぜる。
こっちまでスパイスが漂ってきて、お腹がすいてきた。
私がいつも食べていたカレーより香りがいいのはスパイスを入れているおかげだろう。
お母さんもカレーの匂いを嗅いですぐに三人分のお皿とスプーンを用意してくれた。
それだけ味見が楽しみなんだね。
「お姉ちゃん。色が変わってきたけど、この色であってるの？ 初めて見る色だけど……。」
「大丈夫!! あってるから。それにすごいいい匂いするでしょ。」
「うん!! すごいいい匂いする!! 早く食べたいよ。」
「味見の準備はできてるわ。後どれぐらいかき混ぜるの？」
「だいたい十分ぐらいかな。スパイスが完全に溶け込んで、少しとろみが出てくきて完成だから。」
「楽しみだわ。」
「楽しみ!!」
カレーのかき混ぜを少しずつ交換しながら私たちは十分を待つ。
カレーをかき混ぜる時はカレーの匂いがすごく感じるので、おたまで混ぜていると早く交換して欲しそうに見られてしまう。
そんな目で見られたら……。
私はすぐにお母さんと交換してお母さんが混ぜ始めるとすごいにっこりとした笑顔になった。
もう少しだから待っててね。
「「完成!!」」
「早く味見しましょ。私よそっちゃうわね。」
そう言いながらお母さんは、みんなの分の味見をよそってくれる。
サリアは自分のカレーが手元に届いた時点でお腹がぐぅ〜となっていた。
あんなにカツ丼を食べたのにもうお腹がペコペコなのか……。
みんなの手元に揃ったのを見て、お母さんが声をかけてくれる。
「では、食べましょ。いただきます!!」
「いただきます!!」
私はスプーンでカレーをすくって口に入れる。
このカレーはドロっとしているカレーだ。
口の中に入れるとすごい懐かしいと感じると共に、今までの中で食べてきた中で一番美味しいと感じる。
スパイスから作ったことがなかったが、これほど美味しいとは。
後味に少しピリッと辛味が来るのが癖になる。
「最後に少し辛いのが来るのがすごくいい!! お姉ちゃんが言ってたうどんでも、試して見たくなっていたよ。」
「そうね。今日はカレーと言ってたけど、何と一緒に食べるの？ うどんはまだって言ってたけれど。」
「あっ!!」
ご飯炊いてない……。
夕食までにまだまだ時間があるから大丈夫か。
今日は、早めに全部の準備を終わらして、ゆっくりカレーを堪能したいからね。
初めてのカレーは、絶対にカレーライスって決めてる。
これだけは絶対に変えてはいけない。
「忘れてた!! 今日はカレーとご飯で、カレーライスにして食べるんだよ!!」
「「カレーライス？」」
「そう。カレーとご飯をお皿に載せた食べ物をカレーライスって言うんだよ。私が1番好きなカレーの食べ方だから楽しみにいててね。」
「ねぇ。お姉ちゃん。今から、ご飯炊いたらカレーライス？ の味見してもいい？」
「せっかくだから、夕食の楽しみにしよう。少し食べるとやめられなくなっちゃうから。」
「分かった!!」
「カレーライス♪カレーライス♪」
サリアは味見をおかわりした後にご飯を炊いてくれた。
その後は、カレーについてだったりと、話が盛り上がって気づくと夕方になっていた。
話の中で少し衝撃的なことを聞いてしまった。
エルフの里では春夏秋冬がないらしい。
野菜は一年中取れるので食べたい時にその野菜のカレーを作ろうとなった。
私は夕食前に忘れていたゆで卵を慌てて作った。
カレーと一緒に食べるゆで卵は格別だからね。
夕食の準備が終わり、ワクワクしながら席に着いた。
「「いただきます」」
私はスプーンにご飯とカレーをよそい口に入れる。
カレーだけでも美味しかったが、ご飯と食べると新たな道が開かれる。
私が望んでいたものはここにあったのか。
これだよ、これ。
疑似体験で、いつでも食べられる環境にあったのがどれだけ幸せだったのかということが最近すごい実感する。
みんなで一緒に作るカレーも幸せいっぱいだけどね。
「「美味しい!!」」
「でしょ。ご飯との相性もバッチリでしょ!! 一度これを食べると抜け出せ無くなるんだよ。それにまだスパイスもすごいあるからいつでも作れるよ。」
「なんて幸せなのかしら。今回はこの三種類の野菜だったけど、色んな野菜を入れて食感や味見も変えられるし。それにこのオーク肉。すごい柔らかくて味がカレーとマッチしてすごい美味しいわ。お昼も食べすぎちゃったけど、夕食も食べすぎちゃうわ。」
「ね!! 私絶対におかわりするもん。明日の朝も食べるしお昼も食べる。夜はカツカレーだもんね。すごい楽しみだよ。沢山作って良かった。」
「そんなに食べると明日の夜の分無くなっちゃうよ。お昼はキノコソテーでも食べよう？」
「えー。キノコソテーも美味しいけど、カレー食べたいよ。また三人で作れば大丈夫だから!!」
「そうね……って。このままいくと、私たち食欲が制御出来なくなるわ!! ダメよサリア。少しは我慢しないと。」
「えー。分かったよ。」
「カツカレーもすごい美味しいから期待しててね。」
「うん!!」
私たちはカレーをおかわりしながら食べていく。
お米も沢山炊いたつもりだったが、気がつくと全て終わっていた。
カレーも大きな鍋で作ったが、三分の一ほど無くなっていた……。
お父さんが帰ってくる前に無くならないといいけど……。
「「ごちそうさまでした!!」」
「美味しかった。」
「ね。いっぱい食べすぎちゃったわ。お皿だけ水につけて洗い物は後でしましょう。」
「「賛成!!」」
私たちはゆっくりした後にお皿を洗い物をして、カレーについて感想を言い合った後、量的に考えて明日の朝ごはんはカレーうどんになった。
お父さんには悪いけど、私たちは一足先に食べちゃうからね。
うどんは、明日の朝イチ買いに行く予定。
カレーの沼にハマったな。
私はパンに付けても美味しいことは黙っておいた。
本当に無くなってしまうから。
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やっぱりカレーは最強の食べ物なんです!!
っと言うことで、今回は初のカレー作成の回になります。スパイスから作ったことが無いので、カレー粉と同じ作り方で書きました。
いつか、スパイスから作って本格的なカレーを食べたいです!!
【お知らせ】
また毎日投稿始めます!!
目標三月まで!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
