第48話 ネバネバうどん?
「うどん屋に向かうってなるとやっぱりうどんが食べたくなるわね。」
「お母さん今日は我慢だよ。お昼は美味しいデザート食べるんだから。でも、うどんも少し食べたくなってきたかも……。」
「確かに」
私たちは小麦粉を買いにうどん屋に向かっているが、段々うどんが食べたくなってきた。
ついこないだ食べたばかりだが、そんなことは関係ない。それぐらいここのうどんが美味しいのだ。
「それなら、今日の晩御飯はうどんにしようかしら。ちょうどうどんの在庫もなくなってきた事だし、うどんも買って帰りましょう」
「「やった!!」」
今日の夕食はうどんで決定したが、まだ大事なことが決まっていない。
それは温で食べるか冷で食べるか?
それと具材はどうするか?
私としては最近は、ぼちぼち暑いので冷たいとろろうどんでも食べたいところだが……。
「うどんは何うどんにするの?」
「そうね。二人ともどんなうどんが食べたい?」
「冷たいうどん!! 麺つゆでツルッと食べるの最高だもん!!」
「私はとろろとオクラのうどんがいいかな。」
「「とろろとオクラ?」」
二人とも頭の上で?が並んでいる。
それもそのはず、エルフの里では長芋の食べ方はお刺身しかないのだ。
長芋をするって言い出したら、どんな反応をするのかワクワクしながら私は言った。
「とろろはね。長芋をすった料理なんだよ。この前作った大根おろしみたいに。いつも食べてるお刺身とはまた違った味ですごい美味しいんだよ。」
「えっ。ちょっと待って。する?大根の時もそうだったけど、全く考えもしない作り方ね。もしかして、オクラもするの?」
「オクラはすらないよ。おひたしと同じように輪切りにして、とろろと麺つゆと水を混ぜた中に入れるんだよ。これがすごい美味しくてね。」
「よく分からないけど、お姉ちゃんの言葉に熱がこもってるから絶対に美味しいよ!! 楽しみ!!」
「そうね。ちょうど長芋もオクラも家にあるから良かったわ。お昼も夜も食べたことの無い料理を食べるなんてなんて幸せなの1日なの!!」
サリアとお母さんは、歩きながらすごい喜んでいる。
私がネバネバうどんを紹介してよかった。
疑似体験では、納豆も入れる時もあったけれど、こっちの世界でも残ってるのかな?
匂いが苦手な方が多いから結構心配だ。
私たちが今日の晩御飯について話しているとうどん屋に着いた。
うどん屋にまだ入っていないのに、うどんを湯掻いた美味しそうな匂いがぷんぷんする。
お腹減ってきたな。
「いらっしゃい!! ってまたうどん食べに来たのか?随分早いじゃないか。」
「今日はうどんと小麦粉を買いに来たのよ。」
「そういう事か。そうそう。アリアあの後鴨だしうどんが大人気になってな。今ではこの店1位2位を争うぐらい売れてるんだよ。それもアリアのおかげってもんだよ。今回の買い物もおまけするぜ。」
「私は何もしてないけど……。」
「アリアがあんなにも美味しそうに食べてくれたから自信を持っておすすめできたんだよ。そのおかげでみんな鴨だしうどんを頼んでくるから、今は鴨がなくて休止中。次はまだかまだかってみんな待ってるんだよ。」
「そうだったんですね。みんなにも鴨だしうどんの美味しさを知ってもらって良かったです!!」
「だな!! ちょっとまっててな。」
そう言ってミヤさんは厨房に戻って行った。
それにしても、鴨だしうどんがなくなるほど人気になるのは……。
これもミヤさんの作り方が美味いからなのに私のおかげって言ってくれて……。
なんだか嬉しいな。
私が喜んでいるとミヤさんはうどんと小麦粉を持ってやってきた。
「持ってきな。」
「えっ。」
「ミヤ。流石にお金払うから、アリアが食べて自信がついたのは分かるけど、みんながリピートしてくれるのはあなたの料理が美味しいからよ。」
「それもそうなんだけどな。今回は特別ってことで。」
「流石に悪いですよ。ちゃんと払いますから。」
「そうだな……。なにか美味しそうなうどん料理思いついたら教えてくれ。ディーロが言ってたぞ。すごい料理が美味いんだってな。」
「お姉ちゃん!! 今日の夕食教えてあげたら!!」
「そうね。」
「夕食?」
ミヤさんは何を言うのかすごい楽しみにしている様子。
多分お父さんが相当美味しかった。と言ったのだろう。
今回の料理は作り方が簡単だから良かったが、難しかったら私が厨房に入ることになっていたよ。
私が言おうと思ったら、ミヤさんは急いで紙とペンを持ってきた。作る気満々だね。
「まずは長芋をすって、オクラを輪切りにして、器に入れます。その後に麺つゆと水を入れて混ぜたら完成です。」
「ちょっと待て。たったそれだけか?それに長芋をするってどういうこと?」
「りんごみたいに長芋をするんですよ」
「……。長芋をね……。」
「ネバネバするので驚かないでください。決して危ない食べ物ではないので」
「……アリアがそこまで言うのならやってみるか。ありがとう」
ミヤさんは作りたくてうずうずしていたので私たちはお店を出た。
私たちが少し進んでから後ろを振り返るとオープンと書いてあった札がクローズになっていた……。
エルフでは、すぐに閉めるのが流行っているのか?
あっ。ベーキングパウダー忘れてた!!
多分パンを作る時に使うからパン屋にあるよね。
私たちはパン屋に行き、ベーキングパウダーを貰った。
本来販売していないみたいだったけど、話したら少し分けてくれた。
パン以外にベーキングパウダーを使うのが想像できないみたいで、私たちがどんな料理を作るのが興味津々だったため、作り終わったらホットケーキを持っていくことを約束した。
そして、私たちはその後、家に帰った。
「「ただいま!!」」
私たちは洗面所で手洗いうがいをした後にリビングに戻り冷蔵庫や野菜室に材料を入れていく。
今から作ってもいいのだが、少し歩き疲れたので休憩することに。
私が自分のお茶を入れたら、サリアとお母さんは、「私のも!!」と言ってきたので全員分入れて、テーブル席に座る。
「お父さんたくさん食べられるかな? ホットケーキに新しいうどんだよ。食べすぎて動けなくなっちゃうんじゃない?」
「そうかもしれないね。美味しい料理を目の前にすると手が止まらなくなるからね。頭ではもうお腹いっぱいってわかってるんだけど、体がね。」
「ね。私もついつい食べすぎちゃって動けなくなること結構あるよ。特にお寿司とか焼肉とか。」
「「お寿司?焼肉?」」
「あっ……。」
エルフの里では多種のキノコを焼く焼肉キノコversionは、あるが焼肉はない。
そもそも、色んな種類や部位のお肉を手に入れにくいからだ。
お寿司に関しては謎の川(海魚も何故か泳いでる)が、あるから頑張ればできそうだが一貫一貫作るのは結構大変だろう。
私は説明するかどうか迷ったが、2人が期待の眼差しをしていたので説明することに。
説明するとサリアは目がキラキラしているが、お母さんはなんとも言えない顔をしている。
多分食べたいが、作るのが大変な寿司と手に入りずらい焼肉だからだろう。
「その二つはまた今度にしましょう。」
「今度っていつ!! いつ!! 早く食べたいよ!!」
「作戦会議の後でね」
「「作戦会議?」」
お母さんは、私の目を見てウインクをした。
作戦会議は、サリアがいない時にするのだろう。
サリアがいると食べたい食べたい!! って感じで、私が知っているお寿司をそのまま作ることになりかねないからね。
作戦会議の時に海鮮丼のことを言おう。
お寿司よりは作りやすいから夕食で出てきそうだからね。
「お姉ちゃん。お母さん。それよりもホットケーキ作るよ!!」
「「はーい」」
私たちはホットケーキを作る準備を始めるのだった。
今回は私の大好きなネバネバうどんをうどん屋に教える回になりました!!
食べたことがない方はマジで試して欲しいです!!
すごく美味しくて癖になって食べすぎて気づいた頃にはお腹が破裂しそうになります!!
うどん最高!!
【お知らせ】
また毎日投稿始めます!!
目標三月まで!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。